食べてエネルギーを消費!DITを意識しよう!
先日、食べたら痩せるマイナスカロリーの食材について記事を書きました。マイナスカロリーの食材とはそのものの持つカロリーより、それを消化吸収するのに使うエネルギーである食事誘発性熱産生が高いのでマイナスカロリーと呼ばれている…という内容のものです。
今回は前回詳しく書かなかった食事誘発性熱産生、別名DIT(Diet Induced Thermogenesis)について詳しく掘り下げていきたいと思います。
食事誘発性熱産生(DIT)とは?
食事をすると、体が温まる経験、誰しもあるのではないでしょうか?これは、食事誘発性熱産生(DIT)といい、食品を消化吸収するときに、エネルギーが消費されることで起きる現象です。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。また形状(大小、液体か固体か等)によっても差が出ます。
食事誘発性熱産生の割合
タンパク質
肉や魚、卵など三大栄養素の一つであるタンパク質は、食事誘発性熱産生でその食品の30%のエネルギーを消費します。この値は、食事誘発性熱産生のなかで一番高く、体はタンパク質を消費することに一番エネルギーを費やしていることがわかります。
プロテインの場合
タンパク質ひとくくりにしても、その形や形状によって、当然消化吸収に必要なエネルギーには差があります。特にトレーニング後に飲むプロテインなどは早く体に吸収されることを目的として作られているので、食事誘発性熱産生は10~20%と言われています。(文献によって異なる)
糖質
ご飯やパンなどの炭水化物や蜂蜜や砂糖などでも知られた糖質ですが、消化吸収するためにはその糖質の持つエネルギーの約6%を消費します。この値はタンパク質よりは低いので、エネルギー効率はタンパク質より高く、消化吸収されやすいことがわかります。
脂質
オリーブオイルやごま油などの植物性油脂やバターやラードなどの動物性油脂に分けられる脂質ですが、消化吸収するためにはその脂質の持つエネルギーの約4%が消費されます。この値は三大栄養素の中では一番低く、脂質が一番消化吸収にエネルギーがかからないことがわかります。
脂質と言っても種類は千差万別で、体に良い脂質から悪い脂質まで沢山あります。以前脂質について詳しくまとめた記事を書きましたので、興味のある方はこちらをご覧ください。
三大栄養素を一緒に取った場合
当然ですが、通常の食事はこの三大栄養素である、タンパク質と糖質と脂質を一緒に取ります。
この三大栄養素を一緒に取った場合の食事誘発性熱産生は、その食事のバランスによって個々の差はあるとはおもいますが、おおむね食事のエネルギーの約10%だと言われていわれています。
人が使うエネルギーは3種類
基礎代謝
基礎代謝とは睡眠時、活動時問わず消費するエネルギーです。例えば、心臓の鼓動にもエネルギーが使われます。そのように生命の維持に必要なエネルギーを基礎代謝と言います。
基礎代謝は人が一日に使うエネルギー消費の中で最も割合が高く、全体の70%を占めます。
生活活動代謝
生活活動代謝とは運動をしたり、仕事をしたり、起きて活動して消費するエネルギー全般のことです。ダイエット目的で消費エネルギーを増やしたい時、一番自分の意志で手っ取り早く増やせるのがこの生活活動代謝になります。
生活活動代謝のエネルギー消費の割合は全体の20%です。
食事誘発性熱産生(DIT)
今回話題としているのがこの部分である食事誘発性熱産生ですが、これは食事をしてその食事を消費するのに必要とするエネルギーのことです。この食事誘発性熱産生により、人は食後安静にしていても代謝量が増大します。
食事誘発性熱産生は、人が一日で必要とするエネルギーの約10%と言われています。
食事誘発性熱産生を高めるには
食事誘発性熱産生は加齢とともに低下する
加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下します。食事誘発性熱産生は基礎代謝と同じく何もしなくても消費されるエネルギーですので、これが減ってしまうと余ったエネルギーは取り過ぎたエネルギーと言うことで、脂肪にまわされ、肥満のもととなってしまいます。
年齢が上がっても食事誘発性熱産生を高めるには?
筋肉をつける
筋肉をつけるというと、基礎代謝を高める目的ばかりがクローズアップされますが、実はトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生も高くなるとされています。
年齢が上がると必然的に筋力も低下しますから、いかに老後の意識的な運動が必要であるかがこのことからもわかります。
よく噛んで食べる・流動食を控える
私達は食事はよく噛んで食べましょうと、子供の頃からよく言われてきました。よく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、食よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生(DIT)が高くなるといわれています。
まとめ
食事誘発性熱産生は体が必要とするエネルギーの約10%をしめます。10%を多いととるか少ないととるか個人差はわかれるところだと思いますが、食事をするだけで消費してくれるエネルギーと考えたら、注目する価値もあるのではないでしょうか?
何をどのように食べるか、また食べ方の工夫で、食事誘発性熱産生を高くすることができます。是非皆さんも食事誘発性熱産生を意識して日々を過ごしてみてください。