ゲームを子供に与えるべきか否か
我が家は英語教育のためにTVを置いていないという話を以前記事にしました。正直TVを置かない時期がこんなに長くなるとは思っていなかったのですが、今のところ私も夫も子供たちもTVを必要だとは感じていません。
子供達も私もニュースやドラマやアニメなどは基本的にネット配信やYoutubeを見て情報を仕入れています。TVが無いから子供があまり動画を見ていないかと言うとそんなことは無く、子供たちはいつも自分のデバイスで見たいものを見ています。
ゲームに関しては、アプリで遊べるポケモンGoやAmongUsなどは普通に遊んでいたのですが、息子が最近ニンテンドースイッチが欲しいと言い出しました。そこでゲームが子供に与える影響について、良いもの悪いものを私なりに調べてみました。
ゲームが子供に与える良い影響
視覚空間推論力が増す
ゲームには良い影響もあるようです。アリゾナ州立大学の研究によると、ゲームにより、数学やサイエンスに必要な視覚空間的な認知力や推論力が高まると結論付けられています。大学生に25分間ゲームをさせ、その前後をテストすると、スコアがアップしたそうです。
【参考文献Enhancing visuospatial performance through video game training to increase learning in visuospatial science domains (pdf) | Paperity 】
創造力が増す
ゲームが子供に与える良い影響の一つに、創造力が増す、という研究結果があります。12歳児を対象に行ったミシガン州立大学の研究で、普段テレビゲームをしている子の方がそうでない子より、創造力が高かったそうです。ゲームにある複雑なキャラクターやストーリー設定は、子供の問題解決能力を高め、ゲーム以外の場に応用する力を促進すると結論付けられています。
【参考文献 Information technology use and creativity: Findings from the Children and Technology Project (msu.edu) 】
反射的に注意を切り換える力が増す
ゲームには、視点を移して何かを見つけたり、瞬間的に注意を切り換えることのできる力が高まるという研究結果があります。具体的に言うと、本を読んだり、地図を見たり、数学の問題を解くのに役立つ力です。イタリアのサンドロフランセチーニ大学の研究では、読字障害の子にアクションゲームをさせたところ、読む力が改善されたと結論付けています。
【参考文献Action Video Games Make Dyslexic Children Read Better – ScienceDirect 】
ゲームが子供に与える悪い影響
暴力的なゲームが引き起こす問題行動
これはTVや映画でも同じ事が言えますが、ゲーム内での暴力的なシーンが、子供の行動に悪影響を与えるとする研究は多くあります。
また、より暴力的な内容のゲームを長時間プレイしている子供のほうが、学力が低下し、より攻撃的であったりと問題行動が増えるとも報告されています。
自己管理ができないと勉強時間が確保できない
時間をかけてプレイするRPGなどは、時間管理ができないと、必然的に勉強する時間が少なくなります。外遊びであれば5時になったら帰る、といった「やめどき」があり、家に帰ったら勉強をするという習慣をつけることができます。
しかし、ゲームは際限なく遊べるので、自分でしっかり線引きをする必要があります。これができないと、勉強不足になり学力が低下してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
私の兄弟はゲームが悪影響だったようには見えない
これらゲームの良し悪しを見てきましたが、個人的に私の兄弟を見ると、ゲームが必ずしも悪には見えませんでした。私の幼少期はファミコンブームのど真ん中だったのですが、ファミコンはゲームだけだけどパソコンはもっといろいろできるからと、当時父の判断で我が家にはファミコンではなくパソコンがありました。兄や弟は当然の様にパソコンでゲームに明け暮れていたのですが、当時、私はあまり興味が持てず、ゲームの取り合いには参加しませんでした。
小3で自作のインベーダーゲームを作っていた兄
思い返せば、兄がゲームで遊ぶことに没頭していたのはせいぜい1~2年だったように思います。父の思惑通り、兄は次第にゲームをプレイするよりゲームを作ることに興味を持ち始め、小3くらいで簡単なインベーダーゲームなどを自作していました。大人が読むようなマニアックな雑誌をいつも熟読しながら、兄が朝から晩までプログラミングモドキの様な事をしていたのを覚えています。
兄は廃棄ゴミから部品をあさっては何か変なものを組み立てているような子供でした。オウム真理教のマハポーシャじゃないですけど、部品から組み立ててパソコンを作るなんて彼にはお手の物でした。兄は現在数学者でプログラマーでは無いのですが、恐らく普通じゃないレベルで今でもコンピューターには強い人なんだろうなと思っています。そんな彼がコンピューターに興味を持ったのは間違いなくゲームがキッカケだったので、私はゲームを全く否定する気にはなれないのです。
何やら荒稼ぎしていた大学生時代の弟達
兄とは違って、何かを作るという方向に興味が行かずにずっとゲーマーをしていたのは弟達です。彼等は一卵性の双子なのですが二人とも異常にゲームが強く、周りを見ても負けなしでした。
私の印象に残っているのは、20年ほど前になるでしょうか?彼らがまだ学生の時、ゲームの中の仮想空間の家を一つ30万くらいでネットで売りさばいていたことです。今はわかりませんが当時はそういうものを規制する法律も無く、ぼろ儲けだったそうです。
弟曰く、当時はその仮想空間の家を皆が欲しがり、取得する方法も誰もわからず、取得する方法は本当は存在しないんだとネット民は信じていたそうで、彼らが取得する技を習得してからは、雲の上から下界を眺めているような不思議な気分を味わったのだそうです。皆が欲しがったので価格も吊り上がりそんな値段で売れたのだとか。。。
弟たちは、世の中には99.999%の人が知らない答えを知っている一握りの人間がいるということをその時悟って、とてもよい人生経験になったのだと言っていました。不思議なことに彼らはそれ以降あまりゲームに没頭しなくなりました。
子供に何かを制限するリスク
私は子供に何かを制限することには必ずリスクが伴うと思っています。人間誰しも、禁止されたことはより一層やりたくなるものです。
カップラーメンを人の家に持ってきて食べていた友達
私の子供の頃、親が絶対にカップラーメンを食べさせてくれないからと言って、自分の小遣いで買ってきたカップラーメンを私の家に持ってきてこっそり食べている友達がいました。どうやらその子は別の友達の家でも同じことをしていたらしく、そんなにカップラーメン食べたい??と、当時不思議に思ったものです。
我が家に来てゲームに明け暮れていた弟の友達
また、弟の友達に、親が絶対ゲームを買ってくれないからと言って日が暮れるまでいつも我が家に入り浸っていた男の子がいました。弟が、今日はサッカーをしようと言っても行かず、取りつかれたようにゲームをしていました。
結局親が反対しても子供というのは隠れてそれをしてしまうもので、規制するということは逆に執着するリスクを与えてしまうことにもなりかねないのです。
結果、私はゲームについてどう思っているか
やらせるなら今かな?と思っている
結局、ゲームについて良し悪しを調べていくうちに、私個人の出した結論は、やらせるなら今かな?というものです。
息子がゲームを欲しがったのは幼稚園の年中さんくらいからでした。そのころはまだ勉強や習い事のリズムもついていなかったし、早いと判断して一旦は見送りました。しかし学校でもiPADを使った授業が導入されたこの2年生の夏、時間管理の意味を理解してきた今、やらせるなら今かな?と考えるに至りました。
私の記憶では兄が初めてゲームをしだしたのもこの時期で、中学受験が本格化する頃には興味もほぼなくなってきているように見えました。勿論弟達の様に大人になるまでゲーマーでい続けるかもしれませんが、弟達がゲーマーであったことで人生に影を落とした瞬間は無かったと私は確信しているので、ここでもゲームを否定する理由にはなりません。
まとめ
子供にゲームを買い与えるか否かは、よくママ友の会話の中でも話題になる永遠のテーマだと思います。これに対して正しい結論というのは存在せず、正直今でもゲームを今与えることに強い確信は持てていません。
しかし、これからの時代、全くゲームに触れずに大人になるのはまず不可能であることは確かです。時間管理を理解するようになったこの時期に、親としても勇気をもって、息子の希望するゲーム機を買い与えてみたいと思います。
自分の頭で考え行動できる人間に育って欲しいと常日頃から思っているので、彼が少しずつ失敗をしながらでも時間管理ができる大人に育ってくれることを願っています。