トレチノインとトレチノールってどう違うの?
写真参考引用元:レチノールとトレチノインの違い・肌への効果 | (koenji.clinic)
最近化粧品業界でよくシワに効く成分としてレチノールを耳にします。一方でトレチノインですが、ハイドロキノンと一緒に使って、美白シミしわに効く成分である・・・というのは、美容皮膚科に興味のある方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?今回はその2つの成分を比較しながら、個人輸入して使ってみた私の感想を紹介したいと思います。
トレチノイン(レチノイン酸)とは
トレチノインとは、ビタミンAの誘導体で生理活性の主役物質です。トレチノインは、皮膚科では、シワ、ニキビ、シミ、毛穴の治療薬として用いられています。生理活性はビタミンAの約50-100倍であり、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものであります。
このトレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れていもので、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。トレチノインは米国ではしわ・にきびの治療医薬品として、FDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されています。
トレチノールとは
レチノールとはビタミンAのことです。ビタミンAは広義にはレチノイド(ビタミンA類縁物)と同様に使用されることもあり、レチノールだけではなく、レチナール、レチノイン酸を含みます。(※上の写真の図がわかりやすいかと思います。)
レチノールが、細胞の分化や増殖に関わっていることは古くから知られており、お肌に塗ると、新しい細胞が生まれて、お肌を若返らせる効果があります。
トレチノイントレチノールの違い
レチノール(ビタミンA)
医薬部外品/化粧品
生理活性あり
肌への効果は穏やか
副作用は穏やか
トレチノイン(レチノイン酸)
医薬品
生理活性はレチノールの50~100倍
肌への効果は大きい
副作用は強い
このように、トレチノインは、その生理活性作用が強く副作用も強いので、化粧品や医薬部外品への配合は認められていません。それに対して、作用の弱いレチノールや、レチノールにパルミン酸を結合させたパルミチン酸レチノールは、化粧品や医薬部外品への配合が認められています。
副作用について
レチノイドの副作用は、レチノイド反応(A反応)といって、 塗った部位のお肌に熱感、赤み、ヒリヒリ感や皮剝けがおこったりすることを言います。レチノイド反応は、トレチノインでもレチノールでも両方起こりますが、作用の弱いレチノールのほうが軽度です。
トレチノインは光老化からの保護や改善作用が報告されていますが、レチノールも含めてレチノイド全てが、光の感受性を高めるため、使用中には紫外線の有害作用が出やすくなるため、日焼け止めをしっかりと塗り、十分に対策する必要があります。
安定性について
レチノール、トレチノインとも、安定性については非常に悪く、空気や光によって容易に失活してしまいます。長期使用は出来ないので注意しましょう。
トレチノインとトレチノールを両方使ってみた感想
私は以前ブログでも書きましたが、コロナ前は年に一度、クリニックでメラフェード(ハイドロキノンとトレチノインの入ったクリニックコスメ)を処方してもらっていました。
コロナ禍で美容目的で皮膚科に行くのがはばかられたので、今回ハイドロキノンとトレチノインを個人輸入して初めて自分でハイドロトレチを行っています。それについても以前ブログで書きました。
これとは別に、化粧品として数年前から使用しているトレチノールが入ったクリームを個人輸入して使った経験があります。このクリームは偶然ですが動画でDaigoさんがお勧めされたらしく結構バズってました。また普通に日本製のトレチノール化粧品も愛用しています。
トレチノインがお勧めの人
まず初めに、トレチノインは医薬品なので一度も医師の処方のもと使ったことが無い方は個人輸入していきなり使うべきではないと思います。そもそも個人輸入して使うよりもクリニックに行くことをお勧めします。個人輸入は副作用も含めたすべてが自己責任になる上に、個人輸入業者は薬のことを殆どわかっていなかったりします。
以前副作用について殆ど知らされていない上に皆が危険な使い方をしている、ユークロマプラスについて記事にしました。ユークロマプラスはハイドロキノンとトレチノインに強力なステロイドが入った日本未認可の薬です。購入検討している人は買う前に是非一読してください。
話が飛びましたが、わたしがトレチノインを勧めるのは、強力に肌状態を改善したい、その為には強い副作用を受け入れる覚悟がある人です。実際トレチノールではらちがあかないくらいシミやしわが多く肌状態が悪化している人もいます。しっかりと効果を出したい人は医師の指導のもとトレチノイン療法をすることをお勧めします。
レチノールがお勧めの人
レチノールがお勧めの人はほぼ全てのアンチエイジングしたい人です。レチノールは効果はマイルドですが副作用もマイルドなので気軽に使えます。私がレチノールのクリームを個人輸入したころは今ほど日本製のレチノール化粧品は販売されていませんでした。
しかし今では日本製の使いやすいレチノール化粧品が沢山あるので無理して個人輸入する必要性は無いかな?と思います。日本でレチノールの入った化粧品で有名なのは資生堂のエリクシールなどでしょうか?他にも色々あるので以下紹介します。
私のおすすめのレチノール化粧品
LIFE FLO Retinol 1%
まず初めに紹介するのは私が昔個人輸入していてメンタリストDaigoさんのおすすめでバズっていたこの商品です。何年も前からあって美容オタクの間では有名な商品だったのですが、個人輸入必須の商品でした。しかしバズってくれたおかげで今や格安でAmazonや楽天で購入できます。因みにこれはレチノールが1%結構しっかりあるので、初めてで肌が弱い方には向かないかもしれません。
エリクシール
資生堂はレチノールの研究にとても熱心な化粧品会社です。その資生堂をもってして、レチノールの力をふんだんに使ったのがこの商品でしょう。ベストセラーなので使ってる方も多いのではないでしょうか?
エリクシールホワイト
同じく資生堂ですが、こちらはトラネキサム酸も配合されていて、しわ改善と同時に美白にも効果があるクリームとなっています。
DHC
皆さんご存じのDHCからもレチノール商品が出ています。安心のメーカーで価格もお手ごろなのでDHCからレチノール美容を始めた方もいるかもしれません。
チェーンメーカーズ
これはズバリ、レチノール原液です。原液好きな方にはお勧めの使いやすいシリーズになっています。こういう原液並べて見たくなるのは私だけでしょうか(笑)
まとめ
レチノールとトレチノインの違いは簡単に言えば、前者は効果がマイルドで副作用が少なく、その為化粧品や医薬部外品で販売されている商品。そして後者は薬であり、効果も副作用も大きく、医師の指導のもと使った方が良い品、ということです。
レチノールの生理活性の強さはトレチノインの50分の1とされていますが、レチノールの肌への効果は、一般的にトレチノインの約10分の1程度と考えられています。
実際に0.25%、0.5%、および1.0%のレチノールと、その1/10濃度のトレチノインを比較したランダム化二重盲検試驗では、シワ、肌の色調、色素沈着、触覚の滑らかさ等において、有効性に有意差はなかったことが報告されているそうです。
そのことからも効果が高い評判の良いレチノールを使う意義は十分にあるでしょう。レチノールは商品によって濃度も使い心地も違います。トレチノインほどでなくてもA反応も出ますから、初めて使う人は口コミなどを見て自分に合うと思われるものからスタートして、慣れたら徐々に高濃度に移行していくのがよいでしょう。
レチノールはFDAにも厚生労働省にも効能が認められた美容成分で、アンチエイジング美容を考えている人は必ず取り入れたい成分です。ポイントとして安定性が悪いので早く使い切ることと、日光に当たると良くないので、しっかりと日焼け止めを塗ることを忘れないようにしましょう。