疲労、心血管や肌の老化など年齢を重ねるたびに増えてくる問題
若い頃に比べて、疲労が抜けなくなったとか、肌が衰えたとか年齢を重ねるたびにおきる様々な不具合を私たちは一律で老化と片付けてしまいがちです。
しかし近年では、どういうメカニズムでその老化がおこるのかが日々解明されてきており、少しづつ老化による不具合を減らしていく、アンチエイジングという考え方も広まってきています。アンチエイジングとは必ずしも見かけの美だけの問題ではなく、内面の健康にも焦点をあてたものです。
今回はその老化による不具合を減らしてくれる、コエンザイムQ10という成分について話をしていきたいと思います。
コエンザイムQ10で改善を期待できる6つの効果
コエンザイムQ10という成分をサプリメントなどに詳しい方なら一度は聞いたことがあるかと思います。コエンザイムQ10は化粧品やハンドクリームなどに添加されてることもあり、我々の周りにも実はなじみの深い成分になります。
今回はこのコエンザイムQ10をとると期待できる代表的な6つの効果について話をしていきたいと思います。
疲労回復効果
コエンザイムQ10には、エネルギーを作り出す働きがあるため、疲労回復が期待されています。エネルギーを作り出す力が低下すると、体の様々な臓器や組織の働きが弱くなり、病気や老化の原因につながります。コエンザイムQ10を摂取することにより、効率良くエネルギーがつくられるため、疲れにくく若々しい体を維持することができます。
肌
コエンザイムQ10は、活性酸素を防ぐと言われています。紫外線やストレスで体内に発生する活性酸素は肌老化を引き起こし、シミやシワ、たるみなどの原因となります。よって細胞を活性化して肌のキメを整えたり、ハリ感やリフトアップのサポートに期待されています。
歯周病に効果的
コエンザイムQ10は年齢と共に減少しますが、口内トラブルも加齢と共に増えてくると言われています。細胞活性化や体の老化のもととなる活性酸素を防ぐコエンザイムQ10は、唾液腺の劣化を防ぐと言われ、口臭やプラークの付着を減少させるという研究報告もされています。歯周病、口臭、味覚障害、ドライマウスなどの改善に効果があると言われています。
ダイエット
コエンザイムQ10は細胞内のミトコンドリアでエネルギーの産生を手伝っています。エネルギーに変換されなかった糖や脂質は、体内に脂肪として蓄積されるので、ミトコンドリアが効率よくエネルギーを生成できるようにするにはコエンザイムQ10が重要な役割を果たします。体内に取り込んだ栄養素を効率よくエネルギーに変えることが出来ることから、コエンザイムQ10はダイエット効果が期待されています。ダイエット目的でコエンザイムQ10サプリを取り入れる場合は、糖や脂質の代謝を助け、ミトコンドリアに運ぶ役割のある、Lカルニチンやアルファリポ酸(αリポ酸)と併用することがおすすめです。
心血管サポート
コエンザイムQ10は、心筋細胞に取り込まれると細胞代謝を活性化し、心筋の収縮力を増大させると言われています。その為、心疾患や心臓手術の合併症のリスクを軽減するとして、心不全のケアや心血管の健康維持、循環器機能の改善に用いられてきました。
妊活・男性不妊にも
コエンザイムQ10は、不妊治療の分野でも注目されており、卵子の成熟や精子の運動率に関わると言われています。近年、卵子の劣化や精子の老化には、ミトコンドリアの機能低下と活性酸素が大きく影響しているとわかり、妊活方法のひとつとして、体を動かすエネルギーを産生するミトコンドリアの活性化が注目を集めています。強い抗酸化作用を持ち、細胞の活性化を助けるコエンザイムQ10を継続的に摂ることで、卵子や精子の中に元気なミトコンドリアを増やして精子の運動率や卵子の質を高めてくれると言われています。
コエンザイムQ10を取ると何故良いか
コエンザイムQ10は活性酸素から体を守ってくれる
コエンザイムQ10は、細胞エネルギーを作りだして全身の元気をサポートする大切な働きを持ち、年齢による疲れやすさのケアや、疲労回復効果が期待されています。また、体細胞は年齢を重ねるごとに「活性酸素」によって酸化が進み錆びていくのですが、コエンザイムQ10は、紫外線やストレスなどで体内に発生する活性酸素のダメージから体を守る働きもあります。
このように、コエンザイムQ10は、体の老化のもととなる活性酸素を抑制したり、細胞エネルギーを活性化させるため、若々しい体作りに効果的です。疲労回復やアンチエイジングの他、美肌効果やリフトアップ、ダイエット、心血管の健康維持、歯周病のケア、妊活における精子や卵子の質サポート等、様々な働きや効果に期待されています。
コエンザイムQ10はミトコンドリアのエネルギー製造に必須
コエンザイムQ10は、体内のミトコンドリアというエネルギーを製造する器官で働いているため、体内エネルギーの生成に欠かせない成分と言われています。ミトコンドリアは、糖や脂質などの栄養素を摂りこみ、エネルギーに変換するエネルギー生産工場のような役割を持っています。ミトコンドリアが工場ならコエンザイムQ10は工場で働く工員です。コエンザイムQ10が不足すると、いくら糖や脂質の代謝を助ける成分を摂っても、うまくエネルギーを作り出すことが出来ないのです。つまり、体内のコエンザイムQ10が増えて、効率的にエネルギーを作れるようになれば、疲れにくく、太りにくい代謝の良い身体を手に入れることが出来ると言われています。
積極的にコエンザイムQ10を取ろう!酸化型と還元型どっちを取る?
酸化型(従来型)
酸化型は「従来型」と呼ばれることもあり価格もリーズナブルです。小腸に吸収される際に還元型コエンザイムQ10に変換されます。コエンザイムQ10を還元型に変換する力は、人によって異なり、変換率は加齢やストレスなどにより低下してしまいます。
還元型
私たちの体内にあるコエンザイムQ10は「還元型」として存在しています。還元型コエンザイムQ10は、酸化型のように小腸内で「還元型」に変換される必要がないため、そのまま吸収され、体内で効率よくエネルギー産生をサポートできます。還元型コエンザイムQ10は、酸化型と比べて高価と言われています。
結論:どちらを摂取すべきか?ですが、酸化型より還元型の方が吸収効率が良いが、高価なことが難点です。続けることが何より大切なので、予算的に難しいのであれば酸化型でも問題ありません。重要なことは続けることです。
食品で取る?サプリで取る?摂取量は?副作用はある?
コエンザイムQ10の1日の推奨摂取量は、60mg~300mgです。これはコエンザイムQ10の種類によっても左右され、医薬品として販売されているものは1日30mgの用量が推奨されているものもあります。日本人の食生活ではコエンザイムQ10の40%は肉類から摂取していると言われています。しかし、肉類の摂取量は加齢とともに減少していき、普通の食事量で摂取できるのは、1日で約2~5mg程と言われ、十分とはいえないので、補足分はサプリメントで取るのが良いでしょう。
過剰摂取したからといって重篤な副作用はありませんが、稀に下痢やめまい、疲労、頭痛、嘔吐のような不調が現れる場合があります。また、病気などで薬を常用されている方は注意が必要です。血液を固まりにくくするワーファリンは、コエンザイムQ10がその作用を弱めることが分かっています。場合によっては薬の効き目を弱めたり、逆に強めてしまったりすることがありますので、併用薬がある時は医師薬剤師に相談するようにしてください。
医薬品やサプリを経口摂取する場合、飲むタイミングはいつがおすすめ?
コエンザイムQ10の摂取タイミングは、食後がおすすめです。 コエンザイムQ10は、脂溶性のため、油分を含んだ食事を摂った後に摂ることで、より良い吸収率が期待されます。
犬猫用サプリも!
コエンザイムQ10は、外来種の猫に起こりやすい疾患でもある心臓肥大ケアとして動物用のサプリメントとしても用いられています。【参考:【猫用サプリ・毎日健心】】
まとめ
いかがでしたか?コエンザイムQ10の凄さが少しでも伝わっていたら幸いです。人間も動物も日々老化していき、体には様々な不調があらわれます。エネルギーの源であるミトコンドリアの働きを助けるという意味で、コエンザイムQ10の重要度がわかっていただけたことでしょう。
平均的な日本人のコエンザイムQ10の摂取量は十分とは言えず、食事で補充できないのであればサプリメントでの補充が推奨されています。サプリが必要か否かは個人差がありますが、最近体調がすぐれないな、疲れ気味だな、と思う方は是非一度、コエンザイムQ10のサプリメントを摂取してみることをお勧めいたします。