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マインドフルネスと瞑想や座禅との違い・効果とやり方・呼吸法など

マインドフルネスとは

マインドフルネスは仏教の禅の概念が根幹になっており、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と日本マインドフルネス協会では定義されています。

マインドフルネスとは過去を悔やんだり未来を不安に思ったりするのではなく、今、この瞬間の自分の気持ちや身体の状況をあるがままに受け入れるトレーニングのことをいいます。あるがままに受け入れるとは、浮かび上がってきた思考に対し、良いか悪いかを判断を下すのではなく「私は今そう思っている、感じているんだ」と受け入れることです。そうすることにより余計な邪念に惑わされず、今という瞬間に集中する集中力を身につけることができるようになります。

マインドフルネスにはフォーマルなものとインフォーマルなものがあり、インフォーマルな練習とは、自分が行うすべてのことにもっと注意を払おうとすることを指します。このメンタリティは何事にも適用できます。例えば本を読んだり、勉強している間、その世界に100%集中した状態も「今という瞬間に集中している」ためマインドフルネスの状態であるといえるのです。そして、マインドフルネスのフォーマルな練習がマインドフルネス瞑想となります。

マインドフルネスは宗教観を一切排除し、ストレスに負けない心身、集中力の強化を目的にしています。基本的にマインドフルネスは、「効果を社会の諸分野に応用させる」つまりは効率的に仕事ができてストレスなく日々を生きることが主な目的です。昨今ではGoogleやFacebookといった大企業や日本でも、マインドフルネスをメンタルヘルスや企業研修で導入する事も多くなってきています。

瞑想との違い

よくマインドフルネスと瞑想を全く同じにとらえる人がいますが、厳密に言うと異なります。瞑想は心を鎮めて神に祈ったり、心を集中させたり、無心になる事です。最もよく知られた瞑想の一つがマインドフルネス瞑想であり、それが瞑想とマインドフルネスを混同してしまう大きな原因です。

瞑想の目的は『穏やかな気持ちになること』であることに対し、マインドフルネスは『効率的に仕事ができてストレスない日々を生きること』です。瞑想の目的はマインドフルネスとは違い、成果や利益を求めず、日々の疲労が溜まっている脳をただリラックスした状態にさせて、休ませることなのです。

海外では「メディテーション」という言葉で解説される事も多いですが、瞑想という行為そのものが何かの宗教に属しているわけではありません。
ひらめきや直感など智慧を生み出すために行うものや、メンタルヘルスや健康、心理的な治療で行うものまで、瞑想には様々な目的があります。

座禅との違い

もう一つ似ていて混同されやすいものに座禅があります。坐禅とは、姿勢を正し、座った状態で精神統一を行う、仏教の禅の基本的な修行です。
坐法は、「調身、調息、調心」と言って、座り方や姿勢、呼吸法、心の中で呼吸を数える3つで主に構成されています。
坐禅は、お釈迦様と同じ修行に精進する事で「悟りの境地を開く」事を目的に行います。

マインドフルネスの効果

マインドフルネスには以下のように様々な効果があると言われています。

  • ストレスの軽減
  • 学習力/記憶能力/集中力の向上
  • 免疫システムの機能向上
  • 慢性疼痛の改善
  • 不安障害/不眠症/恐怖症/摂食障害/依存症の症状改善
  • うつ病の再発防止・軽度のうつ病の症状改善
  • 感情コントロールの向上(共感力・おもいやり・適切な意思決定・幸福感など)

ざっと上げただけでもこんなにプラスの効果が見込めるマインドフルネスですから、研修に取り入れる企業が増えてきているのも頷けます。

マインドフルネス瞑想のやり方

マインドフルネスのフォーマルな練習がマインドフルネス瞑想であることは述べました。

そのマインドフルネス瞑想のやり方は、研修やスクール指導者によって多少違ったりしますが、代表的なやり方は、①呼吸の瞑想②気を配る瞑想、の2つです。

1つ目の「呼吸の瞑想」ですが、
しっかりと背筋を伸ばし、椅子に座り目を軽く閉じた薄目の状態で行います。
息を吸い込み、お腹や胸が膨らむ感覚を感じ、呼吸の入ってくるところに意識を向けます。
息を吐き、お腹や胸が縮む感覚を感じ、呼吸の出ていくところに意識を向けます。
雑念が出てきた時は、心の中で「戻ります」とつぶやき、呼吸の意識へと戻る、これが呼吸の瞑想です。

2つ目の「気を配る瞑想」ですが、
ある1つの音に集中し、短時間で聴く音を切り替え、次にすべての音を同時に聴くというやり方です。わかりにくいのでたとえを出しますと、4つの音があったとします。それらが木々のざわめきの音、波の音、鳥の鳴き声、時計の音、とした場合、木々のざわめきの音に最初は集中し、次に、波の音を選んで意識を変え、最後には全ての音を同時に聴くように集中するというやり方です。

この2つのやり方のほかにもマインドフルネス瞑想には様々なやり方があります。頭の中に浮かんだ物事を書き写すジャーナリング法や、食事や飲み物を摂取する際にゆっくりと時間をかけるイーティング法などもその一つです。

マインドフルネスをしない方がよい人

メンタル面に問題のある人

マインドフルネス瞑想が鬱に効果があるというのは有名な話ですが、本当の鬱の方は自己流のマインドフルネス瞑想だけではなくて、医師やカウンセラーのサポートを受けながらすることが大切です。

自分を責め、内的に自分を否定する傾向が強い方の場合、自分自身の一部分がそうした否定的思考に圧倒されてしまい鬱っぽくなる傾向があると言われています。
そういう人がマインドフルネス瞑想をすると自分を責めている要素がより際立ってしまって、自責の念が強まってしまうことがあるのです。
また完璧主義から自己否定の傾向が来るタイプの人の場合、「できてない自分はダメ」といった否定感がどんどん強くなっていくのです。

テンションが低めで何事にも意欲が無い人

瞑想では特にリラックス系の副交感神経が優位になり、それと同時に代謝も落ちてきます。
瞑想はエネルギーを発散して代謝を上げていくものではないので、そうすると気分もテンションも代謝も低くなってますます動きにくくなります。よって、もともとテンションが低めで物事の意欲が無いタイプの人にはマインドフルネスは向きません。

テンション高めな状態を維持したい人

もともと交感神経優位のテンションでやっているからこそクリエイティブなアイディアが出てきたり、次から次へと仕事ができるというようなタイプの人は、あまり瞑想をし過ぎると逆にその良さが失われてしまう可能性があります。自分がどのような状態でありたいかを考えマインドフルネスを取り入れる必要があります。

マインドフルネスをやってみて

私は日々の生活の中でふとした時に呼吸法のマイルドフルネスを取り入れるようにしています。また歯磨きをしながら意識を集中したり、ちょっとした隙間時間でインフォーマルなマイルドフルネスも試すようにしています。

特にバタバタした朝など、子供たちや主人を見送った後、ほんの少しマイルドフルネス瞑想をするだけで気分がリフレッシュされ活力がわいてくるのです。

まとめ

マインドフルネスは混乱されがちだが瞑想や座禅と同じものではありません。

マインドフルネスとは今、この瞬間の自分の気持ちや身体の状況をあるがままに受け入れるトレーニングのことであり、そのやりかたの最もフォーマルなものが瞑想を取り入れたマインドフルネス瞑想になります。

マインドフルネスをすることで、ストレスの軽減や学習力、記憶力、集中力の向上など様々なメリットがあります。

日々の生活にマインドフルネスを取り入れることで少しでもストレスを減らし、効率よく快適な日常を送ることができます。気になった方は是非生活に取り入れてみてください。

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