コラーゲンとエラスチン、美肌に大切な二つの構成成分
今日は美肌に大切な成分である、コラーゲンとエラスチンについて掘り下げて話をしていきたいと思います。
どちらも健康な肌には必要な成分であり、両者とも肌の真皮に存在します。構造上はエラスチンがコラーゲンを束ねているという共存関係があります。
コラーゲンとエラスチンの違いってわかる?
コラーゲンの特徴は?ビタミンCと一緒に摂取するとよい?
お肌をふかふかのベッドに例えるなら、コラーゲンは形を作るベースとなる「マット」のイメージでしょうか?
コラーゲンは強度を司るタンパク質で、伸びたり縮んだりしない反面、引っ張りに強い「膠原(こうげん)線維」です。体内でつくり出すことができるのが大きな特徴で、毎日の食生活でなるべくコラーゲンを摂ることを意識しながら、足りない分は質の良いサプリメントで補うようにすればよいでしょう。
おすすめは、ビタミンCと一緒に摂ることです。コラーゲンが網の目構造を作る際に、ビタミンCのサポートが必要だといわれているからです。
POINT
コラーゲンを多く含む食品には、大きく分けると動物性食品と海洋性食品があります。動物性食品とは豚足や牛スジ、鶏の皮、豚バラ肉など、海洋性食品とはウナギやクラゲ、エビ、スッポンなどです。そのほかには、有名なものでゼラチンの入ったゼリーなどにも多く含まれます。
エラスチンの特徴は?産まれてから減る一方ってホント?
コラーゲンをベッドのマットに例えてみましたが、エラスチンをベッドに例えるなら弾力を作り出す「スプリング」です。
エラスチンは、しなやかで伸縮性(弾性)があり、力を外すと元へ戻る性質を持つ「弾性線維」です。例えば、伸び縮みが必要な血管や肺などの組織には、エラスチンの弾性がその特性を与えています。エラスチンは出生前から赤ちゃんの時期までに生成され、あとは年齢とともに壊れていくだけで、基本的には再生しないと言われています。
体にはエラスチンを分解してしまう酵素があり、紫外線や加齢によって、分解酵素の働きが強くなります。その結果、しわやたるみにつながると言われており、美肌のためには、まずは紫外線対策をしっかりとしなければなりません。春夏だけではなく、年間を通して紫外線をカットするお手入れを毎日忘れずに行うことが、ハリのある肌をキープする近道となります。
POINT
エラスチンは、牛すじ、手羽先といったような、こりこり、弾力のある触感の食べ物に多く含まれています。ヒトでも、全身へ血液を運ぶ大動脈、曲げ伸ばし運動の大きい靭帯など、弾力を必要とする臓器ほどエラスチン量は多くなっています。
サプリや食品で摂取しても分解される?化粧品も効果なし?
コラーゲンやエラスチンなどをサプリメントや食品でせっせと摂っても、どうせ体内で分解されてしまうんだから医学的に意味が無い、と聞いたことがある人もいるかもしれません。実際私も大学でそのように習いました。当時からコラーゲンなどは美容のために多く市販されていましたが、あんな医学的根拠のないものを売り捌くなんて詐欺に等しい、と大学の教授が鼻息を荒くして主張していたのを今でもよく覚えています。
そのように、これまで学会的には、コラーゲンやエラスチンのペプチドを経口摂取しても、消化吸収の過程でアミノ酸に分解されてしまうため、肌などへの直接的・特別な効果は期待できないというのが常識でした。また、化粧品として肌に塗布しても、分子量が大きいため、そのまま肌に吸収されることはないとされています。
コラーゲンを食べたら次の日はお肌がプルプルだったなんて、世の中でうたわれている効果に関しては、典型的なプラセボ効果(偽薬を効き目があると思い込むことで、症状が改善する効果)とされていたのです。
しかし近年京都大学の研究で、コラーゲンペプチドを経口摂取した後の血中にはコラーゲンペプチドが存在し、またエラスチンペプチドを摂取した後も一部のペプチドが増加することが示されました。コラーゲンやエラスチンペプチドを多く含む食品を摂取した時も、血中のペプチドは増加するそうです。
また、これらのペプチドはただ存在するだけではなく線維芽細胞を増殖させることが示され、ヒトを対象とした実験でも、皮膚の弾力の増加、皺の減少、肌質の改善、皮膚表皮の水分量増加などが報告されています。
勿論これは一つの報告に過ぎませんが、今まで経口摂取は意味がないというのが医学界の常識だったので、別の見解が出たということは大きな意味があるのです。
まとめ
コラーゲンとエラスチンは互いに互いを必要とする美肌の構成要素であること、コラーゲンは体内で作り出されるが、エラスチンは減る一方なので紫外線対策をして守っていかなければならないこと、などわかっていただけたかと思います。
コラーゲンは肌をベットに例えるならばベースのマットの様なもので、エラスチンはスプリングの様なものです。どちらも美肌のためには欠くことができない構成成分なのです。
今までこれらをサプリなどで摂取することは全く意味の無いものとされてきました。どのみち分解されてしまうので、普通にたんぱく質を摂取するのと差が無いとされていたのです。しかし近年になって、多少は意味があるのではないか?という研究結果が出てきています。
何より、コラーゲンなどを必要量摂取しようと思えばカロリーなどが過多になってしまう場合も多くあり、食事で摂取することがベストではありますが、それが難しいときは、そのサポートとしてサプリメントなどで補うのも一つの賢い方法かもしれません。食事やサプリメントと上手に付き合い、健康で美しい肌を手に入れたいものですね。