動物愛護の流れから毛皮を着る人が減っている
今年もだんだん寒くなってきましたね。
今日は冬のアパレルの中でも最近何かと廃止が騒がれているリアルファーについて話をしていきたいと思います。
毛皮はその作成時の残虐性と、無駄な殺生と言う見解から、ここ数年反対運動が世界中で起こっています。
一流ブランドは次々と毛皮業界から撤退
プラダやグッチなどの高級ブランドからZARAやH&Mのようなファストファッションブランドまで、毛皮から撤退宣言をしたブランドは多岐にわたります。
世界情勢に詳しい人なら、最近イスラエルが毛皮を販売することを国家的に禁止した話を知っているかもしれません。
フェイクファーの質が上がってきた?
リアルファーから撤退するような流れの一つには、フェイクファーの質の向上と言うものが一因に挙げられるようです。
確かに近年のフェイクファーは一瞬見た感じ、リアルファーかと間違うほど質の良いものも見かけます。
国や住む街によって違う毛皮への考え方
ロシア人の友人のフェイクファーに対する見解
リアルファーについてどう思うかと言う話をロシア人の友達と話したことがあるのですが、彼女が言うには本物の毛皮と変わらない保温性を持ったフェイクファーなどお目にかかったことが無い、毛皮反対派は本当の寒さを知ら無いだけだ、と言う事でした。
彼女は永久凍土のシベリア出身で、毛皮を着ないと死んでしまうくらいの厳しい寒さを熟知しているので、バックや小物などのファーはフェイクファーにするのは良いが、アパレルの毛皮をすべて禁止にすべきではない、という考えでした。
世界中で毛皮反対運動が起きているとは言っても、本当に寒いロシアなどの国や北極圏の街などではリアルファーを着るのは今のとこ問題が無さそうです。
確かに見かけが立派なフェイクファーでも保温性までもリアルファー並みのフェイクファーはまだ存在しないのかもしれません。
国や地域によっては毛皮を着て歩くのは危険
ワシントンDCで毛皮着用時、動物愛護デモ隊に遭遇!
私が海外で毛皮を着ることに慎重になったのは今から10年近く前のワシントンDCでの経験がキッカケです。
主人の駐在先であるワシントンDCは寒いと聞いて、寒がりの私は渡米前に日本でフォックスファーのコートを購入して持って行きました。ファーといってもフードと手首くらいしかファーは目立たず、内側にテープ状に温かいファーが縫い込まれた、デザイン性より保温性を重視したものでした。
ある真冬日に私は 百貨店のNeiman Marcusでそのコートを着てウィンドーショッピングをしていたのですが、何かデモ隊の様な人々が百貨店の入り口の前に集まっていることに気が付きました。
近づいてよく見てみると、数人の男女がNO MORE FAR(毛皮反対!)というプラカードに血だらけの動物の写真を掲げてデモをしていました。そして全身肌色のタイツ姿に血のりをかぶった装いの男性(毛皮を剝がされた動物をイメージしているらしい)が、私の方を指さして、「あいつが着ているコートはリアルファーに違いないぞ!」と叫んでいるではありませんか!
店員の一人が危険を察知して、「彼らは店の中には入れないけど念のためデモ隊の見えないところに移動した方がいいわ・・・」と私を安全な場所まで誘導してくれました。
彼等は高級毛皮を取り扱っている百貨店などの前で定期的にあのようなデモをするのだそうです。
毛皮はアンティークや古着でもダメなのか?
古着屋で見かけたビンテージのファー
このNeiman Marcusでの出来事以来、このフォックスファーコートを着ることに抵抗を感じながらも、やはりとても軽くて暖かかったので、皮肉なことに九州育ちの私はアメリカに来て初めて毛皮の温かさ、素晴らしさを知りました。
それでも動物愛護者の意見は理解できたので、動物のことを考えたら追加のファーは購入すべきではないなと感じました。
しかし一方で古着はどうなのだろう?もっと毛皮が欲しい時は古着を買えばよいのでは?と考えたのです。
私はアンティークショップが好きでよく行っていたのですが、たまにヴィンテージ物の毛皮を見かけました。
そこでアメリカ人の友人に新しい動物を殺めるのがダメなのはわかるが古着はどうなのか?と聞いてみたのですが、意見は様々で、古着は大切に着ればよいという人から、この世からファーの存在を消すべきだという意見まで様々でした。
まとめ
近年動物愛護の概念からリアルファーを反対する動きが世界中で起こっています。
フェイクファーはファッション性を崩さないレベルにまで外見がリアルファーに似てきたので、リアルファーから撤退するブランドは後を絶ちません。しかし、保温性という目で見た時、リアルファーほど温かいフェイクファーは存在しないというのが現実です。
毛皮反対派の中にも、今生きてる動物を殺めないのだから古着のファーはOKなんじゃないかという意見と、リアルファーそのものをこの世から無くすべきという考え方の人がいるらしく、動物愛護の精神が強めの国で毛皮を着て歩くのは少しばかり危険を伴うのが現実です。
これだけリアルファーとフェイクファーの区別がつかなくなってきた現在においては、若しかしたらフェイクファーを着ていても生卵をぶつけられるような日が来るかもしれません。
海外に行くときはファーの服装には細心の注意を払うようにしましょう。