眼精疲労、運動疲労、認知機能低下、血中脂質酸化、老化が怖い!
先日ミトコンドリアで働くアンチエイジング成分である、コエンザイムQ10について話をしましたが、今日は同じく強力な抗酸化力を持つアンチエイジング成分、アスタキサンチンについて話をしていきたいと思います。
生活習慣の乱れ、不規則な食生活と運動不足、肥満、人間関係による精神的ストレスや睡眠不足など、現代の人々は体内で活性酸素が大量に発生し酸化ストレスにさらされやすい環境にあり、「抗酸化力」が不足しがちです。
「抗酸化力」が不足すると、がん、糖尿病、動脈硬化から、炎症性腸疾患や自己免疫疾患、さらには認知症に至るまで様々な病気にかかりやすくなり、全身の老化自体がより速く、深刻に進行することが知られています。
食品やサプリで摂取できる、トップオブ抗酸化力!
アスタキサンチンには、現在知られている物質で最高レベル、ビタミンCの6000倍の抗酸化力があるとされており、体が錆びて老化していくのを強力に予防します。
アスタキサンチンは、緑黄色野菜に多く含まれるβ—カロテンと同じカロテノイドの1種で、エビ・カニの甲羅やサケ・イクラが持つ赤橙色を生み出している色素です。動物はカロテノイドを体内で生成することができないので食物として積極的に摂取することが必要です。サケの身が赤いのは、アスタキサンチンを作り出す藻類をオキアミが食べて体内に蓄え、それをサケが食べて筋肉に大量に蓄えるという食物連鎖が存在するからです。
このことからも、人がアスタキサンチンを摂取するには鮭のような食品からとるかサプリメントからとるかになります。
アスタキサンチンの効果効能、目や肌にも!美容成分としても優秀
アスタキサンチンの多彩な働きを可能にしているのが、その強力な抗酸化力です。これは元々、私達の身体に備わっている能力ですが、加齢と共に低下し様々な病気の発症に深く関わっています。この強力な抗酸化力に加えて、特異な化学構造をもつアスタキサンチンは細胞膜やミトコンドリアの膜にすっぽりはまり込むような形で存在し、効果的に働くことができます。
加齢に伴い萎縮した骨格筋では筋線維組成が変化しミトコンドリアの機能低下や毛細血管の退行がみられますが、アスタキサンチンを摂取すると、過剰な酸化ストレスを除去してミトコンドリア機能を回復し毛細血管網を再構築することにより筋持久力や筋力が高まり、歩行や日常生活動作が改善することが知られています。このようにアスタキサンチンには様々な効能効果があります。
代表的なアスタキサンチンの効能効果
- アンチエイジング効果
- 美白効果
- 骨粗鬆症予防
- 精神的な疲労の回復促進
- 運動時脂肪燃焼効果の向上
- 運動疲労の軽減
- 認知機能の改善
摂取量や副作用、アレルギーなどは?
アスタキサンチンをサプリメントで補う場合は食後に摂るとよいとされています。アスタキサンチンは脂溶性で、油と一緒に摂ると吸収率がアップするので、サケやエビ、カニなどは油で調理すると効果的に摂れます。
アスタキサンチンによる副作用はこれまでに報告されていません。健康な成人の場合、アスタキサンチン1日あたり16mg を12週間、または1日あたり30mgを4週間摂取しても安全に取り入れることができたという報告があります。食品に換算すると含有量の多い紅鮭で5切れ以上に相当しますから、これを毎日摂るということはほぼないでしょう。しかしサプリなどは成分を濃縮して摂取できるので、用法容量をしっかりと守りましょう。
また、アスタキサンチンはエビやカニ由来の製品が多いことから、甲殻類アレルギーをもつ人は十分な注意が必要です。基本的にサプリメントや化粧品に含まれているアスタキサンチンはヘマトコッカス藻という藻由来のものを使用しているので、アレルギーの心配もないと言われていますが、念のため必ず原材料を確認し由来食品を調べてください。
市販されている商品、基本的にはクリニック専門の商品
市販されているアスタキサンチンサプリメント
DHC
皆さんが一番よく目にするアスタキサンチンサプリはこれではないでしょうか?DHCのサプリはあらゆるドラックストアに置いているんので誰でも気軽に手に取れることが最大の利点でしょう。容量に対する価格も安いです。
ネイチャーメイド
もう一つ有名なサプリメントを上げるとしたら、誰もが認めるネイチャーメイドでしょう。日本では大塚製薬が販売しております。
ファンケル
サプリメントと言えばファンケルも有名です。価格も量も求めやすく、信頼のブランドなのではないでしょうか?
市販されている美容液やジェル化粧品
富士フィルムのアスタリフト
アスタキサンチンを初めて化粧品として大きく取り上げたのは富士フィルムではないでしょうか?誰でも一度は聞いたことがあるアスタリフト!日本製アンチエイジング基礎化粧品の代表格とも言える一品です。
コーセー
美容に詳しい方なら、コーセーもアスタキサンチン開発に積極的な化粧品メーカーだということはご存じかもしれません。コーセーは安定性が悪く、光や熱によって分解しやすいアスタキサンチンを、他の成分との組み合わせによって、安定化する処方を開発し、商品へ応用しています。
基本的にはクリニック専門の商品(富山化学工業)
クリニック専門のアスタキサンチンとして富山化学工業のアスタケアやアスタリズムが有名です。クリニック専門商品として売り出されているこれらの商品ですが、一部インターネットで購入できるようです。ただアマゾンなどの口コミを見てるとたまに製造番号が古いものが混ざっているそうなので、ネットで購入するときは販売主に確認する方が良いでしょう。
アスタケア
アスタケアは、天然アスタキサンチン(アスタリールアスタキサンチン)に加えて、還元型コエンザイムQ10、ビタミンD、トコトリエノール(ビタミンEの1種でパーム油由来の希少成分)、亜鉛も一緒に摂取することができます。とくに還元型コエンザイムQ10はミトコンドリア機能を維持・増進するために重要な物質です。これ自身もアスタキサンチンと同じく抗酸化物質ですが、その他にも多様な生理活性が報告されています。このコエンザイムQ10入りのアスタケアは基本的にクリニックア販売商品ですが、同じ会社が作っている通常のアスタリールアスタキサンチンは通販で購入できます。
アスタリズム
アスタリズムは、肌を酸化ストレスから守るために天然アスタキサンチン(アスタリールアスタキサンチン)を配合したスキンケアベース美容液です。アスタリズムの液が赤いのは丁寧に抽出したアスタキサンチンをたっぷり含んでいる証拠です。少し海藻のにおいがするのもそのためです。アスタリズムは女性だけでなく老若男女に効果が期待できます。
まとめ
いかがでしたか?アスタキサンチンの抗酸化力の凄さがわかっていただけたでしょうか?抗酸化力で有名なビタミンCの6000倍というからそのレベルの違いがお分かりいただけるかと思います。しかも容量用法を守れば、副作用は今のところ報告されていないというから飲まない手はないですよね?
個人的にはコエンザイムQ10入りのアスタケアが気になったので、かかりつけの皮膚科に無いかチェックしてみたいと思います。無かったらアスタリールを買って別にコエンザイムQ10を飲むつもりです。
昨今は昔に比べて様々なアンチエイジング成分が研究されてきています。少しづつ手に取りながら美容と健康を維持していきたいと思います。