メリットだらけ?幸せホルモン、オキシトシンって何?
貴方は、しあわせホルモンと呼ばれるオキシトシンを知っていますか?オキシトシンとは、9個のアミノ酸で構成されるぺプチドホルモンの一種で、脳内の視床下部で生産され、脳下垂体から分泌されます。そして、脳や身体の広範囲に働きかけ、さまざまな作用をもたらすホルモンです。
オキシトシンはあらゆる幸福感情に左右し、人の人生においてとても大切なホルモンです。今回はそのオキシトシンについて詳しく見ていこうと思います。
しあわせホルモンと言われるオキシトシン
「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」「抱擁ホルモン」「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」「癒しホルモン」など、数々の異名を持つオキシトシンですが、沢山の作用を持つと言われています。その作用のうち代表的なものは以下のようなものです。
■愛に満たされ幸せな気分になる
■ストレスが緩和される
■学習意欲や集中力が向上する
■不安な気持ちを落ちつかせる
■ポジティブになりやすくなる
この中でも特に「幸せになる」「愛に満たされる」という感覚こそ、オキシトシンの代表的な効能と言われています。
メカニズムとして、オキシトシンが増えることで「セロトニン神経」が刺激され、神経伝達物質のひとつ「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは精神的な安らぎをつかさどっているため、セロトニンの分泌量が増えると、癒やされるような幸福感を得ることができると言われています。
オキシトシンは、信頼感を高める役割もある。
オキシトシンは、他者を信頼し、良好な人間関係を築くのに必要なホルモンです。なかなか他人に親しみを抱けず、不安にとらわれがちな方は、オキシトシンが欠乏しているのかもしれません。
オキシトシンと記憶力
オキシトシンは記憶力にも関与しています。社会性記憶は、円滑な社会生活を営むうえで不可欠なものであり、上で述べた「他者への信頼感」にもつながります。人は同じ人と何度も会ううち、相手の人柄や特徴を記憶して、信頼感や好感がしだいに増していきます。しかし、社会性記憶が弱いと、何度会っても初対面のような状態で、信頼関係が一向に深まりません。オキシトシンはこの社会性記憶の向上に役立っていると言われています。
オキシトシンのデメリット
メリットだらけに見えるオキシトシンですが、勿論メリットと表裏一体のデメリットも存在します。その中の代表的なものを見ていきましょう。
人にだまされやすくなる
オキシトシンのデメリットは人に騙されやすくなることです。上では「他人への信頼感情が高まる」点をオキシトシンのメリットとして紹介しましたが、他人を信頼しやすくなるということは、真偽不明な情報を安易に信じてしまう、つまり騙されてしまうリスクも高まるということです。
嫉妬の感情がでてくる
オキシトシンには他者との心理的結びつきを強める効果があります。もし、オキシトシンによって強まった絆が、外部から乱されそうになったら、その部外者を攻撃し、排除したいという心理が生まれます。たとえば、夫婦やカップルの一方がパートナーの浮気を知ったら、怒り・妬みを覚え、パートナーや浮気相手を激しく攻撃したくなるはずです。このようにオキシトシンには「私たちの共同体を壊さないで!」「私たちの絆を断ち切ることは許さない!」という感情を促進させる、つまり嫉妬の感情を強くする効果があります。
恐怖体験を忘れられずにトラウマになる
オキシトシンは、物事の記憶に深く関わっています。そのため、恐怖を感じたときの記憶すら、強くその人の脳裏に植えつけてしまうのです。ですからオキシトシンには恐怖体験を忘れられずにトラウマになってしまうリスクがあります。
オキシトシンはどんな時に分泌されるの?
オキシトシンの分泌を促進する代表的な方法は、スキンシップをすることだと言われています。その中でも特に、オキシトシンは肌への「感覚刺激」によって分泌されやすいと、多くの研究が示しています。その他にも家族団らんや友達との楽しい食事、映画や漫画を見て感動したり、動物と触れ合った時にも分泌されます。
オキシトシンを作るには
オキシトシンを体内でつくるには、材料となる栄養素の摂取が欠かせません。オキシトシンの合成には、ビタミンC・ビタミンD・マグネシウム・タウリン・カフェインなどが関わっているそうです。
まとめ
しあわせホルモンとして名高いオキシトシンですが、家族や恋人ペットなどへのスキンシップや、友達との楽しい食事、映画や漫画を見て感動したり、動物と触れ合った時にも分泌されます。
オキシトシンを沢山分泌することで人は人に愛情や信頼を感じ幸せな気分になることができます。皆さんも是非、オキシトシンの分泌されるような他者とのスキンシップを意識して生活してみてください。
お互いがお互いを幸せにする、しあわせホルモン、オキシトシン…少し意識するだけで貴方の生活がより良いものへなるでしょう。