長く寝てるのに目覚めが悪くスッキリしないのは何故?
暑い日々が続きますね。夏休みになって子供のお弁当作りから解放され、主人もリモートワークなのをいいことに、最近朝寝坊が増えてきた私ですが、朝は遅くまで寝ていたからと言って決して目覚めがよくスッキリしているわけではありません。
お酒やカフェインなど理由は様々ですが、このように眠りが浅くなってしまうことにはきちんとした理由があります。今日はその眠りのメカニズムと、何故目覚めがすっきりしていたりしなかったりするのか?について話をしていきたいと思います。
睡眠に大切なのは質と深さである
質の良い睡眠は、何時間寝たか、何時に寝たかよりも「睡眠の深さ」とレム睡眠、ノンレム睡眠の「睡眠サイクル」が大事だと言われています。
熟睡できないという人は、睡眠はとれているけれど、「睡眠の深さ」に関与するノンレム睡眠への移行ができておらず、レム睡眠の状態が長いことが考えられます。
この「睡眠のサイクル」とレム睡眠、ノンレム睡眠の役割、そしてノンレム睡眠への移行を妨げる、睡眠を浅くしてしまう原因などについて以下見ていきましょう。
レム睡眠、ノンレム睡眠「睡眠のサイクル」について
正常な睡眠は、最初に深い睡眠に入り、平均90分の睡眠サイクルを繰り返して、レム睡眠時に目覚めるのがポイントです。人によって睡眠時間は違います。しかし、眠りはじめと約90分(80~100分)の睡眠サイクルを意識することで、脳も体もぐっすり休まるのです。
良い睡眠サイクルとは
良い睡眠サイクルは以下の3つが守られているものになります。
①入眠から一時間でもっとも深い眠りにつく。
②ノンレム睡眠(60~80分)とレム睡眠(10~20分)のセットを4~5回繰り返す。
③浅い眠りのレム睡眠時に起床する。
「レム睡眠」「ノンレム睡眠」とは?
写真引用元 ~レムとノンレム~|睡眠改善薬 ドリエル【エスエス製薬】 (ssp.co.jp)
レム睡眠
レム睡眠の語源は英語のRapid Eye Movement(急速眼球運動)の頭文字であるREMからきており、眼球活動が行われているため脳が覚醒している状態であると言われています。一方で体はしっかり休んでおり、ここで起きると目覚めが良いことが特徴です。複雑な夢を見ていて覚えていることもあり、記憶や感情を整理する睡眠だとも言われています。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠は言葉通り、眼球運動が行われていない睡眠になります。眠りは深く、脳がしっかりと休んでいる状態です。記憶を定着させる睡眠とも言われており、しっかりと深く眠るためにはこのノンレム睡眠が欠かせません。
レム睡眠もノンレム睡眠もそれぞれ働きが異なり、どちらもとても重要な睡眠になります。この二つのバランスとサイクルが良い睡眠につながるのです。
ノンレム睡眠と睡眠の深さの関係
ノンレム睡眠の場合、脳がどの程度休息しているかによって4段階に分ける事が出来ます。
第一段階
この第一段階は最も浅い睡眠であり、授業中や、会議中などで座ったまま眠っていたりするのがこの状態です。この第一段階では、多少の物音でも簡単に目が覚めてしまいます。
第二段階
第二段階の睡眠になると、睡眠中に首を保持する事が困難になり、座ったまま眠ることが出来なくなってきます。たまに見ますが、電車の中で隣の人にもたれ掛かって眠っている人などは、この第二段階の睡眠であると言えます。
第三段階&第四段階
第三、第四段階になると完全に「熟睡」状態になり、多少の事では目が覚めません。この第三、第四段階の睡眠中に無理やり目を覚まさせると、外の光がまぶしく感じたり、一度起きたはずなのにまだまだ眠たい・・・・と言った状態になったりします。
このように、どの段階のどの位の深さの眠りであったかは、目覚め易さで推測することができるのです。
ノンレム睡眠に行かずレム睡眠が長くなる原因は?
ノンレム睡眠に移行できない原因
熟睡できないという方は、睡眠はとれているけれど、ノンレム睡眠に移行できておらず、レム睡眠の状態が長いのだということはご理解いただけたかと思います。では、ノンレム睡眠に移行できない原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
ストレス
ストレスはあらゆる不調を引き起こしますが、睡眠も同じで、ストレスや心配事など心理的な不安や環境の変化によってレム睡眠が長くなることがあります。
カフェインやアルコール
恐らく今朝の私の目覚めの悪さは、前日の夜に飲んだコーヒーとアルコールだと思います。このように、カフェインやアルコールの摂取も睡眠へ悪影響を及ぼします。アルコールは神経に作用したり、代謝によって尿意をもたらすことによって眠りを浅くしますし、カフェインはその効果が弱くなるまで早くても4時間以上かかるため、就寝前にカフェインを摂取するとカフェインの覚醒効果により眠りが浅くなります。
妊娠
妊娠経験がある方は何となくわかると思うのですが、妊娠中も眠りが浅くなると考えられています。これは、お腹の赤ちゃんは母親がレム睡眠の時に酸素を多く取り込むため胎児の成長のために母体もレム睡眠となると考えられています。また、妊婦はお腹も大きくなり寝苦しくなることから眠りが浅くなるともいわれています。
睡眠環境
他にも眠りが浅くなる要因として睡眠環境が関係しています。わかりやすい例で、寝具が体に合わない、調光がうまくいっていない、騒音が聞こえるなど寝室環境が整っていないと眠りが浅くなることがあります。
病気の可能性も!
忘れてはいけないのが病気の可能性です。睡眠時無呼吸症候群やうつ病といった病気や、花粉症、喘息などのアレルギーも、その症状によって眠りが妨げられ、眠りが浅くなっていしまいます。さらに、不眠症のひとつである熟眠障害によって眠りが浅くなっている可能性もあります。
まとめ
いかがでしたか?眠りは長さだけではなく深さが大切であること、深く眠るためにはレム睡眠からノンレム睡眠への移行が必要であることがわかっていただけたかと思います。
レム睡眠もノンレム睡眠もそれぞれ役割があり、どちらもとても大切なものになります。レム睡眠とノンレム睡眠の平均的なサイクルは90分と言われています。勿論これには個人差がありますから、スッキリ自然に目覚めることができた日は、眠りについてから何時間寝ていたかを逆算し、自分の睡眠サイクルを知ることも、合理的に良い睡眠をとるための一つの指標になるかもしれません。
睡眠は人生の約3分の1を費やしています。残りの3分の2の人生をいかに健康でより良く過ごすかは、睡眠の質にかかっていると言っても過言ではありません。質の良い睡眠についての正しい知識とスキルを身につけていきたいものです。