娘が持ってきたプレゼン資料作成という宿題
娘が3歳の頃です。ようやくアメリカの幼稚園にも慣れてきたかな?という頃、今日は初めての宿題が出た、と言って、彼女の身長ほどある大きな画用紙をもって帰ってきました。
お家の人にも手伝ってもらっていいって言われたの。と言って彼女が差し出した手紙には、自分の国や民族についてプレゼンテーションを行います。お友達が興味を持ってくれるような楽しいプレゼンにしましょう…と書いてあります。
プレゼンテーション!?
私は開いた口がふさがりませんでした。アメリカでは3歳児が人前で自分の出自についてプレゼンをするのか!凄すぎる!?
アメリカでは普通の光景・Show&Tell
プレゼンと聞くと初めてやったのは大学生になってからだ、とか、社会人になってからだ、とかイヤイヤやったことないし…なんて日本人も多いかと思います。人前でたった一人で何か話をするなんて超苦手…という人は多いのではないでしょうか?しかしアメリカでは物心ついた時から当然のように人前に出て自分の話をします。これをアメリカの幼稚園ではShow&Tellと言います。
Show and tellは皆に見せる資料を用意し、それを見せながら人前でお話をする、まさに子供版のプレゼンテーションです。恥ずかしいとか緊張するとか感じる年齢になる前から当たり前のように人前で話をするアメリカの子供は人前で話をすることに対する抵抗が全くありません。娘も当然緊張などする様子も無く楽しくShow and Tellに参加していました。
日本とアメリカの違い
私の初めてのプレゼンは卒論だった
思い起こせば私は大学の卒論が初めてのプレゼンでした。社会人になってからはプレゼンをする機会がとても多かったため、段々とプレゼンが平気になってきましたが、初めてのプレゼンは本当に緊張したのを覚えています。
娘のプレゼンは大成功(本人談)
私は娘と一緒に彼女の初めてのプレゼン資料を楽しく作り上げました。小さい子にも興味を持ってもらえるようにアメリカでも認知度の高いハローキティやポケモンのイラストを入れて、簡単な解説も入れました。
当日は大成功だったようで、娘は意気揚々と帰ってきました。キャラクターパワーが凄かったのか他の国の発表より皆が関心を示していたそうです。
そういえば皆が皆外国から来ているわけではありません。他の子の発表はどうだったの?と聞くと、レイチェルはお爺ちゃんがポーランド人だからポーランドの話をしていたよ、ピーヤはママがインド系だからインドのお話、ジュリアンナはハイチの話をしてた。…娘は少しづつ思い出しながら話をしていました。
…ここまで聞いて私はドキリとしました。
以前誕生日会の話でも書きましたが、娘のクラスメイトのこのジュリアンナという女の子はハイチ地震の孤児でアメリカの白人夫婦の養女になった子です。このころはハイチ地震がおきてまだ1年半もたっていない時期で、彼女は正確な年齢がわからず見た目の年齢から4歳と言うことで幼稚園に入園していました。
全てを隠さずに行うアメリカの教育法
ジュリアンナはどんな気持ちでそのプレゼンをしたのだろう…。ジュリアンナのママはどんな気持ちでその資料を作ったのかな?
私は考えただけで切ない気持ちになりました。それでも娘に聞いた情報によると、彼女は堂々とShow&Tellをやってのけ、皆の話も楽しそうに聞いていたそうです。
最後に
自分自身を受け止め、自分自身の話をする…簡単なようで簡単ではない、大人でも戸惑いそうな話ですが、幼いころからそうして人前で話をし、自分を受け入れてもらう経験をするのは素晴らしいことだなと感じました。
日本でもこのShow and Tellという学習法が幼いころから行われたら良いのにと心から思います。