私の娘は顔に小さくて薄いかさぶたのような傷があります。私はその傷を見るたびに後悔の気持ちが沸き上がります。本人は全く気にならないようなのですが、私は気になって仕方がありません。なぜならその傷は彼女が歩きたての1歳前後の頃転んで積み木にぶつかってつけた傷だからです。子供が転ぶくらい普通のことだしそこまで気にすることはないと言われるかもしれませんが、私が後悔しているのは傷をモイストヒーリングではなくドライヒーリングで治してしまったことです。
モイストヒーリング(湿潤療法)といえば日本では傷パワーパッドが有名です。私が初めてモイストヒーリングの効果を感じたのは下の子(息子)がプーケットで火傷を負ったときにモイストヒーリング治療を行うことで痛みが少なく傷口が目立たない状態で治癒したことからその効果を実感しました。
私が子供の頃は通常キズは消毒して、乾かして、かさぶたを作って治すという考え方(=ドライヒーリング)が主流でした。しかし近年、自然治癒力に着目した、キズをしっかり覆い、潤い(体液)を保ってきれいに治すモイストヒーリングというキズケアが広まってきています。
ドライヒーリングでは空気に触れた体液(滲出液)と血液が乾いてかさぶたになります。新しい皮膚が、かさぶたにじゃまされて下にもぐる形になるのが特徴です。体液(滲出液)は、わずかな量しか残らないため、モイストヒーリングに比べキズを修復するはたらきが弱くなります。
一方でモイストヒーリングではキズ口をピッタリ覆って密閉することで、傷口が空気に触れず、受ける刺激が少なくなり、痛みが和らぎます。体液(滲出液)の中を細胞が動き回るため、なめらかな表皮をスムーズに再生でき、きれいに治ります。体液(滲出液)のはたらきを最大限に活用できるため、キズの修復が早く進むのです。
私がこのモイストヒーリングで一番素晴らしいと思うのはやはり傷口が目立ちにくくなるという点です。私は美容でシミ取りレーザーをしたことがあるのですが、レーザーをした個所は必ずプロペト(ワセリンの一種)を塗ってその上に絆創膏を貼って湿度を保つように言われました。これも今思えば傷口を乾かさずに治すモイストヒーリング療法の一つなのです。
最近も息子がまた転んで傷を作ったので傷パワーパッドの膝タイプを購入して治癒しました。傷パワーパッドの最大の欠点は値段が高いことです。肘膝タイプは大判で3枚900円近くします。とても高価なのは確かなのですが1枚最長5日間もつそうなので結果として3枚で完治しました。使い方は簡単で消毒等は一切せず傷をきれいな水で汚れ等を洗い流した後、精製水綿などのキレイなもので軽くふき、そのまま貼るだけです。自分の中の自然治癒力を最大限に発揮して傷を治す方法なので体に欠ける負担もとても低く、外部刺激でかさぶたが切れるようなリスクもないので膝の曲げ伸ばしがしやすくとてもよかったと息子にも高評価でした。
傷パワーパッドは少し高価ではありますが、膝のようなかさぶたが切れるリスクのある場所のけがや顔などの少しの傷跡でも気になる場所などには、必ず傷パワーパッドなどを使い、モイストヒーリング療法をお勧めします。