無意味なの?ダイエットに使われてきたカロリー制限
私はアラフォーですが、子供の頃からあらゆるダイエット番組でダイエットの為にはカロリー制限が必須であるという情報を目にして育ちました。
体重を減らすためには、カロリーを抑えて体を動かすことが大切だと何十年も前から強く信じられてきたのです。
しかしここ最近、このカロリー神話が崩れつつあるということを、ダイエットや健康管理に詳しい方なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。
摂取カロリーと体重増加に相関関係が無いことが判明
カロリー制限に疑問符が投げられだしたのは、アメリカで大々的に行われた大規模調査が始まりだと言われています。
1990年から20年間にわたって行われたこの大規模な調査で、「摂取カロリーの増加と体重の増加には相関関係はない」という結論が出てしまったのです。
この研究結果によると、この長期にわたる調査期間中、アメリカでは肥満は増え続けているのに、人々の摂取カロリーにはほとんど変化が見られなかったというのです。
イギリスでも同様の結果が出ており、こちらはむしろ、摂取カロリーは減っているのに肥満は増えていたと結論づけられています。
健康のためにはカロリー制限だけでは駄目
肥満を減らすために、健康でいるために、カロリー制限が必要だと長きにわたり信じられてきました。
しかし、人々がカロリー摂取量を減らそうと努力しているにも関わらず、慢性疾患や肥満の割合が増加しているということは、減量や健康のためには摂取カロリーを減らすだけでは十分ではないということなのです。
最近推進されている糖質制限
糖質はどのくらい制限すべきか?
通常カロリーを得ることができるのは炭水化物、タンパク質、脂肪の3つです。
カロリー制限に変わって最近注目されている糖質制限では、この中で太る原因になるものが炭水化物だと言われています。
炭水化物は通常、糖質と食物繊維から成りますから、人が吸収できない食物繊維ではなく、炭水化物の中の糖質が問題視されていることがわかります。
糖質制限派の方には、完全に糖質を断ってタンパク質メインの狩猟時代の原始人のような生活をすべきだと主張する人もいますが、タンパク質の取り過ぎは早死にのリスクを高めるという論文もありますから、極端に炭水化物排除派になるのも危険です。
糖質はゼロにするのではなく、糖質として摂取している食材そのものを見直して、できる範囲で減らしていくことが、糖質制限ダイエットでは大切になります。
栄養バランスと素材が大切
私は過去に糖質接種を限りなくゼロに近づける、スーパー糖質制限なども試したことがあると以前ブログに書きましたが、自分の体で実験してみて出た答えとしては、結局のところ三大栄養素のバランスが重要であるというシンプルな結論に達しました。
そしてその栄養素をどの食品で取るかに注意すべきだと考えています。
オーガニックのスキンレスチキンも加工肉も同じタンパク質ですが、当然前者の方が健康には良いように、一見栄養素として同じに見えるものでも、素材の段階で吟味することが本当の健康につながると思うのです。
以前ブログで書きましたが、アメリカのアーミッシュ達は普通に沢山カロリーを摂取しているように見えたにもかかわらず、全く太ってはいませんでした。
彼等は自分たちで育てた自然のものだけを食べて生きているのです。
結局のところいかに自然に近いものをバランスよく食べるかが大切なのだと思います。
カロリー制限は何故意味が無いのか?
口から摂取するカロリーの一部は腸内細菌の餌である事実
カロリー制限無意味派は、従来の科学は、人間が食物から吸収するエネルギーの量を誤って計算していると主張しています。
どういうことかというと、私達の体は消化の際、腸内細菌と呼ばれる有益な細菌の力を借りて、栄養素の処理をしているのですが、食べるものの一部は、これらの微細な生物の餌になり、その成長を助け、私達の健康を支えているのです。
つまり、栄養分の個々の分子が、自分と腸内細菌のどちらに行くのか、知る術など無いじゃないかというのです。
同じカロリーでも健康に良いものと悪いものが存在する
また、上記でも述べたように、同じ栄養素、同じカロリーであっても、加工食品、特に精製された砂糖は、細胞にダメージを与え、炎症を引き起こし、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があると言われています。
一方、農産物のような丸ごと摂取できる食品には、炎症を抑え、酸化やストレスを食い止める成分も含まれているのです。
このことからもいかに食材の段階から良いものを選ぶことが重要かがわかります。
一方で全くカロリーを無視してはならない理由もある
これらをふまえて見てきて、カロリーは全く気にしなくてよいのだな、と思った方もいらっしゃるかと思います。
しかし、現実はそこまでシンプルではありません。
カロリーがとてもわかりやすい指標であることは事実
カロリーは今まで述べてきたように、食品の栄養的な質を測るものではないので、完璧に参考になるものではありません。
しかし一方で、カロリーは食品との健全な関係を築くためのツールの一つであることは揺らぎない事実です。
炭水化物とタンパク質はグラム当たり4キロカロリーで脂質は9キロカロリーですが、炭水化物さえとらなければ何カロリー摂取しても良いのかというと、そうはならないことくらい容易に想像がつくでしょう。
食品と栄養というものは簡単に計算できるものでは無い
結局のところベストな栄養というものは摂取側の個体差や、食べ物側の個体差があり、簡単に計算式で何カロリーだとか、タンパク質・脂質・炭水化物何グラムだとか表すことができないのです。
わかっていることはなるべく加工されていない、なるべく農薬のかかっていない、自然に近い食品をそのまま食べることがベストであるということだけです。
まとめ
いかがでしたか?
健康維持やダイエットに、カロリー制限が長らく大切だとされてきましたが、幾つかの研究により、カロリーは一つの指標に過ぎないので、集中したカロリー制限は意味が無いということがわかってきました。
カロリー制限の代わりにダイエットには糖質制限がメジャーになってきていますが、過度な糖質制限もまた弊害を生むのも事実です。
結局のところ最も効果的なダイエット法は、適度な運動をしながら適度な栄養素をバランスよく、なるべく自然に近い食品から取ることなのだと思います。