人の能力ってどの位遺伝で決まるの?
私は個人的に橘玲さんが好きで彼の書いた本はほとんど読んでいるのですが、彼の著書、「言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)」などでも書かれているように、何となく努力信仰の強い日本という国の中では、タブーとされていますが、世の中の数多くのことは予め遺伝で決まっているのが現実です。
今回はその中でも比較的遺伝で決まりやすい物、遺伝的要素が強いものと、努力すれば逃げ切れる、環境因子が強いものをそれぞれ紹介していきたいと思います。
遺伝的要因が高い能力
よく数学に代表されるような、知的能力は遺伝の影響が大きいと言われますが、わかりやすい例として、脳の中で知能に最も関係が深い前頭葉の表面積や厚さ、密度の約80%が遺伝の影響を受けることがわかっています。環境に大きく左右される学童期の成績でさえ、遺伝の影響がおよそ50%と最大の要因になっているのです。
また、よく遺伝すると言われている運動能力ですが、運動能力には筋肉の質だけでなく、筋肉の付き方や骨格のほか、呼吸器と血管系、神経系の機能など、いくつもの要因が関係しています。その中でも、スプリンター向き、持久力系競技向きという遺伝的な適性は確かにあります。人の筋肉は、縮む速度は速いがすぐに疲労する「速筋」と、逆に持久力はあるが縮む速度の遅い「遅筋」の2種類からなるのですが、このどちらを多く持っているかによって、短距離型か長距離型かが生まれながらにして決まると言われているのです。
ちなみに私は以前ダイエット記事のブログでも書いたのですが、個人的に自分の遺伝子検査をしたことがあります。この中で調べた運動能力において、この短距離型が残念なくらい先天的にダメでした。
- 数学力
- 足の速さ
- 跳躍力
- 文才
- 音楽
遺伝的要因がそこまで高くない能力
環境因子が大きくかかわる学問の代表的なものは語学です。数学などは遺伝的能力で決まりがちなことがわかっていますが、語学は環境で変えることのできる能力なので、両親が数学に強くないと思うのであれば、子供に小さなころから語学をさせるのも一つの手かもしれません。
また総合的にみると音楽の能力や文才は遺伝的要素が高い分野だそうですが、細かく見ていくと芸術的才能は後天的なもの、つまり練習でなんとかなる部分もあるようです。例えば、何年か音楽の勉強をした後では、脳の中の音を処理する部分が広がるということがわかっていますし、音痴の家系というのも見当たりません。事実、絶対音感は才能のあるなしにかかわらず、6~8歳頃までの訓練によって身につくか否かが決まるといわれています。
- 語学力
- 球技
- バランス感覚
- 動体視力
- 音感
子供の能力を調べる遺伝子検査やダイエット検査
色々と遺伝的要因と能力についてみてきましたが、現在は大人も子供も色々と予め調べることのできる遺伝子検査があります。
例えば子供の能力を調べるなら、わかりやすい解析結果と医師コメント【GIQ子ども能力遺伝子検査】
などが医師のコメント付きでお勧めです。
また以前のブログでも書いたように私はダイエットの遺伝子検査もしたのですが、あなたがヤセない本当の理由は?→今すぐ遺伝子検査で判明!
この検査のようなダイエット検査で調べておくことであらかじめ自分の効きやすいダイエット方法がわかったりするので勢いよくダイエットに突入する前に予め自分の傾向を把握することが大切です。
実は性格も遺伝的要素が大きい?
今まであまり注目されていなかったけれど、近年注目されてきたものの一つに性格の遺伝というものがあります。例えば勉強のできる出来ないは、一つのことをじっと考え続ける持続力や集中力などの能力が遺伝することの方が、IQうんぬんより若しかしたら深く関係しているのかもしれません。以下遺伝と性格を見ていきましょう。
遺伝的性質が高い性格
学業や仕事でパフォーマンスを出すために重要とされている集中力ですが、ことのほか遺伝の影響が強いことがわかっています。また性欲なども遺伝すると言われています。
- 集中力
- 性欲
遺伝的性質が低い性格
高所恐怖症や泣き上戸、嘘つき、盗み癖、痴漢癖などは遺伝というより後天的な環境因子の方が強いそうです。子供に嘘をつかない、物を盗まないなどという教育をキチンとしたら子供は正しく育つというわけですから、この部分で環境因子が強いということは素晴らしいことですよね。
- 高所恐怖症
- 泣き上戸
- 嘘つき
- 盗み癖
- 痴漢癖
外見やその他のものと遺伝的要因
その他遺伝的要素が高いもの
私の家系は超長身だという話を以前ブログで書きました。身長や体重はとても遺伝の影響が強く、特に身長は9割が遺伝の影響といわれます。足の長さも8~9割が遺伝で決まります。ただこれに対して、以前のブログでも書きましたが、私は環境因子の重要性を侮ってはいけないと思っています。
私の弟は両方とも長身な一卵性双生児なのですが、環境因子の違いで身長差が10㎝以上もあるのです。同じように私の息子は夜更かししがちで食べ物の好き嫌いが多く、私の超長身遺伝子を持ってしてもクラスの背の順では後ろから3割程度でとどまっています。ですから私は、身長に関しては遺伝子は間違いなくあるけれど環境因子を甘く見るべきではないと思っています。
身長以外にも、体臭やハゲるかどうか、女性の場合は胸の大きさ、初潮の時期といったホルモンの関係することがらにも、遺伝が強く影響しています。
顔の大きさや頭囲も遺伝しやすいものの一つです。
また方向感覚や味覚、タバコ依存や猫舌に至るまで遺伝するものはとても多いのが現実です。そして最もタブーと言われていることを敢えて書くなら、統合失調症、自閉症、ADHDなどは遺伝の影響がとても強い因子であることがわかっています。
- 目の大きさ
- 鼻の高さ
- 輪郭
- ハゲ
- 肌の色
- 体臭
- 巨乳
- 方向音痴
- タバコ依存
- 味覚
- 猫舌
- 寿命
- 統合失調症
- 自閉症
- ADHD
その他遺伝的要素が低いもの
遺伝的要素が実は低いものに達筆度合いやギャグの上手さなどがあるそうです。この達筆度合いについても実は以前、双子の弟の字の上手さに差があることから、字の上手さは環境因子次第なのではないか?という考察のブログを書きましたが、その後の調べで私の勘は正しかったらしいことがわかりました。
また面白いところではギャグの上手さなども遺伝というよりは環境因子が大きいようです。これに関しては何となく関西在住歴のある私から言わせれば、わかるわかるっ!と言いたくなるところです。関西の子供は総じて面白い。あれは完全に環境の力だと思います。当時私の上司だった人に、家族を引き連れて東京から大阪の難波商店街のど真ん中に引っ越した人がいました。理由を聞くと、関西の子供がとても面白いから、面白くてパワフルな子供に育って欲しいので小学校入学を機に家族で移住してきたそうなのです。凄く面白い教育方針だなと感心したのを覚えています。
- 達筆
- ギャグの上手さ
実は回避できる遺伝的悪要因もある
このように見てきたら、生まれつき遺伝子が悪かったら相当不利な気がしてきます。しかし、その遺伝的要因の原因を見ていくと意外と対策が打てるものもあったりするのです。
例えば私は遺伝子検査によると遺伝的に太りやすい人だと分類されています。何故ならその理由は恐らく、太りやすいと言われている橋本病を持病に持っているからです。因みにこれは母方からの遺伝なのですが、母はハッキリ言って肥満ですが、私はやせ型です。この原因は恐らく、私の方が遺伝要因を気にして、橋本病がいつか来る!と気を付けていたために早く橋本病に気づくことができたので早く投薬治療を開始できたことが大きいでしょう。橋本病は気づかない人は何十年も気付かないまま不調を抱えて体重もじりじりと増加していきます。しかし投薬すれば問題なく普通の生活がおくれる病気です。
また、橋本病は遺伝しやすく、橋本病の人は甲状腺ホルモン値が低いのですが、妊娠時に甲状腺ホルモン値が低いと子供の言語能力が下がるというデータがあります。これを遺伝があるから言語能力が低い、としてしまうのは今の医学では少し違うのではないかな?というのが私の見解です。何故なら橋本病の妊婦でも妊娠時にしっかりとホルモン治療を行いながら投薬をすれば、胎児には全く悪影響が無いからです。
このように悪い遺伝的因子があったとしても、原因次第では予め対処ができたりするものも存在するのです。
まとめ
いかがでしたか?あらゆる能力は意外なほどに遺伝の要素が大きいことがわかって、ビックリした人も多いのではないでしょうか?
しかし注意すべきは、どんなに遺伝的要因が多くとも必ず環境因子は関係していること。そして、同時に、どの遺伝因子が原因で悪い結果が出ているのかをキチンと理解しておくことで、ものによっては、あらかじめその悪影響への対策ができることもあると言うことです。