冷凍した方が良い食材があるって知ってる?
近年冷凍技術によってさまざまな食材が冷凍されるようになりました。冷凍食品で食事を作ると手抜き料理のイメージがつきがちですが、実は冷凍した方がうまみ成分や栄養価が上がったり、調理が時短でできるものがあることは意外と知られていません。
今日は、その冷凍した方がより美味しく、栄養価が高く、時短調理ができる食材について紹介していきたいと思います。
きのこ類
美味しくなる理由
キノコのうまみ成分はグアニル酸です。この物質は、細胞に含まれる核酸が酵素によって分解することで生成します。そのため細胞を壊すことがうまみ成分の増加につながるのです。冷凍することで水分が氷になって膨張し、キノコの細胞を破壊します。解凍することで細胞内に含まれていた核酸や酵素が細胞外へ出て混ざり合い核酸の分解が行われてグアニル酸が生成するのです。
特にうまみの増えるキノコは?
マッシュルーム、シイタケ、ブナシメジ、マイタケは冷凍することでうまみ成分が倍程度まで増えます。因みにエノキダケを冷凍すると、脂肪を分解してダイエットに有用なキノコキトサンが12倍にアップします。ブナシメジは代謝アップや美肌効果があるビタミンB群が豊富ですが、水分が多く傷みやすいという欠点も冷凍すれば1ヵ月保存できます。そして、マイタケは他のキノコにはないMXフラクションという成分のダイエット効果が注目されていますが、80℃以上で分解されてしまうそうなので、冷凍してみそ汁やスープの仕上げにさっと入れるのがオススメだそうです。
貝類(しじみやアサリなど)
例えば冷凍しやすい貝類にしじみがあります。しじみは冷凍すると、なんと生の状態のものより旨味成分のオルニチンが4倍以上になります。さらに同じく旨味成分であるコハク酸も冷凍することによって細胞組織が壊れ溶け出しやすくなり、より旨味を感じることができます。しじみは美肌効果や冷え性改善、肝機能の回復など良いことづくめなので毎日摂取しても良いぐらいですね!因みに同じ貝類のアサリも冷凍した方が旨味がアップするそうです。
しじみやアサリの冷凍保存のコツ
まずはしじみやアサリの砂抜きをしておくことが大切です。砂抜き後は、貝を擦り合わせ、汚れを落として水をよく切り、しっかり密封出来る冷凍保存可能な容器や袋に入れて冷凍します。料理に使用する時は冷凍されたままで。強火で調理しないと殻が開きにくいので注意が必要です。冷凍してから美味しく食べるまでに1〜2ヶ月保存可能です。
野菜類(冷凍がお勧めな野菜3選)
たまねぎ(飴色玉ねぎ)
たまねぎを千切りにして生のまま冷凍しておくと、繊維が壊れやすくなるため、炒めるときに「飴色たまねぎ」が簡単に作れます。通常飴色玉ねぎを作るのには長い時間を要するので、この方法は時短調理になりとても便利です。
このように冷凍することで水分が膨張し細胞壁を壊し、調理が時短になったり食感が変わったりするものは他にもあります。私の料理家の友人はフライドポテトを揚げる前に必ず一度、カットしたジャガイモを冷凍すると言っていました。その方が細胞壁が壊れてほくほくと美味しいフライドポテトになるのだそうです。
小松菜
小松菜は普通に冷凍して解凍しただけで、茹でたものよりもおいしくなるんだそうです。さらに、ビタミンCも一度冷凍したほうが高くなります。
小松菜の旬は12月~2月で、この時期の小松菜は甘みを感じられますが、旬以外のときに買うとシュウ酸が多くなり、えぐみを感じてしまうこともあります。美味しく食べるために、旬の時期に買って冷凍しておくのがおすすめです。
ピーマン
子どもが苦手な食材ナンバー1にあがることの多いピーマンですが、実は私も幼少のころ苦手食材でした。何が苦手だったのかというと、子供心にあの独特の苦みが嫌だったのを覚えています。
実はこの苦味は冷凍することで抑えることができます。さらに電子レンジ加熱でも苦味が抜け、甘くなりますので、冷凍→電子レンジ加熱、でピーマン嫌いを克服することができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?冷凍技術を使うことで旨味や栄養素がアップしたり、時短調理ができるなんてすばらしいですよね。特にきのこや貝類は冷凍することで旨味や栄養素がアップするので冷凍しない手はありません。冷凍すると野菜などは特に食感が変わるので、作る料理にその食感の変化が合うか合わないかも、冷凍するか否かの判断基準になりそうです。
例えば玉ねぎなんかは、上記のように飴色玉ねぎを作るには一旦冷凍するのは時短になってよいのですが、その冷凍玉ねぎを使ってサラダを作るのは食感が合わないのでお勧めできません。同じ理由でピーマンなどもサラダで食べる時は食感が損なわれるのでNGでしょう。
このように、冷凍のメリットデメリットを充分に考え、冷凍するかしないかを判断することをお勧めします。