蜂の繁殖期がやってくる!この時期の蜂は危険!?
蜂の種類と活動期と活動時間は?
人を刺すハチは、集団生活を営む次の4種類のハチ(スズメバチ、あしながバチ、クマバチ、ミツバチ)で、かつメスである女王蜂と働きバチです。
蜂の活動期は、3月~11月頃です。春先に女王蜂が巣作りを始めて、夏までに働き蜂を産卵しながら巣を大きくしていきます。巣が最も大きくなった7月から9月頃、繁殖期が始まります。刺される被害が最も多くなるのもこの時期です。繁殖を終えて新しい女王蜂が誕生したら、巣は放棄されてほとんどの蜂は冬になる前に活動を終えます。
蜂の活動時間帯は6時~21時ごろ、特に餌を探して出かけている朝7時~8時ごろから日中の間、蜂は最も活発に活動しています。
蜂は黒によって来る?山やキャンプ場などでは白を着よう!
ハチは、白色や銀色といった薄い色への反応が薄いことが分かっています。山やキャンプ場など蜂に遭遇しそうな場所に外出するときは白を基調とした服装を心がけましょう。逆に黒色の服は、ハチに攻撃されやすいです。ハチに遭遇すると、まっさきに黒い髪や目が攻撃されることもあるほどです。白い帽子を着用し、ハチに遭遇したら必ず頭をガードするようにしてください。
過去に蜂に刺されたことがある人は、エピペンを持って行くのもよい
過去に蜂に刺されたことがある人がすぐに救急車を呼べない山奥などに行く場合は、アナフィラキシーショック対策として※エピペンを持って行くのもよいでしょう。エピペンはアナフィラキシーの既往歴のある人や、蜂のいる場所に行く人や、過去に蜂に刺されたことがある人、食物アレルギーのある人などは保険適応の範囲内です。(※エピペンはアナフィラキシー症状緩和のための自己注射、補助治療剤です。)
巣の駆除に適した時間、基本的には防護服を着た専門業者に任せよう!
蜂は昼間外出しているので、蜂の巣の駆除は日没後~日の出前が狙い目です。餌を探していた働き蜂が帰ってくるため、巣を撤去すればほとんどの蜂を駆除することができます。また、日本にいるほとんどの蜂は夜目がきかないため、夜間ではうまく飛ぶことができません。安全性の点から見ても、駆除の時間帯は日が沈んでいる時間が最適です。
しかし基本的にはハチの巣の撤去は危険を伴うので防御服を着た専門業者に任せましょう。
蜂に刺されたら?アナフィラキシーの有無で治療する診療科が違う
蜂に刺された時の応急処置
まず刺された場所から10メートルくらい離れる
蜂に刺された場合はその近くにハチの巣があることが多いです。また、スズメバチのように一匹の蜂が複数回刺してくることもあります。刺されたら速やかにその場を離れるようにしましょう。
局所の毒針を抜く(針が無いこともある)
ミツバチなどは刺された時に毒針が刺さります。ピンセットで抜くのがベストですが、無い時に推奨されている抜き方は、払いのけるような抜き方です。クレジットカードの様な肌に刺さらない硬いもので一方向に払いのけます。スズメバチやあしながバチは針が残ることは基本的にありません。
流水で毒を流す
一昔前は蜂の毒針は酸性だと考えられていてアンモニア水をかけると良いと言われていましたが、実際は中性のタンパク成分で構成されており、今では間違った応急処置とされています。蜂の毒は水溶性なので、速やかに流水で流すことにより、毒を薄く出来るので、必ず流水で流すようにしましょう。たまに口で毒を吸おうとする人がいますがNGです。口から毒が入り、口がしびれたりすることがあるので、必ず流水処理するようにしましょう。
薬があれば薬を塗る
流水で流した後、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を持っている人は速やかにそれを塗りましょう。抗ヒスタミン剤には、アトピーやじん麻疹、かゆみを緩和する作用があります。
患部を冷やす
流水処置が終わったら(塗り薬をもっていたらそれを塗った後で)速やかに患部を冷やしてください。冷却することで刺された部位の血管が収縮し毒を吸収しにくくなります。さらにハチの毒が血管の中に入るのを遅らせることができます。
その後しばらくアナフィラキシーショックが無いか確認する
アナフィラキシ―症状は刺された数分後から1時間以内にでてきます。出てきた場合は救急搬送も考慮し、速やかに医療機関を受診して下さい。 アナフィラキシ―症状がでて救急車到着を待つまでは仰向けに寝かせ、足を持ち上げてください。重症時はできるだけ移動させない。特に背負うなど頭を高くした状態での移動は避けましょう。
主なアナフィラキシー症状
- 繰り返し吐き続ける
- 持続する強い(我慢できない)おなかの痛み
- のどや胸が締め付けられる
- 声がかすれる
- 犬が吠えるような咳、持続する強い咳込み
- ぜーぜーする呼吸、息がしにくい
- 唇や爪が青白い
- 脈を触れにくい、不規則
- 意識がもうろうとして、ぐったりしている
- 尿や便を漏らす
※参考文献
*メルクマニュアル 第18版 *小児内科 特集 小児救急外来診療ガイド
全身症状!アナフィラキシーショックがあったら
上記の主なアナフィラキシー症状にあるように、複数の臓器や全身に現れる激しい急性のアレルギー反応をアナフィラキシ―といいます。このような症状が出た場合は、速やかに救急科を受診してください。救急車を呼んでも大丈夫です。とにかく早い処置が必要になるので、速やかに行動しましょう。
局所反応のみ!アナフィラキシーショックが無かったら
患部の疼痛、発赤、紅斑、腫脹などの局所症状だけではアナフィラキシ―とはいいません。このような場合は、上記応急処置をしたうえで、アナフィラキシーが無いかの確認をしたのち、必要に応じて、皮膚科、内科、アレルギー科を受診しましょう。
自分でできる蜂除け対策グッズ
アースジェットのハチの巣を作らせない蜂除去スプレー。ハチの巣ができる前にスプレーすることで殺虫+予防することができます。
木酢、昔からある木酢は基本的にどのメーカーのものでも構いません。水で薄めてからスプレーで吹き付けたり、バケツなどに入れて置いておいても効果があります。庭木以外でも、薬剤を使いたくないときは木酢液を散布しましょう。
大日本除虫菊の蚊取り線香アブ蜂バージョンです。キャンプや庭遊び、縁側遊びなどで蜂が気になる時にこの線香をたくと蜂除けになります。
富士商ダミーハチの巣。ズバリ見たまんまですが、別のスズメバチの巣がある、誰かのテリトリーであると勘違いしてスズメバチが巣を作らなくなるというものです。またスズメバチより低位の蜂もスズメバチがいると思ってそこに巣を作らなくなるそうです。
まとめ
いかがでしたか?これからの時期、徐々に蜂の繁殖期が始まり、いたるところにハチの巣ができてくることになります。
特に一番恐ろしいと言われるスズメバチは十分な対策が必要です。スズメバチは、身を守ることができる安全な場所に好んで巣を作ります。家の軒下、ベランダ下、幹や枝が太い木、枝葉の多い木の内側などは雨や風をしのぐことができるので、巣作りに適した環境です。スズメバチのなかでも大きな巣を作る種類が、こうした場所に巣を作ることが多いのです。なるべく蜂が巣をつくりそうな場所には事前の対策をし、伸びすぎた木などは今のうちに伐採して、蜂にとって快適な場所を減らしていきましょう。
それでも巣ができてしまった時は速やかに駆除業者に連絡して巣が小さいうちに撤去しましょう。そして、万が一刺されてしまった場合は上記応急処置のルールに従って速やかに対応できるようにしなければいけません。