GI値とGL値、この二つを知ってる?
以前、健康維持やダイエットの方法として血糖値コントロールが重要であるということについてブログに書きました。
白米から玄米に、食パンからライ麦パンに変える等、出来る範囲で気軽にGI値を意識した食生活をしていくことで、急激な血糖値の上昇を抑えることができます。
このGI値に関しては健康やダイエットに興味のある人だけでなく、かなり広い範囲で認知されてきだしていますが、一方でGL値という言葉を知らない人はまだ多い印象です。
米国では昨今、GI値ではなく「GL値」を指標にする方が、より血糖値コントロールに適していると注目されています。
今日はこのGL値についてGI値との違いを述べながら紹介していきたいと思います。
ダイエッターの常識!GI値とは
まず初めに、ご存じの方は飛ばし読みしていただきたいのですが、GI値について軽く紹介していきます。
GI値とは「グリセミックインデックス指数」ともいい、炭水化物の消化・吸収を評価するもので、消化・吸収後に血糖値が上がりやすいか上がりにくいかの指数のことです。
食品に含まれる炭水化物量「50g分」を摂取した際の血糖値の上がり方を示した数値なので、たとえば100g中10gが炭水化物の食品なら、500g食べた場合の血糖値の上がり方を示した数値となります。
ダイエッターの新常識?GL値とは何か?
一方で、よりダイエットの指数として現実的だと言われて、最近注目されてきているGL値ですが、簡単に言うと食品に含まれる炭水化物量とGI値をかけ合わせた値のことで、以下の式のように導き出されます。
GL値 = GI値×各食材に含まれる炭水化物量(g)÷100
GI値では炭水化物量が50gだったものが、GL値では食品ごとに一般的に摂っている量での数値なので、よりダイエットの指標とするのに現実的だと言われています。
GI値とGL値の違いを詳しく説明
GI値の高・中・低基準値
70以上 | 高GI値 | 白米、食パン、餅、ドーナツ、人参、じゃが芋 |
---|---|---|
69~56 | 中GI値 | うどん、ライ麦パン、ベーグル、かぼちゃ |
55以下 | 低GI値 | 蕎麦、パスタ、バナナ、トマト、胡瓜 |
上記はGI値の高・中・低値を比較した表です。
GI値の高いものを見ると一見太りそうなイメージのものが多いですが、人参などは意外性があるのではないでしょうか?
この感覚的な意外性は正しく、そこがGI値の落とし穴でもあります。
GI値の測定は、健常者に対して食品に含まれる炭水化物の量が50gになるまで食べてもらい、その後血糖値の上がり方を測定しますが、食べ物によって100g当たりに含まれる炭水化物の量は違うので、違和感が生まれることがあるのです。
例えば人参で炭水化物50gを摂ろうと思ったら、100gあたりの炭水化物量が約10g程度なので、炭水化物を約50g摂るには500g近く摂取しなければならず、その量は人参5本分にまで及びます。
ご飯一膳の炭水化物量は60gくらいですから、ご飯一膳と同じ量の炭水化物を摂取するには単純計算で人参を6本食べなければならず、そもそもダイエット指数として、同じ高GI食品というカテゴリーに分けて考えるのがナンセンスであることがわかります。
個人的に、GI値は「その食品の糖は血糖値を上げやすいか」の指標という程度の認識が良いと思っています。
GL値の高・中・低基準値
20以上 | 高GL値 | 白米、食パン、餅、パスタ |
---|---|---|
11~19 | 中GL値 | ライ麦パン、蕎麦、ベーグル、バナナ、じゃが芋 |
10以下 | 低GL値 | 人参、トマト、胡瓜、スイカ |
上記がGL値の高・中・低値をあらわした表になります。
GL値とはグリセミックロードともいい、一般的な量の炭水化物を摂ったときの血糖値の上がり方を数値化したものです。
GI値とGL値の違いは実際に食べる食品の量を加味している点であり、GI値では炭水化物量が50gを基準にしていましたが、GL値では食品ごとに一般的に摂っている量での数値なので、より実用的と言えるでしょう。
上記の人参以外にも、GI値とGL値のズレが有るものに、例えばスイカがあります。
スイカはGI値だけ見ると70位あり白米や食パン並みに高い食材ですが、ご存じのように殆どが水分で100gあたりの炭水化物量が少ないため、GL値は7前後と大変低くなります。
このようにGI値で計るには必要摂取量が多すぎてナンセンスなものも、GL値で見ると比較的参考になり易かったりするのです。
まとめ
いかがでしたか?
貴方はこのGI値やGL値、そしてその違いをご存じでしたか?
GI値とGL値は血糖に注目するという意味では同じですが、現実的に摂取できる量に焦点を当てたGL値は、より一層ダイエットの指標として適切であることがおわかりいただけたかと思います。
このGI値やGL値はダイエット時に注目すべき指標ですが、糖質コントロールをストイックに行いたいからといって、食品ごとにGI値やGL値を全て計算すると大変な作業になってしまいます。
せっかく糖質コントロールを始めても、続かなくなってしまうのでは意味が無いので、初めは、よく食べるものの中でGI値やGL値が高い食材を把握して、可能な程度で制限するなど、コントロールしてみるのがお勧めです。
このちょっと気にするという行為が、ダイエットを成功に導く近道になるかもしれません。