未熟児を産んで自分を責めている母親達に言いたい
今日ヤフーニュースを見ているとコロナにかかり赤ちゃんを早産してしまったお母さんの話が出ていました。自分が早産しなければ子供はこんな未熟児にならなかったのにと、毎日後悔しているという話でした。
勿論コロナにかかってしまったことも、早産してしまったことも母親が責められることでは決してありません。しかし産後は特にホルモンバランスも乱れやすく、心を壊してしまうお母さん達も多いのでしょう。
40年前に30週で生まれた私
かくいう私も40年前に30週で世に生まれた元未熟児です。40年前の医療で30週でも生き延びれるのですから凄いですよね。
私が早産で生まれた理由は2つ上の兄が高熱を出したとき、テンパった母親が雨の中彼を抱っこして小児科に走っていったのが原因だと聞いています。そのあと出血してすぐ生まれたのだそうです。
この話を聞いたときは自分も母親だったので、わざとじゃないにしろ妊婦の自覚が無い人だなぁ、でもこの人(私の母親)はすぐテンパる人だしなぁ・・・程度にしか思いませんでした。子供は基本的に産んでもらった事には恩しか感じないものです。
未熟児で生まれたら背が小さいままなの?
答えはNO!身長は遺伝的因子と環境因子で決まります
よく未熟児で生まれたからうちの子は小さい、という話をするお母さんがいます。その主張は数年間はYesですが基本的にはNoです。以前ブログ記事にも書きましたが、子供の身長は遺伝的因子と環境因子で決まります。
環境因子とは、十分な栄養や睡眠がとれているか等をさすので、数か月早く産まれたら数か月分小さいのは当たり前であり、足りなかった身長はその後に回収できます。
年少の頃は前から三番目、小学校以降一番後ろだった私
因みにこのことを話すと大抵未熟児を産んだお母さんには驚かれるし、安心されるのですが、遺伝的に高身長な家庭に生まれたせいもあり、私はその後すくすく伸びて現在は超高身長女子です。
勿論初めは小さかったようなのですが、幼稚園の年少さんで前から3番目くらいで、小学校入学時には背の順で一番後ろになるまで成長しています。
未熟児で生まれた子が注意した方が良い事とその対策
身長は追いつくから心配しなくて良いと言いましたが、実は未熟児を育てるにあたって親御さんが気を付けた方が良いと思うことが2つほどあります。以下その問題と解決策について話していきたいと思います。
幼児期は体格のハンデがあり成功体験がつめないことも!
実は私の双子の弟の一人も未熟児でした。双子にはたまに見られるそうなのですが、片方が片方の半分の体重しかなかったのです。そのため、当然ですが幼児期の喧嘩は小さい方が必ず負けます。それ故、成功体験を得ることができず戦う意欲が失われたのか?小さい方の弟は負けず嫌いな大きい方の弟に比べ、比較的他と争わない大人しい子に育っていきました。
小さい方の弟は私と同じく、一旦小学校入学前には大きい方の弟に追いつき、同じくらいの身長まで伸びました。しかし、幼児期に出来上がったその性格から、食べ物も取り合わないし、食欲も低めで、以前ブログにも書きましたが、その後第二次成長期にかけて彼らの体格差はどんどん開いていきます。本来ならば一卵性双生児ですし、そのまま同じサイズに育ってよいはずなのですが、幼児期の成功体験によってできたであろう性格の差が、その後も大きな差となっていきました。
欲の無い平和主義は決して悪いことではなく、彼はとても性格の良い男なのですが、社会的地位は闘争心のある弟の方が上になってしまっています。それがよかったとか悪かったとか一概に言えないとは思うのですが、未熟児だった弟が小さい時にもっと沢山成功体験をつめていれば、また違ったタイプの大人になったのかな?と思う時はあります。
ですから体が小さいことで失うリスクが有るものは、幼児期の成功体験だと思います。子供の頃の成功体験はとても大事なので、親がそこを意識して育ててあげることが大切でしょう。
肺の機能が弱くなる傾向にある
弟のように40週きっかりで生まれたけど双子の片方に栄養を取られて未熟児だった、という赤ちゃんと違い、私のように早産で生まれた子供は通常妊娠後期に完成するという肺の機能が未完成のままで生を受けます。そのため、肺がとても弱くなるという傾向があります。
悲しいことに私は、中学受験、大学受験、国家試験、全ての重要ポイントで肺炎を患っています。寒い季節にちょっと無理をするとすぐに肺をやられるのです。そのため今でも肺に傷があるそうで、入社試験は最終合格の後、健康診断で結核を疑われ再診断にまわされて、危うく内定を取り消されるところでした。
しかし後輩に、水泳のオリンピック強化選手に選ばれるほど健康な女子がいるのですが、何と彼女も元早産による未熟児だったというから驚きです。彼女のお父様は小児科医なのですが、早産未熟児と肺機能のことを熟知していた為、彼女が0歳の頃から水泳教室に通わせたのだそうです。
つまり、私が何がいいたいかというと、早産の未熟児で生まれたら肺機能が弱くなるが、赤ちゃんの頃から水泳など肺機能を使う運動をさせ、しっかりと鍛えることでその弱点は克服できるということです。私の経験から言うと、大人になってから取り戻すのはほぼ不可能なので、なるべく早くから対策をするようにしてあげてください。
まとめ
今日は早産の赤ちゃんを産んだお母さんの記事を見て、早産の未熟児として生まれた自分ができるアドバイスとしてブログを書いてみました。
基本的に子供というのはどんな状況であれ生を受けたことに感謝していますし、母親を恨むことはありません。ですから自分を責めることはすぐにやめて、前向きに未熟児で生まれた子供のハンデとそれを乗り越える対策をうって欲しいのです。
未熟児は体が小さいことで成功体験がつめなくなるリスクがあるので、小さい頃から親がしっかりと子供に自信をつけさせることを意識しましょう。アメリカのデータに、学年の最後(日本でいう3月)に生まれた子供は学年を一つずらして4月に入学させた方が将来社会的に上の地位につくという研究結果があります。これも、小さい頃に体が大きいことが、成功体験につながり、自信につながるためだと結論付けられています。
また、早産の未熟児は肺機能が弱い傾向にあるので、早い段階で肺を鍛える訓練をしてあげてください。私は本当にこの肺の弱さで苦労しました。基本的には健康体なのですが、このコロナ禍などは結構びくびくしています。未熟児で産んだ親を恨むことはありませんが、私の後輩のように幼い頃に親が鍛えてくれてたらなぁと思うことはあります。母親はそのことを知らなかったそうなので、今更言っても仕方がありませんが・・・。
ですから今日はそのことを、早産の未熟児を持つ全ての親御さんに知ってほしくてブログに書きました。是非参考にしていただければ幸いです。