今や日本の農薬使用量は中国なみだって知ってた?
貴方は料理を作る際どのくらい残存農薬について気にしていますか?日本の野菜の残存農薬がどのくらい多いか知っていますか?
私がアメリカに住んでいたころの話です。ママ友が家で料理を作っているとオーガニックでもないブロッコリーの中から芋虫が出てきたことがありました。彼女はビックリして2度とアメリカでブロッコリーは食べれないと言いました。
しかし果たしてそれは正しいのでしょうか?私は逆に考えました。我が家はよくブロッコリーを食べますが、日本でブロッコリーから芋虫が出てきたことなどありません。このことの方が寧ろ問題なのではないか?と。
異常に多い日本の農薬量・日本産が一番は幻想?
実際調べてみると日本の農薬量は大変多く、FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、農薬が多くて有名な中国の農薬使用量は、農地1haあたり13kgと大変多いですが、一方で日本は11.4kgの農薬を使っており、中国とほぼかわらないのです。
因みにアメリカはずっと少なく、日本の5分の1しか使っていません。ヨーロッパ諸国も日本より低く、イギリスは日本の4分の1、ドイツ3分の1、フランス3分の1、デンマーク10分の1、スウェーデン20分の1となっています。EUは政策により意図的に農薬を減らしているそうです。一方、ブラジルなどを見てみても、日本の3分の1であり、インドなどにいたっては日本の30分の1しか農薬を使っていません。
日本へ入国の際、注意喚起される外国人旅行者
最近コロナでめっきり外国人旅行者が減ってきましたが、コロナ前は日本は人気の旅行先でした。しかし、外国人旅行者がそんな日本に渡航する際、注意喚起のパンフレットを渡されていることを知っている日本人は多くはありません。
そのパンフレットには以下のように記されています。
「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」
皆さんはどう思いますか?外国の方から見てこれが日本の現実なのです。
残存農薬を除去する野菜の正しい洗い方
日本の野菜がいかに農薬に侵されているかわかっていただけたかと思います。農家に若い労働力が少ないなど物理的な問題もあるでしょうが、日本人は慎重すぎる傾向があり、虫がつかないように虫がつかないように神経質に農薬を使い続けた結果、農薬が増えていったと言うのも一因であると思います。
そこでその慎重さを武器に丁寧に丁寧に野菜を洗って食べることがベストな対処方法となるでしょう。
基本は30秒流水による水洗い
様々な洗い方がある中で、驚かれる方がいらっしゃるかもしれませんが、ベストな洗い方は30秒の流水によるしっかり洗いです。
ただの水洗いでいいの?と思われるかもしれませんが、殆どの農薬が水溶性なので水と一緒に溶けて流れてくれます。しかし、まれに水溶性ではない場合もあるため、つけ置く際は水を流し続けましょう。
実は学校給食の野菜調理のルールも全て徹底的な水洗いと言うほど、徹底的な水洗いは効果があります。実際計ると30秒というのは結構長い時間に感じますが、時間を意識しながらしっかり洗うようにしましょう。
食用重曹による洗い方
次におすすめなのは重曹洗いです。重曹は食用重曹と掃除用重曹があるので必ず食用重曹を使うように心掛けてください。
やり方は簡単で、大きめのボウルに水を入れ小さじ1杯ほどの食用重曹を溶かして30秒ほど野菜を浸けます。
浸ける時間には注意が必要です。とくに葉物野菜は長く浸けすぎるとビタミンが溶け出す可能性があるので1分以上は浸けないようにしましょう。(葉物野菜など→30秒ほど、じゃがいもやニンジン→1分ほど)その後は必ず水で洗い流します。
浸け終わった重曹水は食器洗いやお掃除に再利用することもできます。以前重曹を掃除に使う記事を書いたので参考にしてみてください。
お酢による洗い方
お酢による洗い方も手軽で安全でお勧めです。
酢:水を1:3で薄めて洗い、流水ですすぐだけです。
酢の殺菌・防腐効果は昔から知られており、病原性大腸菌O-157、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、ボツリヌス菌などに対する抗菌効果も確認されているので、食中毒の予防にも有効です。
しかし一方で、酢水で果物を洗うと物によっては黄ばんだりする可能性があるのでその点だけは注意しましょう。
50℃のお湯で洗う洗い方
その他の安全な洗い方に、葉物野菜などを50℃のお湯で2~3分洗うことで雑菌を死滅させる洗い方があります。この50℃洗いをするとヒートショック現象により、野菜の気孔が開いて水分を吸収することで、萎れていた野菜が復活し、鮮度が蘇るという利点があります。野菜の苦味やアクを消すこともできるので味もおいしくなります。
しかし43℃以下になると菌は増殖するのでしっかり温度管理をしなければなりません。よってこの洗い方の最大の難点は温度管理になります。また、お湯を通すので調理方法の選択肢も狭くなります。
高温洗いは温度調整が面倒なので、個人的には、もともと加熱調理目的の野菜を湯でこぼしで洗うのが手軽でお勧めです。
野菜専用洗剤で洗う
中国などでは野菜は野菜用洗剤で洗うのが当たり前だそうです。日本にも近年幾つかの野菜用洗剤が販売されています。
メーカーの主張としては水で洗うより農薬がよく落ちて、もし洗剤が残ったとしても人体には無害で安全だそうです。
しかし洗い方も各メーカーにより異なり、人体に無害とあるが、子供のころから長期間に渡り使用していったらどうなるのか?という実験的データは存在しません。
また日本人の感覚として、農薬を洗剤で洗い落すのは洗剤の洗い残しという問題からも抵抗があるでしょう。何より水や重曹の方がお財布にも優しくエコだと思うので、個人的に、まずは洗剤以外の洗い方をお勧めします。
野菜別洗い方のコツ
野菜はそれぞれ洗い方が異なります。以下、基本の30秒流水洗いによる野菜の形態別の洗い方を解説していきます。
葉物野菜はしっかり洗う
ほうれん草や小松菜、ニラなど葉物野菜は、葉を一枚ずつ流水で洗い、ボウルに水を流しながら5分ほどつけおき、その後振り洗いをします。その後の調理法によっては軽く湯でこぼしで洗うことも効果的です。
結球野菜
レタスやキャベツなど結球野菜は一番外側の葉に農薬がたくさんついているので1枚捨ててから流水で洗いましょう。農薬が付着しているのが外側の葉なので一番外側にある皮は必ずむいて捨てます。
水で30秒以上洗い、食べる葉もカットしたあとで更に水にさらしましょう。
根菜類は専用ブラシで
農薬が気になる一方で野菜を皮ごと食べる健康法も近年注目されています。皮をむいて食べる際は残存農薬はさほど気にせず大丈夫ですが、皮ごと食べる際は丁寧に流水洗いをする必要があります。
100均などで買った安いものでよいので衛生面から食器用ではなく、なるべく野菜洗浄専用のブラシやたわしを用意するようにしましょう。
専用のたわしやブラシを用意したら、根菜はじゃがいも、にんじんなど くぼみの部分に泥や汚れがたまりやすいので、しっかりと擦り洗いをし、汚れを落とすようにしましょう。
まとめ
現在の日本の野菜は残念ながら世界的に見てとても多くの農薬が使われています。勿論残存農薬量は科学的な根拠に基づき体に害がないであろうギリギリのラインで決められているとは思うのですが、諸外国から見て注意喚起されるほどに多すぎる量です。
我々はそのことをきちんと理解しながら、しっかりと野菜を洗って食べる必要があります。
残存農薬は基本的には30秒の流水洗浄で十分に落とすことができます。また食用重曹やお酢、50℃の水で洗う洗い方や湯でこぼし調理など安全な洗い方も沢山あります。
野菜用洗剤なども販売されていますが、個人的にはこれらの安全でエコでお財布にも優しい洗い方をマスターして、安全においしく調理することをお勧めいたします。