最近巷で聞くタンパク質ダイエットって何?
タンパク質ダイエットのメカニズム
タンパク質は、三大栄養素(タンパク質、脂質、糖質)の中で最も脂肪になりにくいという性質があり、ダイエットに非常に向いています。
さらに、リポタンパク質リパーゼという分解酵素を活性化させ、中性脂肪を分解するのを助けてくれるという働きもあります。
また、人はタンパク質を取ると小腸から満腹感を感じやすくしてくれるコレシストキニン(CKK)というホルモンが分泌され、食べすぎを防げるということが分かっています。
低タンパク質高炭水化物のお菓子などは、沢山食べないとタンパク質欲が満たされないため、沢山食べてしまい、肥満の原因になりますが、充分な量の肉などを先に食べると、タンパク質に満たされ食欲がなくなっていくことがわかっています。
つまり、食欲とはタンパク質欲なのだという考え方に基づき、タンパク質を先に一定量以上摂取することで食欲を抑えるダイエットがタンパク質ダイエットです。
タンパク質ダイエットのやり方
必ずタンパク質を先に定量摂取する
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、30歳~49歳の男女の場合、1日に摂取するエネルギーのうち炭水化物は50~65%、脂質は20~30%、そしてタンパク質は13~20%の割合で摂るのが望ましいとされています。
このタンパク質はなるべく食品から取るようにし、食品ごとのエネルギー値に占めるタンパク質量を把握しておきましょう。
人間のエネルギー源として使われる順番は①炭水化物(糖質)、②脂質、③タンパク質なので、タンパク質を多めにとることで、脂肪を効率よく燃焼できる身体が手に入ります。
適度な運動を取り入れる
適度な運動をしながら十分なたんぱく質をとることで、筋肉量の維持や増加を期待でき、筋肉が増えることで基礎代謝も上がりますし、脂肪の燃焼率も増加するので、タンパク質ダイエットに適度な運動は欠かせません。
加工食品を避ける
タンパク質が少ないと食べ物の製造原価が安くなるので、総じて加工食品は低タンパク質であることが多くなります。
さらに製造の過程でデンプンや糖に分解され食物繊維が取り除かれていしまい、その結果血糖値の急な上昇がおこり、それが脂肪の蓄積へと繋がり、肥満になってしまいます。
タンパク質のほとんど含まれない脂肪と炭水化物のみの食事、つまりジャンクフードを減らすだけで、タンパク質の比率は高まり、結果タンパク質欲が満たされ、それ以上食べるのを抑えることができるのです。
タンパク質ダイエットにはメリットとデメリットがある
タンパク質ダイエットのメリット
食欲が抑えられ痩せることができる
タンパク質ダイエットは、食欲はタンパク質欲であると言う考え方に基づき、タンパク質を先に食べ、無駄な食欲を抑えるダイエットです。必要のない糖質などを過度に取るリスクが減り、血糖値の急な上昇も抑えられるため、自然に痩せることができます。
筋肉量を増やすことができる
また、タンパク質は筋肉の源ですから、無駄なくタンパク質を摂取することで、筋肉量の維持や増加を期待できます。
タンパク質ダイエットのデメリット
便秘になる・腸内環境の悪化
タンパク質ダイエットのデメリットの一つは便秘になることです。
タンパク質で満腹になってしまうと、圧倒的に食物繊維が不足してしまい、便秘になったり、腸内環境が悪化してしまいます。
便秘回避の対策は?
便秘回避の対策として、積極的に食物繊維をとることが大切です。
高たんぱく低炭水化物食は寿命が短い
タンパク質比率の高い食事をすれば、食欲を抑えることはできます。しかし、タンパク質を取りすぎるのは実は体には良くはありません。
タンパク質が体に良いというわけではなく、高タンパク質食をとることによって総摂取カロリーを抑えられるという事だけなのです。
マウスを使った研究では、寿命か最も長かったのは、低タンパク質、高炭水化物の餌を食べたマウスであり、繁殖については高タンパク質、低炭水化物マウスの方が有利だったという研究結果が出ています。
小太りと長生きのジレンマ
低タンパク質高炭水化物マウスは寿命が長かったのですが、難点として、太っていました。
人間もぽっちゃりの方が長生きするという研究結果があり、太りたくない、でも長生きしたい・・・という、この小太りと長生きのジレンマを感じずにはいられません。
上手くタンパク質と付き合う方法!
目標体重迄は高たんぱく低炭水化物食
高タンパク質低炭水化物食が痩せやすいというのは間違いないので、ダイエットをしたい人は、このタンパク質ダイエットを取り入れてもよいかもしれません。
ダイエット効率を上げる為にも、必ず適度な運動を心がけ、便秘や腸内環境悪化のリスク回避の為、積極的に食物繊維を取るように心掛けましょう。
食物繊維を先に食べると、満腹感を感じるためのタイムラグを保て、急激に血糖値をあげるのを抑えてくれます。
食物繊維が胃でふくらむことで、食物の消化速度を遅らせ腸内微生物のえさになり、空腹感を抑えてくれるのです。
目標体重到達後は少しづつタンパク質を減らす
高タンパク質低炭水化物の生活はあまりにも長く続けてしまうと、寿命が短くなるという研究結果があることから、長期にタンパク質に偏った食事を続けるべきではありません。
理想の体重まで痩せることができたら、徐々にタンパク質量を必要十分量まで戻し、食物繊維を充分に含んだ未加工の食品を積極的に摂取するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
食欲が実はタンパク質欲であること、十分なたんぱく質を摂取することで無駄なエネルギー摂取を控えることができ、痩せれるという、タンパク質ダイエットのメカニズムが御理解いただけたかと思います。
しかし同時に高たんぱく低炭水化物食は腸内環境を悪化させたり、寿命が縮んでしまうこともわかっています。
上手にタンパク質と付き合うには、目標体重まで比較的高たんぱく低炭水化物の生活をし、理想の体重になれたら、徐々に、タンパク質量を多すぎない正常な量まで戻すようにしましょう。