ポケットモンスターココを見に行った感想
我が家には中1(13歳)の娘と小1(7歳)の息子がいるのですが、前回娘と二人で鬼滅の刃無限列車編を見に行った際、PG12(12歳以上推奨映画)と言うこともあり、息子は置いて行ったので、今回本人の希望もあり、劇場版ポケットモンスターココを二人で見に行きました。
前回鬼滅の刃を見に行った後、怖がりの7歳の息子を連れて行かなくて本当に良かったな、と思ったように、今回は息子と見に来る映画をこっちにして大正解だったなと思いました。
我が家の息子はとても怖がり
うちの息子はとても怖がりで鬼滅の刃は学校で流行っているので話題にはついていきたいようなのですが、残虐なシーンは見たくないらしく姉が動画配信で見ていても、後ろからのぞきながら部分的に見たり見なかったりします。
また4歳の頃、夫とトーマスの映画を見に行った際、夫には何が怖いのかわからなかったそうなのですが、怖いと言って映画館を途中で出てしまったこともあります。
ポケットモンスターココは息子でも全く怖く無かったらしい
そんな息子ですが、劇場版ポケットモンスターココは本当に楽しく感動しながらみることができたようです。
ポケットモンスターココは父親と見に行くことがお勧め
父性愛と子供の自立を描いた作品
今回のポケモン映画は親子、特に父親と息子で見るのに最適な映画であったように思います。私自身、曜日がレディースデーだったから私が連れて行こう、とストーリーも確認せず気楽に連れて行ったのですが、後から、しまったコレは父親に譲ってあげるべき映画だった!と軽く後悔したくらいです。
父息子の関係性にもよりますが、いつも二人でポケモンGOにいっている我が家の夫と息子ですから、この父性愛に満ちたストーリーを息子と一緒に見に行けたら、夫はとても感動したのではないかな?と思いました。
大人もターゲットに入れた映画
この劇場版ポケットモンスターココは大人も十分にターゲットに入れた映画だと思います。個人的には大人も楽しめる子供映画として、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を思い出しました。
特に息子とポケモンGOをする親子は多いですから、そういった大人にはとても刺さる内容だったのではないでしょうか。以下私なりの感想と考察になります。
大まかなストーリー(ネタバレ注意!)
だいたいのストーリーは、とある事件に巻き込まれた人間の夫婦が赤ちゃんを安全なカプセルに入れて逃がし、それをザルード(ポケモン)が拾うところから始まります。
ポケモンに育てられた為、自分をポケモンだと信じる少年ココが人間であるサトシと出逢った事で「自分は何者なのか」と葛藤し、ココの育ての父であるザルードが「育ての親は本当の親なのか?」「ココは自分が人間である事に気付くのだろうか?」と葛藤し、共に悩み、共に成長していく話です。
親子とは何か?血の繋がりは必要なのか?といったテーマに深く斬り込んでいて、随所に環境破壊や自然保護といった現代的な大人向けのテーマも織り交ぜつつ、出てくる悪役はとてもわかりやすい悪人ぶりで、一見敵側だったように見えた大人の殆どは善人で、最後はハッピーエンドという、親も楽しめ、安心して子供にも見せることができるという大変バランスの良い映画でした。
今までのポケモン映画との違い
また一方で、特徴としてポケモン映画らしくないところが随所にみられる作品でした。近年のポケモン映画で描かれたような、ポケモンと出会い成長し進化する中でトレーナーとの絆や葛藤を経てお互いに成長する話とは異なり、大人のポケモンと(トレーナーではない)子供の人間という異例の組み合わせで、血の繋がりもモンスターボールを介した指示関係も強制力もない、お互いを思いやる心の繋がりだけで支え合い尊重しあっていくストーリーが新鮮でした。
父ちゃんザルードがたった一人仲間の群れを離れてでも大切に愛情をもって子供を育てていく姿は、自己犠牲を払いながらも子供を愛していく私たち大人の姿と重なるところがあり、そうやって真の愛情を注いだからこそココはザルードの子供になれたんだと感じられる描写が数多くありました。
最後クライマックスを経て血のつながりが無くとも本当の親子であると互いに認めあうところは子供向けアニメといえども本当に感動的でした。
最後に・・・
子供が親から独り立ちして別れていく部分が最後に描かれていて、父ちゃんザルードが子の成長を驚き、そして喜び、旅立ちを祝し、あの息子なら独り立ちしても大丈夫だ、俺達の結びつきはいつも一緒じゃなくてももう大丈夫だと確信していく過程が、信頼を軸に子離れしていく親の姿が描かれていて全ての親の心に響くシーンだったと思います。
もちろん、こうした育てられる側の成長に伴い、育てる側も成長するというストーリーは、今までアニメポケットモンスターで繰り返し描かれてきたテーマでありますが、今までのポケモンと人間の育てる側育てられる側をひっくり返した本作は、より新しく画期的な取り組みであり、ポケモン映画の新しい一面に切り込めた素晴らしい作品だと感じました。