食事は一日三回も要らないという説
オートファジーという概念
最近話題の本、「空腹こそ最強のクスリ」の著者、医学博士の青木厚氏は、1日1回、それが無理なら週1回、ひと月に1回でもよいので、意識して飢餓状態になってみる、半日断食というものを推奨されています。
空腹の時間を作ると、内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がっていきます。10時間ほど物を食べないと肝臓に蓄えられた糖がなくなり、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、そのまま空腹が16時間を超えると、体に備わっているオートファジーという仕組みが働くようになります。
このオートファジーは、細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられるプロセスを言います。古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ老化の進行を食い止めることができるので、近年このオートファジーが注目されてきているのです。
オートファジーに加え、人間の身体は飢餓状態になると全身の細胞がブドウ糖代謝からケトン体代謝に切り替わるという性質があります。全身の細胞がケトン体代謝になると、抗酸化作用やDNA修復作用も上昇してくると言われていて、プチ断食をすることでこの二つの恩恵を受けることが近年の研究でわかってきました。
一日三食じゃないと太る?痩せる?体に悪い?
私達は子供の頃からキチンと三食食べなさいとか、三食食べないと逆に太るとか体に悪いとか言われて育ちました。しかし最新の医学研究によると一日三食説にはそもそもの根拠がないようです。
もともと日本人は江戸時代まで一日二食でしたし、もっと昔の農耕が始まる以前は狩猟生活をしていたわけですし、人類が一日三食を食べだしたのは本当にごく最近になってからの話なのです。
私はこのオートファジー説に感銘を受け、自分で実践すべく、痩せる目的では無いのですが、アンチエイジング目的で16時間ダイエットを継続しています。以前はじめてすぐの頃にブログを書いたのでスタート時の状況は下記の記事に書いています。
オートファジーを意識して空腹生活を半年続けた結果
その後私はこの生活を半年ほど続けているのですが、恐らく元の生活に戻ることは無いような気がします。純粋にいまの方が体調がよく、なんの不便も感じていないからです。
正確に言うと空腹時間を12時間から16時間に設定しており、外泊時に朝食付きの時など仕方がない時は12時間くらいで食べることもあるという、キツ過ぎないルールにしています。また食べる量やおやつ、デザートなどは全く気にしておらず、運動も特別していませんし、ハッキリ言ってダイエットはあまり意識せず、本当にこれで健康になるのか?という健康調査の概念で続けています。
体重の変化は?
初めて直ぐの体重を落としたかった頃は食べる量も糖質やカロリーも意識していたので、1か月ほどでするすると2キロほど体重が落ちました。もともと太っていたわけではない為、その後は食べる量や糖質、カロリーなどは全く意識せずに時間も16時間ではなく12から16時間というゆるい縛りに変更したところ、残り5か月で気づけば1キロほど減っていたという程度です。
このことから、空腹時を12時間から16時間にする一日二食生活は、いわゆる適正体重の人が痩せすぎてしまうことは無いのではないかな?と思います。ここ5か月間私は全くダイエットはしておらず、むしろ普通に毎食デザートは食べるし、おやつもチョコチョコ食べています。ですからこの調子で三食食べたら間違いなく太るでしょう。この生活はまさに適正な状態なのだと思います。
体調の変化は?
体調の変化はとても良い物ばかりです。朝はスッキリと目が覚めますし、ダラダラと過ごすことが減りました。
また、三食食べていた時によくおこっていた便秘も全くと言っていいほど無くなりました。食べる回数が減って便通がよくなるなんて初めはとても不思議でしたが、空腹の時間にしっかりと腸が休むことができた結果なのだろうと今は理解しています。
ホテルに泊まってモーニングブッフェを食べた時
この半年の間に一回だけホテルに宿泊する機会があったのですが、ホテル泊でいつも楽しみな朝食ブッフェが、楽しいどころか、調子を崩すきっかけになったのには驚きました。
朝は休むことに慣れていたお腹に急に食べ物を沢山いれたので体がビックリしたのでしょう。2泊したのですが、次の日は前日の反省を踏まえて夕食を早めに極力控えめにして挑んだところ、おなかが痛くなることは無かったので、生活リズムが変わる日は予め調整することの重要さを感じました。
一日一食でもいけるのではないか?と思いだした。
一日二食生活をしていると初めの頃は空腹を感じて辛かったのですが、慣れてくると逆に朝お腹に何か入れることの方が辛くなってきました。血糖値の急上昇が無い生活に快適性を覚えてくると、段々と二食のうちの一食は、糖質を控えめにとったり、GI値を気にして生活をするようになってきました。そうしていくうちに絶対無理だと思っていた一日一食生活も出来ないことは無いんじゃないかな?と思えるようになってきました。
想像ですが、一日一食にすると恐らく今より体重が落ちて行くでしょう。そして三食から二食にした時の様に、ある程度まで落ちたらその時点で止まるのではないでしょうか?
一日一食で生活している芸能人
世の中には一日一食で生活している人は沢山います。特に芸能人などに多いような気がするのですが、彼らの特徴は太っていないだけではなく、肌艶もとても綺麗で若々しく見えることです。私は今は痩せたいという願望が無いので一日一食にすることは無いですが、芸能人の様にスリムになりたかったら一日一食ぐらいにするのがベストなのかもしれません。
【一日一食生活の芸能人】
- GACKT
- 中田敦彦(オリラジ)
- ビートたけし
- タモリ
- 水谷豊
- 福山雅治
- 高橋一生
- 西川貴教
- 京本政樹
- ダレノガレ明美
- 梨花
- ピンクレディー未唯
食事を三食食べないメリットとデメリット
メリット
時間的余裕・用意をしなくてよい、食事時間、片付け時間もない
結構これは大きなメリットだと思います。私は今は小さな子供がいるので子供たちのために三食作りますが(妊婦や子供の様に体が作られているときは三食栄養を摂ることが推奨されているので)、しかし、一人暮らしや子供がいない家庭の場合、食事の回数を減らすことで無駄な生活のタスクを減らすことができるので、子供が巣立った時は少なくとも二食から一食生活にしようと今から計画中です。
食事代がかからない・出費が減る
食事の回数が減ると当然ですが食費が減ります。貴方が生活費に困っていない人ならばこの浮いたお金を食の品質向上へあてるのがよいでしょう。今まで高いと思っていた有機野菜やオーガニックフードを食の回数が減って浮いたお金で購入していくのです。そうすることでトータルにあなたの食生活は改善していくでしょう。
目覚めがよくなって集中力が増した
お腹が空いていたら集中力が下がりそうな気がしますが、実は逆で、人は空腹の方が集中力が増すそうです。よく考えたらわかるのですが、狩猟時代など、空腹時に集中して狩りをしなければ食べ物にありつけないわけですから、動物の本能として当然と言えば当然です。
肌の調子が良いのはデトックス効果?
胃腸を休ませることでデトックス効果がおこり、順次に毒素が体外に出やすくなると言われています。そのおかげでニキビなどの吹き出物が減り、お肌の調子がよくなるのを感じるようになります。
腸を休めたから?便通がよくなった
これもデトックスに通じるのかもしれませんが、上で述べたように、私は空腹時を増やし胃腸を休ませたことで慢性だった便秘が治り、便通がとても良くなりました。
デメリット
ランチや食事会に誘われた時の調節が面倒
先ほど話したホテルの朝食の様に、いつものリズムとは関係なく食事をとらなければならない時があります。朝は比較的コントロールしやすいですが、昼や夜を抜いている人は、友人や仕事先などといっしょのランチ会や夕食会に出席するたびに、前の食事の時間をずらすなど細かなリスケジュールが必要となる為、結構面倒です。
育ち盛りの子供と合わせるのが面倒
また私の様に育ち盛りの子供がいる人などは、子供のためにどうせ三食作らなければならない為、自分だけ二食にしたり一食にしたりのコントロールが面倒になってきます。
まとめ
半年間16時間空腹生活(一日二食生活)をした感想として、困ったことは何一つないというのが結果でした。私の場合は朝食を抜いて朝はブラックコーヒーとたまにナッツをつまむくらいの生活ですが、普通に朝からしっかり食べていた頃より体調が良いのを感じます。
朝に胃腸を休ませて飢餓状態を作りケトジェニック(ケトン体を肝臓で作り出して、脳などのエネルギー源として働かせる状態)を作る点において、以前挑戦したバターコーヒーダイエットは、この16時間ダイエットと同じ理論から成るのかな?と考えています。
16時間ダイエットも完全無欠コーヒー(バターコーヒー)ダイエットも、結局は胃腸を働かせすぎない、血糖値をなるべく上げないことに注目したダイエット方法となっており、結局のところ健康とアンチエイジングのために大切なのは、空腹と血糖値を意識して生活していくことなのだと感じました。