中学受験の志望校ってどうやって決めるの?
今日は久しぶりに中学受験ネタです。私が娘の志望校を決める時にどのように受験校を決めていったかの手順について語ろうと思います。
簡単に言うと、校風でおおよその受験校を決め、ざっと共学か男女校かに分け、偏差値順に並べ、その学校のデータを入口偏差値と出口偏差値で比較し、難関国公立大学の現役合格率で比較するというやり方です。詳しい解説は以下になります。
因みにこれは私の勝手なやり方であり、あくまで暇つぶしの参考程度に、こんな人もいるんだなぁと見ていただけたら幸いです。
4つの手順で学校をあげていき順に決めていく
①子供の性格に合う学校をイメージしてまず絞っていく
まず初めに、私が一番大切だと思うことは、学校の校風とその子の性格があっているか否かだと思います。当たり前と言えば当たり前なのですが、伝統校だからとか校舎が綺麗だからとか家から近いからとか進学実績が良いからとか、そこだけを見て学校を決めてしまう親御さんがいらっしゃいますが、絶対的に大切なのはその子が学生生活をエンジョイできるかどうかです!ぶっちゃけ大学なんてものは大検受けてだってチャレンジできるのです!
校風が自分に合わず中高時代が暗黒の学生生活だったなんて、人生に暗い影を落としかねません。まず初めに偏差値を見ずに学校を選んでみて下さい。その時の自分の偏差値に対してレベルが高すぎる学校でも大丈夫です。遠慮せずにイメージしてみましょう。
そして以前もブログ記事で書きましたが、気になる学校はなるべく小4までに文化祭見学などに足を運ぶことをお勧めします。
②男女校・共学、エスカレーター校に分け偏差値順に並べる
次に、男女校と共学校、エスカレーター校に分けて偏差値順に並べて見ます。我が家はエスカレーター校を除外したので、今回の検討方式にはあてはめませんが、エスカレーター校を絞る時は大学エスカレーター率や他大学現役受験合格率、小学校や高校での入学人数などを考慮して数値化していく必要性が出てくるかと思います。
姉の時は共学校と女子校を絞っていったのですが、今回はまだ小2なので検討は早いですが、以下、息子のために男子校と共学校で見ていきたいと思います。
③同じ塾の偏差値表6年前と現在のものを比較する
我が家はSAPIXだったので見慣れていますので、今回は参考にSAPIXの2022年受験生用の偏差値表と、2016年受験生用の偏差値表をネットから拾ってきました。また、ここに無い数値は別途調べました。
例えば、6年前2016年受験生用の2015年のデータを使った偏差値表(男子)は上位がこんな感じです。
そして、これはリセマムのデータから取ってきた2022年受験生用の2021年のデータからみたSAPIX男子偏差値表です。
ここで偏差値の動きを幾つかピックアップしてみていきましょう。試験が何回かに別れる学校は最も募集人数の多いメイン日をピックアップしました。
男子校の6年間後SAPIX偏差値
- 筑駒 70→70
- 開成 66→67
- 聖光1次 63→64
- 栄光 61→62
- 麻布 60→62
- 武蔵 55→60
- 駒東 61→58
- 攻玉社1回 46→50
個人的にこのデータを見て興味深いなと思ったのが、麻布と武蔵、特に武蔵の返り咲きっぷりではないでしょうか?6年前は御三家の一つというにはあまりに残念な偏差値だった武蔵が見事に返り咲いた感じです。私の勝手な想像ですが、現在の受験生の親御さんにとって武蔵はやっぱり御三家!息子が手が届きそうだったら受けさせてみたい!となったのかもしれません。優秀なお父さんの母校を受けた息子さんもいらっしゃるでしょう。何はともあれ伝統校の強さを感じます。
共学の6年後SAPIX偏差値
- 渋幕1次 62→64
- 筑附 61→62
- 渋渋1次 55→58
- 市川1次 52→56
- 広尾2/1午前 47→56
共学の偏差値の動きを見て誰もが感じるのは、共学は難易度の上昇がハンパないということではないでしょうか?地方の進学校は共学化が進んでいるところも多いですが、都心の進学校はまだまだ男女別学が目立ちます。その為、共学にこだわると行ける学校が限られてしまうのです。
④その年の卒業生の国公立上位校の現役合格率を見る
次に、各学校の卒業生数に対する現役難関国公立大学の合格者数の比率を見ていきましょう。ここでチェックすべき重要なポイントは以下の三つです。
①合格人数ではなく卒業生数に対するパーセンテージ(割合)で見ること
②既卒の合格は学校の力とは言い切れないので、現役合格率だけを見ること
③私立大学と外国大学は一人で複数合格できるので国公立大学だけを見ること
私は当時、この選別方法で表を作り、データをまとめて娘と話し合いながら受験校を決めました。データをとった大学は東大・京大・東工大・一橋・国公立医学部(合格重複を避ける為、防衛医大を除く)の現役合格人数です。これらの学校の卒業生数に対する現役合格率を見ていくことで、入口偏差値と出口偏差値の推移を想定することができます。6年前の中学受験生は最新の現役大学合格生です。この割合で上記の学校をいくつかピックアップして見て見ましょう。以下、学校名の右の数字は6年前の偏差値です。
- 筑駒(70) 83人/161人≒51.6%
- 開成(66) 145人/390人≒37.2%
- 麻布(60) 78人/302人≒25.8%
- 武蔵(55) 44人/170人≒25.9%
- 攻玉社(46) 32人/239人≒13.4%
こうすると、ざっと見て、子供の偏差値を持ち偏差値以上に伸ばしてくれる学校がわかるかと思います。皆さん気づきましたか?この計算方法で求めると、入学時サピックス偏差値が5も低いのに卒業時には武蔵が麻布を抜いています!これは武蔵が伸びるはずですね・・・御三家だから伸びているのではなく実績を出してるから伸びてきているのでしょう、失礼しました。まさに質実剛健!派手さは無いけどしっかりした学校なんですね。
同じように共学校を見ていきましょう。筑附は小学校入学組がいるので今回は省きます。小学校入学者が多い学校は、偏差値で比較しにくいので別途比較する必要性が出てきます。
- 渋幕(62) 112人/367人≒30.5%
- 渋渋(55) 46人/208人≒22.1%
- 市川(52) 56人/452人≒12.4%
- 広尾(47) 17人/320人≒5.3%
現在の偏差値が市川と広尾が同じくらいですが、6年前偏差値の違いからか?広尾はイマイチな結果と言わざるをえません。男子校ですが、攻玉社などは6年前偏差値も広尾より下ですが。結果はかなり高い数値をたたき出しています。女子に比べ精神年齢低めの?男子は、中学受験時の偏差値より大学受験時は後伸びしやすいそうですが、攻玉社や武蔵は生徒の偏差値を伸ばせる学校とみて間違いが無いでしょう。また、共学のハンデを考えても渋谷系は入口偏差値に甘んじない良い数字を出していると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?どの学校が子供にあっているんだろう?その学校は校風はあっていても子供の学力を伸ばしてくれるのかしら?中学受験の志望校を選ぶ際はそのようにいろいろな点が気になってきます。
最近は受験校も宣伝が上手な学校が多く、雰囲気で流される親御さんも少なくありません。校風が合うか否かはまず一番大切ですが、校風でリストアップした後は、上記のように数値化し、卒業生の偏差値を真に伸ばしてくれた学校を調べてみましょう。口先だけでなく本当に結果を出した学校を洗い出すのです。
今回は男子でチェックしましたが、同じように女子も気になる学校をリストアップして調べてみて下さい。穴場の学校が見えてきて面白いですよ。