完全栄養食である玄米から作られる酵素玄米
もともと完全栄養食である玄米
先日、玄米と発芽玄米と胚芽米についてのブログを書きました。今日は玄米を使って作る、酵素玄米について話をしていきたいと思います。
ご存じのように酵素玄米を作るもととなる、玄米は、精米していないお米の事です。お米には、米ヌカの部分(表皮・胚芽)に約95%の栄養分が含まれています。白米だけを食べている人は、みすみす95%の栄養を捨てていることになるわけです。
白米と比べて注目すべき点は、「玄米は生きている」という事実でしょう。白米は水に浸けたり、まいたりしても腐るだけですが、玄米を水に浸すと発芽するのです。
玄米には、カルシウムに食物繊維、微量ミネナルなどさまざまな栄養バランスが含まれています。炭水化物やたんぱく質は白米とそう変わりませんが、血液をつくるのに必要なビタミンB群や鉄などは、白米に比べ豊富に含まれているのです。これが玄米が完全栄養食品と言われるゆえんですね。
酵素玄米とは?玄米との違い
そんな玄米を使って作られるのが今回ご紹介する酵素玄米です。酵素玄米とは寝かせ玄米や発酵玄米と同義で、玄米に塩と小豆を入れて炊いてから、炊飯器で70℃前後を保ったまま3日間寝かせて作ったものを言います。
有名な長岡式酵素玄米が始まりとされ、食感がもちもちとして赤飯に似た美味しさが特徴です。普通の玄米は粘り気が少ないため、パサパサした食感や糠の匂いがしますが、酵素玄米は全く違います。
そしてこうして発酵させて作ることでただでさえ素晴らしい玄米の栄養価がより一層パワーアップし、美味しさまで増すのが酵素玄米の素晴らしいところです。
酵素玄米の作り方
炊飯器や土鍋、圧力鍋で酵素玄米を作ってみよう
酵素玄米は作るのに少しばかり手間がかかります。以下作り方を解説しましょう。私も以前チャレンジしましたが、時間はかかりますが問題なく着くれました。酵素玄米は作るとわかるのですが、ビックリするほど見た目がお赤飯で、味がもちもちしています。
材料
玄米…600g(4合)
小豆…50g
天日塩…3g
水…1000cc(白米専用の炊飯器で炊く場合は、 プラス50cc)
炊飯器
- ボールに水600cc、天然塩、洗った玄米を入れ、泡だて器で3分程かき回します。玄米の表面に細かな傷ができ、柔らかくおいしくなります。
- かき回したら、水は捨てずに、そのまま炊飯器の内釜に移し、残りの水400ccを加えます。 そのまま6時間以上浸漬させてください。
- 次に炊飯器で炊きます。(玄米コースがあれば、セットしましょう)
- 炊き上がったら、15分ほど蒸らし、しゃもじで上下を返すように混ぜてください。土鍋、圧力鍋などは、ここで保温ジャーに移してください。
- 3日保温し続けたらできあがりです。保温したまま、10日間を目安に食べきりましょう。保温中は、必ず1日1回かき混ぜてください。
このように、少し手間暇はかかりますが、作るのが難しいものではありません。興味のある方は是非一度作ってみて下さい。
酵素玄米が炊ける炊飯器
因みに少し高価ですが専用の炊飯器もあります。生活に酵素玄米を取り入れたい人は思い切って購入してしまうのがよいかもしれません。
Labo炊飯器
ふじ酵素玄米キッチン
酵素玄米のメリットとデメリット
酵素玄米(発酵玄米)のメリット
酵素玄米は白米は勿論、玄米と比較しても栄養価が高く、食べ続けることで得られる効果が複数あります。ここでは、酵素玄米が持つメリットを紹介していきましょう。
アンチエイジング&美肌効果
玄米にはビタミンEが、小豆にはその働きを助けるビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンEとビタミンB群を同時に摂取できるので、抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待できます。またメライノジンにも抗酸化作用があるので、相乗効果があるといえます。食物繊維がお腹の調子を整えることも、美肌作りに一役かってくれるでしょう。
血糖値の上昇を抑えるダイエット効果
酵素玄米には醤油や味噌の色素成分であるメラノイジンと、食物繊維が豊富に含まれています。このどちらの栄養成分も、食後に血糖値が急上昇するのを抑制する効果があります。血糖値が上がると分泌されるインスリンには脂肪をため込む働きがあるので、血糖値の上昇抑制はダイエット効果にもつながります。
代謝を促進し、浮腫みをとる効果
酵素玄米に含まれるヌカは、酵素を生成する働きを持っています。酵素玄米は炊き上げてから3日保温しますが、その間に酵素が活性化され、新陳代謝が活発になり、その結果として体内の老廃物が排出されます。また食物繊維も豊富なのでお腹の調子を整えてくれ、便秘解消にもつながり、デトックス効果が期待できます。酵素や食物繊維は不足しがちなので、発酵玄米で効率よく摂取しましょう。酵素玄米には小豆が含まれていますが、小豆はむくみに効く、カリウムが豊富なことで知られる食材です。そのため酵素玄米を食べると、むくみの解消や予防の効果が期待できます。
酵素玄米のデメリット
ビタミンB群や食物繊維などが含まれている酵素玄米は、不足しがちなビタミンB群などの栄養成分を効率よく摂取できる優れものです。一方で酵素玄米を食べることには、少なからずデメリットもあります。ここでは、酵素玄米のデメリットを紹介します。
作っている間は炊飯器が使えない
酵素玄米は炊いてから3日、炊飯器で保温状態を保たなければなりません。そのため、酵素玄米が出来上がるまでの間は炊飯器を使えなくなります。また出来上がった酵素玄米も、保温状態で保存する必要があります。お腹の調子を整えるために酵素玄米を毎日食べたいなら3日分をあらかじめ炊き、冷凍保存するなどしておく必要があるでしょう。
因みに酵素玄米は電子レンジで解凍すると酵素を破壊すると言われているのでオススメの解凍方法は湯煎や炊飯器を使う方法です。炊飯器で解凍させるには食べる2~3時間前に保温モードにした炊飯器に入れるとちょうど良いです。凍ったままの酵素玄米を蒸し器に入れても美味しく解凍して食べることができます。
雑菌が繁殖しやすく食中毒の危険がある
発酵玄米は炊飯器を保温状態で保存するので、70℃程度に温度が保たれています。70℃ほどを保つと雑菌は繁殖しにくいとされてはいるものの、自宅で無菌状態にすることはできません。そのため賞味期限内であっても雑菌が繁殖し、食中毒を起こすリスクはゼロではないのです。不安な場合は炊き上げた発酵玄米を小分けにし、いち早く冷凍保存することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?今日は少し作るのに手間はかかりますが、完全栄養食である玄米よりも更に栄養価がパワーアップした、酵素玄米について話をしてみました。
酵素玄米は栄養価が高いだけでなく、食べにくい玄米を食べやすく美味しくしてくれる魔法の食べ方です。作るのに手間暇がかかるというのが最大の欠点で、健康重視のスローライフを送っている人には最もお勧めのお米の食べ方と言えます。
今はビーガンのレストランで酵素玄米を出しているところや、レトルトの状態で販売しているものなどもあります。
万田発酵寝かせ玄米
発芽玄米の酵素玄米
まず初めに酵素玄米を試しに食べてみたい方はレストランで食べて見たり、このようなレトルトのものからチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
これらのレトルトは気軽に食べれますし、保存もきくので、酵素玄米ライフを試しにやってみたいという人にお勧めの商品になります。
完全栄養食である玄米の、究極にパワーアップした食べ方が酵素玄米です。作るのには手間暇かかるものですが、是非一度試しに食べてみることをお勧めします。