日本では金賞だらけ?モンドセレクションって何?
今日はお土産探しをしているときに、巷にあふれかえるモンドセレクションについていろいろ気になって調べたので、まとめて記事にしていきたいと思います。
皆さんも一度は目にしたことがあるであろうモンドセレクションとは、ベルギーのブリュッセルに本部を置く国際的な品評機関のことです。
世界各地にある優れた市販商品の品質向上を目的として、 1961年にベルギー王国経済省と欧州共同体が共同で創設しました。
日本では「食のオリンピック」「食のノーベル賞」に例えられるように、 商品の品質に関するコンクールとして最も歴史のあるものだと言われています。
しかし、受賞商品が日本国内に山のようにあるので、そもそも意味のある賞なのか?という疑問がわいてくるというのが消費者の本音ではないでしょうか?
モンドセレクションの評価方法は?
モンドセレクションは80名の専門審査員による”絶対点数”で決定されています。
絶対点数とは、あらかじめ設定された評価基準に沿って点数をつける手法で、他の商品と比較しながら決める相対評価とは違い、比較的公平な評価と言えるでしょう。
モンドセレクションはそうやって、味覚、衛生面、成分表の正確さなどをそれぞれ加算して総合得点で判断します。
モンドセレクションはそもそも落選するのか?
落選することはあるが確率は低い
モンドセレクションは実は落選することもあります。
多い落選理由としては「原材料、味、香りが良くなかった」や「成分表が正しくなかった」などがあげられます。
モンドセレクションを申請する際に、代行サービスを使わずに直接申し込むと、英語での書類提出が求められますが、その際に申請書類に不備、空欄、間違い、誤字脱字などがあれば、当然ですが受賞が難しくなります。
モンドセレクション公認エージェント(申請代行業者)は、点数を獲得するための独自のノウハウも持っているので、自社独自で申請するよりも、公認の申請代行に依頼するのが確実だと言えるでしょう。
日本の受賞率はとても高い
モンドセレクションは1100ユーロ払って、書類を過不足なくそろえて出品すれば9割以上が何らかの賞をもらえ、金賞と最高金賞が6割を占める賞です。
しかもほとんどが日本からの出品だというモンドセレクション、2008年の日経MJによると、審査対象品の5割が日本からの出品であり、うち8割が入賞しているそうです。
最も数が少ない銅賞は1割程度だそうで、実は落選や銅賞の方がレアなわけです。
結局モンドセレクションはお金で買えるのか?
答えはNO!審査は意外としっかりしている
上記でも述べたように、審査は80人の審査員によって公正に行われ、評価も基準が細かく規定されており、審査書類もしっかりと書かなければ受け付けてもらえません。
お金で買えるという表現はお金を払いさえすれば賞が貰える、という意味になるので、正しくないと言えるでしょう。
例えば、普通自動車免許は殆どの人が取ろうとすれば取れますが、キチンと公正な試験に合格しなければとれませんよね?間違ってもお金を払ったら取れるということはありません。
これと同じように、モンドセレクションも決してお金で買える賞では無いのです。
純粋に日本の製品の質が高いから?
日本中がモンドセレクション金賞であふれているのは、日本でモンドセレクションが有名なので、出品する人も多く、何より純粋に、日本の製品が優れているからというのもあるのではないかと思います。
外国に住んだことがある人ならわかると思うのですが、日本の食べ物はハッキリ言ってコンビニスウィーツですら出来過ぎなレベルです。
勿論モンドセレクションは食べ物以外にも多岐にわたる賞ですが、日本製品のあらゆるものの品質が高いのは紛れもない事実でしょう。
何故日本でモンドセレクションが人気なのか?
質が良ければ賞が取れるから
日本でモンドセレクションが人気な理由は、ズバリ、絶対評価なので、良いものは良いと評価してもらえるからです。
簡単に言えば質が高ければ賞が取れるので、質の高いモノづくりが得意な日本人向きの賞と言えるのです。
エントリー費用が比較的安いから
そして二つ目の理由が、比較的エントリー費用が安いからだと言われています。
資料作成をエージェントに頼めばもっとお金はかかるでしょうが、自分で英語の資料を作って提出しさえすれば、そもそものエントリー費用は1100ユーロですみます。
80人の審査員に評価してもらう国際品評機関だと考えたら、お手ごろなエントリー費用だということがわかるでしょう。
日本人が外国の権威に弱いから
これは私の憶測にすぎませんが、日本人は外国人の評価、特に欧米の評価に弱いところがあると思います。
ヨーロッパの権威ある品評機関に評価されるということは、何だかとてもすごいことのように感じてしまうのでしょう。
まとめ
モンドセレクションは世の中に出たての頃はなんだか凄い賞の様な気がしていましたが、だんだん日本からのエントリーと授賞商品の数が増えていくにつれて、意味の無い賞なんじゃないかなぁという憶測がされてきました。
しかし、絶対評価であるモンドセレクションの金賞の数が多いのは、純粋に日本の商品の品質が高いことの裏付けでもあり、決してお金を払えば賞がいただけるというわけでは無いのです。
実際落選する物もあるそうですし、落選した人はわざわざ落選しましたと言わないので目立たないのでしょう。
真面目な日本の企業が自社の中でも特に自信のある商品を、大抵の場合はキチンとしたエージェントを通して、最善の準備をして出品し、それでも落ちる人がいるということからも、誰でも取れる賞というわけでは無いと考えられます。
日本で乱発しているモンドセレクション金賞ですが、金賞だらけと揶揄せずに、私たち日本人は高品質なものに囲まれて幸せだなぁとプラスにとらえていれば幸せじゃないかな、と思う今日この頃です。