を大豆ミートの波が日本にもやってくる?
貴方は大豆ミートの食品を何か口にしたことはありますか?
数年前から少しづつ日本でも販売されだした大豆ミート(大豆肉)ですが、今日はその大豆ミートと、大豆ミートの加工工程について話をしていきたいと思います。
欧米で急速に浸透している大豆ミート
地球温暖化、人口爆発、それらの問題に向き合うべく欧米では急速に大豆ミートやオーツミルクなどの植物由来の代替え食品が浸透してきています。
皆さんも一度はサスティナブルという言葉を聞いたことがあるかと思います。
サステナブル(Sustainable)、サステナビリティ(Sustainability)とは、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味し、これ等を意識することは未来の地球のために何ができるか、食品選択も含み、未来のために協力し合うことにつながる、という考え方です。
大豆ミートと遺伝子組み換え大豆
大豆ミートは体に良いのか?
大豆は環境に良い、と思考停止して大豆ミートを際限なく食べることは危険です。
大豆イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンに近い働きがあり、美肌効果や更年期症状の改善などが期待できますが、一方で、過剰に摂取するとホルモンバランスの乱れにつながります。
また、大豆に含まれるレクチンという成分には、大量に摂取すると腸内の粘膜を刺激して腸管を荒らすという弊害もありますし、マメ科の植物全般に含まれるサポニンにも毒性があり、じんましんを引き起こす危険性があります。
大豆が体に良いものであることは確かですが、何事もほどほどにしなければいけません。
外食で食べる大豆ミートは要注意
私が特に注意しなければならないと考える大豆ミートは、外食時のものです。
大豆ミートとして販売するときは遺伝子組み換え大豆の記載は義務付けられていますが、外食などでは使われていてもわからない、という実態があるからです。
遺伝子組み換え大豆の問題点については以前記事にしたので興味のある方は是非参考にしてみてください。
大豆の脱脂加工工程は2種類ある
そんな世界的な大豆ミートの波がじわじわと日本にもやってきているわけですが、皆さんは醤油や大豆油、大豆ミート等を作る際の大豆の脱脂加工工程についてご存じでしょうか?
大豆油や醬油など日本では沢山の大豆加工商品が出回っています。
そんな大豆を加工する工程は大きく分けて2つあります。
圧搾製法
まず一つ目の工程が、昔ながらの圧搾製法です。
原料に圧力をかけて搾る圧搾法は手間や時間がかかる上、採れる量も少なくなりますが、原料本来の風味や栄養分がそのまま残され、自然の味や香りを楽しむことができます。
圧搾製法には大きく分けて2つ、高温圧搾製法と低温圧搾製法がありますが、違いは抽出時の温度になります。
高温圧搾製法
熱を加えた方が多くの油を抽出することが出来るため、圧搾時に熱を加える圧搾法を高温圧搾製法と言います。
通常、圧搾製法とだけ書かれたものは、ほぼ高温圧搾製法と考えてよいでしょう。
低温圧搾製法
圧搾時に30℃以上の熱をかけていない圧搾製法のことで、別名コールドプレス製法ともよばれます。
熱をかけてしまうと、せっかくの鮮度や香り、風味、栄養成分が損なわれてしまうので、香りや品質を保つため手間暇をかけて行う製法になります。
コールドプレス製法のオリーブオイルなどは香りや風味もよく、高級品としてよく取り扱われています。
抽出法(ノルマルヘキサン抽出)
昔ながらの圧搾法と違い、大量生産品の殆どはこの抽出法によってつくられています。
抽出法による脱脂は、原材料をヘキサン(ノルマルヘキサン)という物質に浸し、油分を抽出した後、沸点の差を利用して植物油を分離する製法です。
ノルマルヘキサンの沸点約70度に対して、例えばごま油の沸点は約200℃以上なので、加熱すると沸点が低い油の方が先に揮発し、必然的にごま油が残ります。
このようにノルマルヘキサンと植物油の沸点の差を利用したものが抽出法であり、理論上ノルマルヘキサンの沸点は、植物油よりも低く、完全に揮発するため油には残存しないとされています。
ノルマルヘキサンは毒性がある為、本能的にはこの製法は気持ちが悪い感じがしてしまいますが、理論的には体に害の無いものとされています。
たまに「圧搾」と書いてあっても、共に「抽出」と記載がある品がありますが、このような場合はノルマルヘキサンを使用していると考えて間違いありません。
この抽出法のメリットは、大量に安価に抽出することだ出来ると言う事であり、デメリットは、何となく気持ちが悪いということと、抽出時に色や臭いがつくので、脱色・脱臭などの余計な精製が必要であることから、大豆が本来持っている旨味を損ねてしまう場合があるということでしょうか。
ヘキサン(ノルマルヘキサン)【by Wikipedia】
極性の低い溶媒として、油脂の洗浄・抽出をはじめ様々な用途に用いられる。大豆の脱脂加工法の一つである溶媒抽出法は、大豆を破砕した後にヘキサンを溶剤として使い油脂(大豆油)を抽出するものである。ヘキサンには毒性があるものの、沸点が69度前後と低いため加熱すれば容易に除去できる。大豆油製造を行なった際の副生産物(油粕)である脱脂加工大豆は醤油の醸造や飼料などに利用される。こうした点で、ヘキサンは食品添加物として扱うことができるが、加工過程で完全除去される加工助剤であり表示されることはない。
大豆ミートの加工方法はほぼ抽出法?
圧搾法と書かれていないものはほぼ抽出法
上述のように世に出回っている殆どの醤油などの大量生産の大豆食品は抽出法により作られていると考えてよいでしょう。
つまり、大豆ミートにおいても圧搾法と書かれていないものはほぼ抽出法で作られていると考える方が妥当です。
抽出法だと、油がほとんど抜けるため、つなぎを使えば簡単に結着し、成形も容易にできますが、圧搾法で抽出すると、成形時に残った油で滑って結着が困難になるそうで、製法上も圧搾法で作った大豆ミートは手間がかかってしまうそうなのです。
まとめ
いかがでしたか?
世界的に大豆ミートを推奨する流れが来ていますが、サスティナブルな食品を妄信的に推奨する前に、私たちは遺伝子組み換えについてや、圧搾製法・抽出法について知識を深め、理解したうえで商品を購入する賢い消費者にならなくてはいけません。
私は個人的に、遺伝子組み換え大豆も抽出法で作られた大豆食品も、よしと思って理解したうえで選択するのは問題が無いと思います。
因みに私はこれらの食品に対して、遺伝子組み換え食品は未だ得体が知れないので、神経質にならない程度に、できることならなるべく摂取しないようにする、一方で、抽出製法の大豆食品に関しては、理論上問題はないと考えるが、風味の問題があるので、お財布と相談しながら両方使用し、料理によって使い分ける、という立場をとっています。
皆さんも遺伝子組み換え食品や添加物など、何となく怖いとただ目をふさぐのではなく、理解や知識をふまえた上で、経済合理性に基づき、自分の食品に対する考え方や立場を明確にしてから、食材を選ぶようにしてみて下さい。
きっと今まで以上に自信をもって食材選びができるようになりますよ。