遺伝子組み換え作物は安全性が不明なのが問題
前回のブログで品種改良と遺伝子組み換えの違いについて解説しました。
交配のような品種改良と違って、複数の生物の遺伝子を合体させて全く新しい生物を創造するのが遺伝子組換えです。遺伝子組み換え作物の歴史は浅く、これまでにない新しい食べ物なので、摂取した人に後にどのような影響が出るのか分からず、安全性は不明であることが最大の欠点です。
例えば大豆などの、遺伝子組み換え作物が流通している作物は、その加工食品には、遺伝子組換えをした大豆が使われている場合が多くあり、それらは「遺伝子組換え食品」または「遺伝子組換え不分別」の表示が義務づけられています。巷でよく見かける「遺伝子組換えでない」の表示は義務ではありませんが、表示していることが多いので、食品を選ぶときの目安になるでしょう。
※最近、「遺伝子組み換えでない」という表記から「分別流通生産管理済み」という表記に変わっているものがあるという話はまた別のブログで書いています。
前回も話しましたが、現在日本で流通が認められている遺伝子組換え作物は８つです。何が遺伝子組み換え食品として国内で流通しているのか知っておくことは遺伝子組み換え食品を避けていくうえでとても重要です。
・大豆（枝豆、大豆モヤシを含む）
・トウモロコシ
・ジャガイモ
・ナタネ
・綿実
・アルファルファ
・テンサイ
・パパイヤ
「遺伝子組み換え」を避ける方法
原材料としての『遺伝子組み換え』表示の義務はない？
遺伝子組み換え食品は原材料に入っている場合は表示義務が無いのが現状です。こうした表示義務を免れている食品に対して、「遺伝子組み換え」を避ける方法はあるのでしょうか？
日本の大豆自給率は約5%で、日本の輸入大豆の約75%は米国産です。計算上日本で使用されている大豆の約60%が遺伝子組換えで、現在遺伝子組換え大豆の使用割合はさらに増加中です。このような状況の中、何も考えずに原材料が大豆であるものを口にすると、遺伝子組み換え大豆を口にするリスクがどれだけ高いか誰にでも想像がつくことでしょう。
遺伝子組み換えのものが多く使われているのは、大豆たんぱく、コーングリッツ、コーンスターチの三原料です。これらのものは、原材料として『遺伝子組み換え』表示の義務がありません。なるべく避けたいので、原材料表示を見て、この品目が使われていないものを考えながら選ぶようにしましょう。以下、選び方のコツを解説します。
有機醤油を選ぶ
原材料表示義務の無い醤油などについても、遺伝子組み換えの避け方はあります。 「遺伝子組み換えの場合は、『有機』とは表示できないことになっているので、有機大豆使用のものを選べば大丈夫です。
食用油の種類を選ぼう
食用油については、紅花油、オリーブ油、ゴマ油、米油、ひまわり油、シソ油なら安心です。なぜならそれらの遺伝子組み換え作物は流通していないからです。
醸造アルコールに注意
また酒については醸造アルコールを添加してあるものは、遺伝子組み換えの可能性があるコーンでんぷん、じゃがいもでんぷんが使われている可能性が高いので、避けるように気をつけましょう。
ビールは麦芽100％を選ぼう
ビールは、コーンスターチの使われているものは、遺伝子組み換えの可能性があるので、原材料が麦芽１００パーセントの物を選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか？日本の遺伝子組み換え食品の規制はゆるゆるで、何もしないといつの間にか遺伝子組み換え食品をずるずると口にしてしまうことになります。しかし、上記のように結構コツをつかめば、遺伝子組み換え食品を避けて通ることができます。
以前書いた「分別流通生産管理済み」豆腐の記事（※過去記事上段落参照）にも書きましたが、政府は遺伝子組み換え食品の表記の基準を2023年から厳しくすることが発表されています。農水省は今後一年ごとに表示対象の見直しをしていくため、近い将来には、醤油やコーンフレークも、遺伝子組み換えの表示対象になるかもしれません。
まずは、それまで遺伝子組み換え栽培の動向に目を光らせて、どこに遺伝子組み換え食品が使われているのか現状を把握しておくことが大切です。そして、我が家の食卓に載せたくないと思ったなら、ラベルの表示をきちんと見極めることが重要だと言えるでしょう。
