食べるほどに痩せるマイナスカロリーの食品とは
皆さんはマイナスカロリーの食品について耳にしたことはありますか?マイナスカロリー食品とは、食品の持つカロリーよりも食事誘発性熱産生にかかるカロリーの方が高い食品のことです。
食事誘発性熱産生とは、咀嚼→消化→吸収にかかるエネルギーのことです。吸収までにかかるエネルギーが食品そのもののエネルギーより高いわけですから、理論上はマイナスカロリー食品は食べても痩せる食材ということになります。
食べても痩せる食材と聞いて、随分うまい話に聞こえます。マイナスカロリー食品に本当にダイエット効果があるのか?代表的なマイナスカロリーの食べ物や飲み物をご紹介していきます!
代表的なマイナスカロリーの野菜
セロリ
セロリは有名なマイナスカロリー食品です。セロリの約75%は水分です。ですから、1本5kcalという超低カロリーで、食物繊維を豊富に含んでいるので腸内環境改善や便秘解消効果も期待できます。セロリにはむくみ解消効果があるカリウムも含まれていて、余分な塩分や老廃物を排出してくれます。セロリの香りにはリラックス効果があり、セロリの香りを嗅ぐことでダイエット中のイライラを抑える効果も期待できます。
ブロッコリー
ブロッコリーは100gあたり33kcalしかありません。ブロッコリーには食物繊維が多く含まれていますが、その他にもビタミンCが多く含まれていることでも有名です。疲労回復や老化防止、癌の予防にも効果があるそうです。
タケノコ
タケノコは100gあたり34kcalと大変カロリーが低く、ブロッコリーと同様にとても多くの食物繊維を含みます。またカリウムが豊富なので塩分排出効果があり、むくみに効果的です。また代謝がよくなり、疲労回復効果のあるアスパラギン酸も含まれているので、美容と健康の面からもとてもおすすめです。
きゅうり
きゅうりは100gで14kcalと超低カロリーです。世界一栄養が少ない野菜と言われるきゅうりですが、なぜマイナスカロリー食品なのかというと、きゅうりに含まれるホスホリパーゼという成分が脂肪を分解してくれるからです。さらにきゅうりに含まれているカリウムは余分な水分を排出してくれます。また、きゅうりに含まれているシトルリンというアミノ酸は一酸化窒素を活性化させて血管を広げて血流をよくする作用があります。きゅうりに含まれるフィトケミカルという抗酸化成分は血液をサラサラにしてくれますし、脂肪分解を促してくれる成分も含まれています。
マイナスカロリーの飲み物・その他
ウーロン茶
ウーロン茶はカロリーゼロで、1杯飲むごとに約40kcalも消費すると言われています。また、ウーロン茶に含まれている「ウーロン茶ポリフェノール」には食事によって蓄積する中性脂肪をつきにくくする働きがあり、ウーロン茶には交感神経を刺激するカフェインも含まれているので、脂肪燃焼効率をアップしてくれます。食事の時に適度に取り入れれば、痩せる効果が期待できる飲み物です。
肉
ここでいう肉は脂肪分を取り除いた肉のことです。肉はタンパク質の代表格ですが、3大栄養素と呼ばれる炭水化物・たんぱく質・脂質の中で、食事誘発性熱産生がいちばん高い栄養素です。
肉は上記の野菜ほどカロリーが低くありませんからマイナスカロリーではありませんが、食事誘発性熱産生が高く、三大栄養素でもありますから是非積極的にとってください。肉を食べてタンパク質を摂取することでカロリーを消費し、それに伴って代謝もアップするため、無理せず健康的に痩せたい方におすすめの食材です。
食事誘発性熱産生が高い赤身の牛肉は勿論おすすめですが、鶏肉や脂肪を取り除いた豚肉からも豊富なタンパク質を摂取することができます。
マイナスカロリーの理論って本当?嘘じゃないの?
実は科学的根拠はない
ここまでマイナスカロリーの食品を紹介してきました。これらのマイナスカロリーは食べても摂取カロリーよりも消費カロリーの方が多いので、理論上はどれだけ摂取しても痩せていくことになります。しかし、実はそれを裏付けるような科学的根拠はありません。
その証拠に、アメリカのニュース雑誌ではマイナスカロリー食品の存在は否定されていますし、アメリカの国立衛生研究所は、脂肪を燃やす食品はないと断言しています。つまり、マイナスカロリー食品を食べるだけで痩せるというのは根拠となるエビデンス(十分な数の症例による科学的データ)が無いのです。
ダイエット食品として優秀な食材である
科学的根拠がないからと言って、マイナスカロリー食品を食べる意味がないというわけではありません。マイナスカロリー食品の代表的な野菜には、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。ダイエット目的だけでなく、健康を維持していく上で積極的に食べていきたい食品です。マイナスカロリーの食品を基本とした食事は、痩せる科学的根拠はありませんが、低カロリーの食品で胃を満たし空腹を解消できるため減量につながる可能性はあります。
まとめ
人は物を食べてから体に吸収するまでに結構なエネルギーを使います。それを食事誘発性熱産生と言います。食事誘発性熱産生のエネルギーよりも食品そのもののエネルギーが低い時、理論上は食べれば食べるほど痩せることになるので、そのような食品をマイナスカロリーの食品と呼んでいます。
しかし、マイナスカロリーの食品が痩せるという科学的根拠となるしっかりしたエビデンスは今のところありません。その一方でマイナスカロリーと言われる食品は基本的に体にもよくダイエットにとても向いた食品ですので、エビデンスの有る無しを気にせずに、気軽に毎日の食事に取り入れていくことをお勧めいたします。