中学受験の志望校選びと通学時間
4月に入っていよいよ本格的に、中学受験の志望校を選ぶ人も出てきているのではないでしょうか?
志望校選びにはレベルは勿論、校風やその学校の持つ教育理念など、様々な要素が複合的に絡んできます。
色々な比較検討要素の中でも、今日は「志望校と通学時間」に焦点を当ててお話をしていきたいと思います。
通学時間ばかりにとらわれるべきではないと私が考える理由
結論から申し上げると、私は志望校選びに通学時間は最重要事項ではないと考えています。
以下それらの理由について説明いたします。
通学時間と学力に相関性はない
娘の学校は関東全ての県から通学者がいる
娘の学校は東京の隣の県ですが、関東全域から通学者がいます。
近い人は学校の目の前に住んでいて、遠い人は新幹線などを乗り継いではるばる2時間ほどかけて通学しているそうです。
私の娘もドアトゥードアで約100分の通学時間ですから、入学当初は折り合いを見て近くに引っ越した方が良いのでは?と担任の先生に相談したりしました。
しかし、担任曰く今まで見てきた生徒で通学時間と成績の相関関係はないと言い切れるので、本人が強く希望しない限りその必要性はないのでは?とのことでした。
私自身も往復3時間の学校に6年通っていた
担任の先生に通学時間と成績の相関関係がないと言い切られて、ふと自分の中高生時代のことを思い出したのですが、私自身も往復3時間かかる私立の中高一貫校に通っていたのですが、確かに記憶をたどってみても同級生の通学時間と学校の成績に相関関係はありませんでした。
学校の近くに住んでいてとても成績優秀な子もいれば、2時間ちかくの長距離を通学しながら、とても成績の良い子もいました。
通学にかかる時間よりも座れるか否かの方が重要
通学に時間がかからない子と、通学に時間がかかる子とで、自由に使える時間が変わってしまうのだから、成績に全く相関関係がないと言うのはおかしいのではないか?と言う人もいるかもしれません。
しかし、それは通学時間が全くの意味のないものである場合に限られるのです。
実際私はあまり家では勉強などした事は無い学生でしたが、通学時間だけは必ずいつも予習・復習・宿題など集中して学習していました。
私は片道1時間座って通学し、その後バスに乗ると言う通学経路でしたが、この往復2時間の電車時間が、かなり自分にとっては大事な勉強時間になっていたのです。
つまり通学時間にきちんと勉強するのであれば通学時間が集中できる大切な時間となり、あまりマイナスにはならないのです。
4回の乗り換えで80分立ちずくめの娘の同級生
娘の小学校の友人で都内の学校に通っているにもかかわらず、乗り換えが4回も必要で結局80分ほどの通学時間を乗ったり降りたり歩いたりと、繰り返して毎日通学している子がいます。
一方で娘は電車に乗っている時間が各駅か急行かにもよりますが、大体乗り換え抜きで60分から80分ほどです(乗り換えは10分くらい)。
そしてそのうちの約半分は確実に座れるルートであり、残り半分は半々の確率で座れるのだそうです。
これだけ見てみても全く座れないドアトゥードア80分の通学をしている娘の友人より30分から40分でも確実に座れるドアトゥードア100分の通学をしている娘の方が時間を有意義に使えることがわかります。
このように通学時間も大切ですが、始発駅など座れる可能性のある通学ルートを使えるかが重要なポイントになってきます。
乗り換え検索だけを信用しない裏ルート通学
娘が今の学校に進学を決めた大きな理由が、独自のルートを使えば、ネットなどの検索エンジンで2時間と出ていた通学時間が20分も縮まったということ、そして始発駅を経由することができるということがわかったからです。
検索エンジンで引っかからない乗り換えルートもある
はじめ私もこの学校は遠すぎて通学は不可能だろうと考えていました。
しかし同じ小学校の1つ上の先輩が通学していると聞いて、一体どういうルートで通っているのか?と不思議に思い、それを知っている人に聞いてみました。
驚いたことに彼は通常の検索エンジンでは引っかからない乗り換えのルートを使って通学していたのです。
インターネットの検索エンジンでは乗り換えに、ある一定時間以上かかるものは検索結果として出て来なかったりしますが、中には上手に乗り換えると驚くほど時間を節約できる乗り換えも存在するのです。
娘の学校は検索エンジンを使うと大体3回乗り換えて約2時間かかる通学時間ですが、裏ルートを使えば、乗り換え一回の1時間40分ほどで通学できてしまいます。
もちろん100分はとても長いですがそのうち40分ほど確実に座れる始発駅を挟んでいるので、思っているほど大変では無いそうです。
同じように私の友人の娘さんも別の隣県の学校に都内から通っていますが、その学校の子がよく通る座れるルートというのがあるのだそうです。
通えるか通えないかは、自分で推測して判断するのではなくて、実際に通っている人に聞いてみるのが一番なのかもしれません。
まずは地図を見て検証してみよう
裏ルートと言うと特別な響きがありますが、地図を見てみてこの形でもいけるんではないかしら?などと検証してみることがまず大切です。
そして、鉄道マニアの方などがブログなどで様々な裏ルートを検証されていることが多いので、検索エンジンだけに頼らず、本当に通うことができないか色々検索し、裏ルートが無いか検証することも大切かもしれません。
まずは、「乗り換え、裏ルート」などのキィワードで検索してみることをお勧めします。
混雑を知らせてくれるアプリ
また最近では乗り換えルートと同じく、電車の混雑がわかるアプリなどもあります。
同じ時間帯でも1本電車をずらしたら混雑が緩和されたり、別のルートで行けば意外と混んでいなかったと言う混雑具合がわかるアプリがあるのです。
それを利用してベストな通学路を検証してみることもよいでしょう。
志望校を決めたら親がこっそり通学ルートに朝乗ってみよう
このようにその学校に通っている生徒に聞いてみたり、何かの裏ルートを調べたり混雑アプリで空いている電車を調べたりして志望校を決めたら、親がこっそりその通学ルートで朝電車に乗ってみるのもよいかもしれません。
絶対通えない!これは無理だ・・・と思うか、いやこれなら通えるかも?と思うかそれは実際にその時間にその電車に乗ってみなければわからないのです。
まとめ
子供が行きたいと思っている学校が遠方であると言う理由だけで、受験の対象外にしてしまっている親御さんが少なくありません。
しかし、実際にその電車にその時間にそのルートで乗ってみないと、本当に通えないかどうかは、わかりませんし、電車の混雑具合や座れるか否かの条件により総合的に判断しないとわからないというのが現実です。
早く家に帰ることができたからといってそのぶん確実に子供が勉強すると言うわけではないので、家が近ければ近いほど絶対に勉学に有利であるとは限りません。
私などは家では集中して勉強することができませんでしたが、限られた1時間と言う電車の中ではとても集中して勉強することができました。
もちろん首都圏の電車は地方とは違いますから勉強に向いた空間では無いかもしれませんが、それでも通学時間を勉強時間に当てている学生はたくさんいます。
通学時間が長いから志望校から外すのではなくて、このルートで行けば座れたり、このルートで行けば空いているけれど、これだけの時間がかかってしまう・・・それでもあなたはこの学校に行きたいのか?と子供と話し合いながら志望校を決めていくことが大切でしょう。