一卵性母娘はいるのに一卵性父息子がいないのは何故?
私の友達にいつも友達の様に母親と出かける友人がいます。結婚して子供を産んで、流石に昔ほどではなくなったようですが、それでも本当に仲良しで親子喧嘩をまともにしたことが無く、お互いのダンナを置いて旅行にでかけてしまうほどです。
親子にはもちろん相性がありますから全ての母娘が仲良しというわけではありません。私は母とそんなにべったりではありませんし、母も祖母と特に仲が良いようには見えませんでした。私は娘と一緒に映画やショッピングにはよく行きますが、息子がまだ小さいためにいつも一緒にというわけではありません。
しかし一卵性母娘は現代社会においてとても増えてきているのだそうです。弟の知人で最近離婚してしまった人がいたのですが、離婚原因が嫁の過度な一卵性母娘っぷりだったと聞きました。母娘が仲良しなのは良いことですが、新しい家庭が築けないほどの一卵性母娘は流石に問題なのかもしれません。
一卵性母娘とはどういうタイプの人におこりやすいのかなぁとふと思って調べていたら面白い文献を見つけました。
母娘は家族の誰とより共感しやすい脳の仕組みがある
「The Journal of Neuroscience」に掲載された研究によると、母と娘は感情をつかさどる脳の構造を共有していて、両者は似たような思考回路を持ち、気分の落ち込みなど、気持ちをお互いに共感しやすいのだそうです。
35組の健全な家族を対象に、MRIスキャンをとって調査した研究チームによると、この母娘の関係性は、母息子、父娘、父息子のどの関係よりも、はるかに密接なものだということが分かったそうです。性格や考え方は、親から受け継いでいるとよく言いますが、その脳の仕組みを実際に可視化したこのような実験はめずらしく、本当に面白い結果だと思います。
つまり母親が娘に、娘が母親に今日の嫌だった出来事や愚痴を言ってしまうのは一番共感してもらいやすい相手であるからということが科学的に証明されたわけです。勿論この症例数ですし、エビデンスと言えるほどのものでもありませんが、ちょっと面白い文献ですよね。
どういうタイプに共依存的一卵性母娘が多いか
一卵性母娘が出来上がる基本的原因は母親側にあります。当然ですが娘は後から生まれるわけですから、母子カプセルを作っていくのは母親になるわけです。それではどんなタイプの母親に親子の世界に固執する人が多いのでしょうか?
夫婦仲や友人関係などに十分な幸せを見いだせない母親
子供にどっぷりになってしまいやすいタイプの母親によくありがちなのが、夫婦仲や友人関係など子供との絆以外に幸せを見いだせないパターンです。社会との接点も無く、社交性も無く内向的な人は注意が必要です。自分の人生に意義を見いだせない人ほど子供の人生に乗っかろうとしてしまい、子供といる幸せを手放せなくなってしまうのです。
自分に自信が無い母親
子どもは、幼い頃には、ママ、ママ、ママ!と全身で母親を求めてくれるため、承認欲求が心から満たされます。しかし、他者や社会から認められているという自信がもてない母親の場合、子供が大きくなっても、子からの承認を忘れられず、母子カプセルに留まりたくなってしまうことがあるのです。
男性に、子供に対して異常固執する人が比較的少ないのは、仕事によってある程度この承認欲求が満たされているためではないでしょうか。
不安症な母親
これはもう性格なのかもしれませんが、不安症な母親というのも子離れできない一大要因となります。子供が一人で何かをする、社会に巣立っていく一つ一つの過程が心配で心配で受け入れられないために母子カプセルに子供を引き留めようとするのです。
私の母が比較的このタイプだったのですが、私が振り切り型の娘だった為に、一卵性母娘にはなりませんでした。このように母親側に母子カプセルを作ってしまうような性質があっても、娘側にそこから出ていく強い意志があれば一卵性母娘は成立しません。
まとめ
いかがでしたか?今日は一卵性母娘について考察してみました。母娘は最近の研究で、医学的にも父娘、父息子、母息子よりも共感しやすい脳の構造をしているということがわかってきました。それゆえに共依存の関係に陥ってしまいやすいことが一卵性母娘が多くみられる一つの原因なのかもしれません。
母と娘が仲良しなのは間違いなく良いことです。しかし、子離れ親離れできないが故の共依存であるならば、それは正しい関係とは言えないでしょう。
母親側が子育て以外の幸せを見つけ、子供の人生を信じて手を放してあげて初めて正しい形の母娘の関係が作られるのではないかなと思います。