気圧が低くなると体調が悪くなるって本当?
段々梅雨が近づき天気の不安定な日々が続いていますね。私は天気による強い体調不良は無いのですが、気圧の低い日は一貫して寝起きが悪く、頭がすっきりしません。
人は程度の差こそあれ、気圧などの天気の影響をうけて生きています。今日はその天気によって出てくる病気である、気象病と、その中でも主に気圧に関するものについてお話をしていきたいと思います。
昔から気象病と言われる体調不良がある
天気で体調が左右される病気、気象病、まだはっきりわかっていないことも多いですが、珍しい症状ではなく、人口の約10%の人が苦しんでいるとも言われています。
天気の変化と病気の関係は古くから知られており、気圧、温度、湿度、日照時間、降水量、雷、風などの変化によって引き起こされる、何らかの身体的・精神的な不調のことを昔から気象病といいます。その中でも天気により気圧が崩れるときに痛みが増強するものを天気痛や低気圧不調と言います。
低気圧不調は、主に気圧変化によって体の水分バランスが乱れることが原因とされています。血管拡張による神経圧迫で起こる頭痛と、気圧の低下が内耳で知覚され自律神経が乱れることで起こる、だるさや目まいなどがあります。
そして、気象病の症状は大きく分けて2つあります。一つ目は、めまい、吐き気、肩こり、イライラ、情緒不安定などのように突然発生する不定愁訴、二つ目は、偏頭痛・関節痛・古傷の痛みの再発などのように、持病が悪化して現れる症状です。気象病のなかでも、後者のように頭痛などの痛みを伴うものを天気痛と呼びます。
気象病のメカニズムは?
気象病の詳しいメカニズムは完全に解明されていませんが、発症には大気の気圧が大きく関与していると考えられています。梅雨や台風、豪雨などの悪天候で低気圧が来ると、気圧が大きく変化します。すると、体内で気圧を感じるセンサーである内耳が脳に信号を送り、自律神経が活性化するのです。
このセンサーが敏感な人は、一般の人が感じないような少しの気圧の変化でも過剰に自律神経を活性化してしまうことがあるのです。気圧の変化で活性化した自律神経は、痛みの神経を直接刺激したり、血管を過剰に拡張・収縮させて周りの神経を刺激したりしてしまい、様々な症状を発生させてしまいます。気圧の他にも、湿度や温度の変化が自律神経に影響し、体の不調として現れることもあります。
耳の奥、内耳に関係がある?
私たちに気圧の変化を知らせるきっかけとなる器官は、耳の奥にある内耳です。内耳がセンサーのような役割をしていて、脳の中枢にある自律神経に気圧の変化を伝えます。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、特に気圧の変化が影響するのは交感神経です。
この内耳センサーが敏感だと、少しの気圧の変化でも脳に対して過剰に伝わってしまいます。その結果、頭痛、めまい、肩こり、ぜん息、鬱病といった様々な不調に繋がるのです。
症状の改善と対策
頭痛、めまい、肩こり、ぜん息、鬱病などなど、気象病・低気圧頭痛を少しでも改善したいのであれば、内耳の血流を改善しましょう。なぜなら、気圧の変化と身体の水分の調整が密接な関わりを持っており、内耳には気圧の変化を感じ取るセンサーのような役割があるからです。また、内耳は水分で満たされており、外リンパと内リンパという異なるリンパ液が循環しています。内耳や体内の水分の循環を良くすることで、体が環境変化に合わせられるようになり、結果、症状改善が期待できます。
耳のマッサージ
では内耳の血流改善には何をしたらよいのでしょう?もっとも簡単なのは耳のマッサージです。耳たぶの少し上を水平に引っぱり、5~10秒したら離す、そして、耳たぶの後ろ側の骨のくぼみ(顎関節)を斜め上にぐっと押し、約30秒したら離す、ということを繰り返してみてください。内耳の血流が徐々に改善されていくのがわかります。
薬の服用
耳のマッサージをしても効果が無い人は、薬を服用するのも一つの手です。薬の中でも特に、抗めまい薬・酔い止め薬などには、内耳の水分循環を改善する作用があり、神経の興奮を抑えて、めまいや吐き気を抑える効果もあります 。
また漢方で五苓散(ゴレイサン)いう薬も、水分循環を改善し、無駄な水分を取り除く作用があるので、気象病に効果があると言われています。
まとめ
いかがでしたか?天気の悪い日、気圧の低い日、何となく体調がすぐれないなと思っていた人は多いのではないでしょうか?
気象病とはこのように多岐にわたり、特に低気圧不調は症状が強く出る人が稀にいます。そういう人は、内耳の血流をよくするために耳のマッサージを行い、自律神経を安定させるために軽くヨガをしたり、十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事をとり、しっかりと休養を取りましょう。
それでも症状が改善されない場合は、医師薬剤師に相談し、薬を服用することも検討してみてもよいかもしれません。