子供の習い事は子供に決めさせよう
先日幼児期の体操教室に関する記事を書きました。その中で、子供が習い事をやりたがらなかったらどうするのか?について書いていなかったので補足の記事を書こうと思います。
結論から言ってしまうと、私は子供がやりたがらない習い事は親が強要するべきではないという考えです。以下その理由を話していきたいと思います。
やりたいと思った事しか人は本気で取り組めない
何故子供がやりたいと言っている習い事しかさせるべきではないと思うのかと言うと、理由は簡単で、私は大人でも子供でも人は結局自分がやりたいと思った事にしか本気で取り組めないと思っているからです。
また同時に、親が喜ぶから〇〇をやるという習慣は決してつけるべきでは無いのです。子供はいずれ大人になり自分の意志で判断して物事を前にすすめていかなければいけません。周りの顔色ばかりうかがって自分の人生に軸の無い人間になってはいけないのです。自分が何をしたいか、その為にどれだけ努力すべきか、その小さな選択一つ一つを自分の意志で決めていくことがとても重要なのです。
どんな小さな子供でも、必ず意思を確認する
この意志を確認するということに年齢制限は無いと私は思っています。
ウチの息子が人生で初めてスタートした習い事はセントラルスポーツクラブの水泳と体操のミックスコースでした。これをはじめた理由は仲の良い友達に一緒に通おうと誘われたことがキッカケです。
当時息子は3歳で、大人目に見たら物事の判断が十分にできる年齢ではありません。それでも私は彼に、本当に水泳と体操をしたいのか?習い事はお金がかかるから、パパの稼いだお金を使うことになる。通うなら真面目に一生懸命やらなければいけないよ、と話しました。息子は小さいながらに理解して、自分でやるという決断をしました。
3歳後半から始めた公文も息子からやりたいと言い出した習い事の一つです。姉が公文をやっていて一緒にいつも送迎をしている中で、同じ歳位の子供が通っているのを見て興味を持ったのです。3歳くらいの年齢でも何かをしたい、したくない、という意思は実ははっきりとあるのです。
いつも、やめてもいいよと言う姿勢でいることが大切
たまに習い事をさせていて、自分の意志で始めたんだからやめてはダメだと子供に言っている親御さんがいらっしゃいます。私はこれには反対意見で、寧ろいつ辞めてもいいよ、というスタンスでいることが大切だと思っています。
勿論あれもこれもやっては辞めての繰り返しだと教育上よくありません。習い事をはじめる前は必ず最低ラインの出口戦略を立ててからスタートさせることが大切です。例えばピアノであればバイエルが終わるまでやるならやっていいよ、とか、水泳ならクロールで25メートル泳げるようになるまでやるならやっていいよ、とか前条件を提示するのです。
スタート地点での目標設定は親と一緒に行っても、途中からは子供が自分で目標をアップデートしていきます。そこからは完全に子どもの意志に任せるのです。辞めてもよし、続けてもよし、自分のことなのだから自分で決めなさいという考えです。
これは大人に対しての仕事と同じで、自分で入った会社なんだから絶対にやめてはいけないと言われると仕事のやる気もモチベーションも下がってしまいます。ある程度のものを吸収し、自分が納得し、周りと話し合えているならいつ辞めてもいい、続けるも辞めるも自由だと思えることは本当に重要なことなのです。
親が習わせたい習い事があるときは
子供の意志に任せるのが大切なのはわかった。しかしそうは言っても小さいうちに習わせたい習い事があるのだけれど子供が興味を示さなかったらどうすればいいの?と言う人もいるかもしれません。そういう時は上手な誘導が必要になります。
親の意志ではなく子供の意志だと思わせることが大切
私の友人の話ですが、彼女がまだ幼稚園生の頃、家に大きなピアノがやってきたそうです。母親は猫ふんじゃったしか弾けなかったそうなのですが、彼女の前で楽しそうにピアノを弾きました。しかし、彼女がピアノに触ると、ダメよ、このピアノはピアノを習っている人しか触っちゃ駄目なの…と言われ、どうしてもピアノが弾きたくてピアノを習いだしたのだそうです。彼女の母親は猫ふんじゃったしか弾けないわけですから、勿論そのピアノは彼女のために購入しているのです。しかし無理やりピアノを習わせるのではなく、楽しそうに弾いてみることで子供に興味を持たせたのでしょう。
因みに私もこの上手に誘導するという手法はたまに使います。最近私は息子にプログラミングを習わせたくてロボット教室などを探しているのですが、敢えて息子が使っているiPadでプログラミング教室をガンガン検索しています。見たことあるサイトでも構わず何度もクリックしているのです。
そうすることでAIが息子はプログラミング教室に興味があるのかと勘違いして、Youtube動画の広告にガンガンその宣伝CMを流しだします。そうしていくうちに最近息子が、僕もロボット作りたいなぁ…と言い出しました。(心の中で私はガッツポーズです(笑))
そんな私ですが、やはり習わせたくても無理なものは諦めます。それが息子にとってのピアノで、何度か上手に誘導しようとしたのですが、興味を持ってくれませんでした。今のところ、まぁしょうがないかな?という感じです。
あれもこれもやりたいと言われたら
たまにあれもこれもやりたいと言い出す子供がいます。1週間毎日習い事に通いたいというタイプの子供です。娘がそのタイプだったのですが、そういう子には安請け合いせずに話し合うことも大切です。
一旦受け止めて最低2度お願いされてから考える
娘は小学校低学年の頃、好きだったアニメのキャラクターの女の子が毎日習い事をこなすデキる系女子だったのを見て、自分も毎日習い事を入れたいと言い出しました。
漠然としたお願いだったので、とりあえずどのお習い事をやりたいのか聞きました。その中には思い付きで一度だけ名前が出てきたものもありますが、複数回懇願してきたものもあります。当然ですが、この複数回懇願してきた習い事は彼女が本当にやりたいと自分の意志で考えているものです。
子供の話を聞きながら、子供が本当にやりたいものは何かを見極めるのも大切な親の仕事だと思います。
費用や予算は子供に提示してしまってよい
習い事を複数しだすと出てくるのはお金の問題です。たまに、経済的に出せる額ならば教育費に上限を設けてはいけないという人がいますが、私は反対の立場です。
教育費に上限を設けないというのはお小遣いに上限を設けないというのと何ら変わらないことであると私は考えます。上限の無いものには人はありがたみも感じませんし執着も持たないからです。
大人になったらわかることですがどのようなものにも予算というものは存在します。その中でいかに上手に自分のやりたいことをやることができるか?も大切な学びの一つなのです。
私は娘に予算を提示して話し合いながら習い事を決めました。ピアノ、ダンス、バレエ、水泳、公文がその候補でしたが、公文以外は教室によって価格が異なります。彼女は数をこなしたい人だったので、なるべく単価が安い教室を探し、公営のサークルなども利用してスケジュールを埋めていきました。
最後に
子供は習い事をしていく中で自分の得意不得意に気づいていきます。娘は小学校低学年の頃公営の安いレッスンも含めてダンスを3つ掛け持ちしていたのですが、3年生になると、いきなりダンスを全部やめると言い出しました。
理由を聞くと、「私は公文などのお勉強は人より少ない努力で成果を出せるけど、ダンスは相当頑張らなければ人より上手くなれない。運動の中では比較的水泳が自分に合っていると思うので体力づくりのために水泳は続けるが、ダンスはもういいかな、と思った。」というのです。
何だか今までやったことが勿体ないな…と思う一方で、凄いな、もうそこに気づいて自分で判断したんだ!という驚きもありました。
子供は親が思っている以上に自分の意志で動いています。好きなことを探す、得意なことを探す、それは大人になっても永遠のテーマだったりしますが、習い事はそれを気づかせてくれる重要な学びなのではないでしょうか。