ししとうを食べる時たまに辛いのが混じっていて困る
以前友達と焼き鳥を食べていた時、「そのししとう辛いかもよ?」と注意喚起したら、本当に辛かったようで何故分かったのかと大変ビックリされました。
私は子供の頃から比較的辛いししとうは見分けがつくのですが、それは親が見分け方を教えてくれたからであって、当然教科書などに書いているものではありません。
今日は辛いししとうの見分け方について解説していきたいと思います。
そんなの常識、知ってるよ!と言う方は読み飛ばしてくださいね。
ししとうは何故辛いものがあるの?
ししとうの正しい名前は「獅子唐辛子」といいます。
ししとうがらしは、名前の通りれっきとしたとうがらしの仲間です。
正式名称は「ナス科トウガラシ属ししとう」といい、トウガラシと書いてはいますがじつはピーマンに近い種類にあたります。
ししとうのあの苦味はピーマンの仲間だったからなのか!と納得ですね。
因みに辛いししとうの確率はなんと10本に1本となっており、辛さの原因はかの有名な唐辛子成分のカプサイシンです。
実はししとうは品種改良の結果生まれた野菜で元の植物は青唐辛子なのです。
そのためか、ししとうが育つ過程でストレスを受けると、品種改良で表に出なくなった辛み成分が、強く表に出てきてしまうのです。
五感でわかる?辛いししとうの見分け方
房の形で見分ける
辛いししとうの房の形には特徴があります。
ししとうは上部の房の形が丸いと、辛いものが多く、辛くないものは多角形になっているので、辛く無いししとうが欲しい人は角ばったものを買うようにしましょう。
大きく育ったものでもこの部分の形は変わらないので、見分けるポイントとして覚えておいてください。
種が少ないものが辛い
ししとうは切ってみて中の種が少ないと、辛いとされています。
先ほどの房の形と違って、表面を見ただけで分かるものではないですが、ちょっとつまんでみてへこむようだと種が少ないということがわかりますので、可能なら軽く触ってみましょう。
見た目だけで種の少なさを見分けることは少し難しいですが、触り慣れると意外とすぐにわかります。
変形しているものは注意
これはふわっとした表現になってしまうので申し訳ないですが、何となくいびつに曲がっていて、形が不自然なししとうも避けたほうがいいでしょう。
こういう形がいびつなものはストレスが強いのか?やはり辛いものにあたる可能性が高いようです。
辛いものは香りが高い
通常ししとうの香りはとてもほのかで、気になるほど強いものではありませんが、辛いししとうは相反してとても強い香りを出しています。
少しいつもより香りが強いと感じたら、辛い可能性が高いです。
シワが少なく光沢がないものに注意
見た目で決める最後の方法がこれになります。
普通の野菜ではシワが多い野菜は避けられがちですが、ししとうの場合は逆で、つるつるでシワが少ないほうが辛い可能性が高いです。
辛いししとうが多い時期
最後に、見分け方とは異なりますが、辛いししとうが多く出回る時期というものがあります。
ししとうは最近は通年で出回っていますが、夏野菜なので旬は夏になります。
優しくハウス栽培されたものに比べ、夏の猛暑に耐えたししとうにはストレスが多くかかるのか謎ですが、 ししとうは過度な暑さに弱く、それが辛さの生まれる原因の一つとなるそうです。
このことから春~夏のししとうは辛いものが混ざっている確率が高いそうです。
ストレスがかかると辛くなる理由
辛いししとうの見分け方を一通り解説してみました。
今度は何故辛いししとうが出てくるのか?
ストレスと言う理由だけではキツネにつままれたようで納得できないという方のために、ちょっと独自に調べてみました。
結果として、ししとうの辛いものは、ストレスなどの影響で単為結果(受粉せずに実をつけてしまったもの)であることがわかりました。
種の代謝に必要な物質とカプサイシンの前駆体には共通のものがあり、種が作られない場合、カプサイシンの合成が進んでしまうのだそうです。
そのことが、単為結果のししとうが辛くなってしまう原因のようです。
単為結果したものが辛いということからも、中身を割って種の少ないものが辛いという理屈がわかっていただけたかと思います。
まとめ
ししとうはほんのりとした苦みが美味しい野菜です。
しかし10本に1本と言う高確率でとても辛いものが混じっているので、食べるロシアンルーレットと揶揄されることがあります。
ししとうの辛いものは、育つ過程で単為結果したものであるため、見分け方は比較的簡単で、一番のコツは割ってみて(もしくは上から触ってみて)種があるか無いかを考察することです。
種が極端に少なかったり、潰れたようになっているものが辛いししとうです。
その他の見分け方として、房の形、変形具合、香り、艶や光沢など細かな違いも見分けるポイントになります。
種をしっかり確認したいときは、割って確認してから調理してもいいですし、小さなお子さんに出す場合などは、割って種の少ない個体はあらかじめ弾いておいてもいいかもしれません。
豆知識ですが、覚えておいてくださいね。