カーエアコンと家庭用エアコンはシステムが違う
前回湯船にお湯をためてお風呂に入るのとシャワーを使うのはどちらが節約になるのか比較検証する記事を書きました。今日は家庭用エアコンでは無く、カーエアコンの効率的な使用方法や推奨設定温度について話していきたいと思います。
カーエアコンは設定温度が高くても節約にならない
家庭用エアコンは高め(28℃)に設定すると節約になるとはよく聞きますよね?一方でカーエアコンの設定温度を高くしても決して節約にはならないことを知らない方は結構いるのではないでしょうか?一般的な家庭用エアコンの場合、冷房の設定温度を低くすると、電力消費が大きいため、できるだけ高い温度に設定するよう推奨されています。
しかし車のエアコンは、家庭用とは冷媒システムが異なり、温度設定を変えても燃費にはあまり影響がでないのです。
カーエアコンは取り入れる空気の場所で効率が変わる
カーエアコンの効率的な使用方法は、内気循環と外気導入の上手な切り替えです。
外気導入は車の外側、つまり外気を車内に取り入る仕組みで、これに対して内気循環は車内部つまりは車内空間の空気を循環させる仕組みのことです。
暑い夏の日、車を外に出していると驚くほど車内が暑くなったという経験を誰しもがしたことがあると思います。このような夏場の炎天下の長時間駐車では車内温度は70度に達することもあるので、まずはドアの開け閉めを何度か繰り返し、窓をすべて全開にしてしばらく走るなどして車内の熱気を抜きましょう。
それと同時にエアコンは外気導入にしておき、車内の空気を入れ代えてしまいましょう。その後、ある程度室内が冷えたら、内気循環モードに設定するとエアコンの負荷が減り、冷房が効きやすいと言われています。
以上の流れが暑くなった車内温度を最も早く効率よく下げるコツです。
※内気循環モードのまま長時間運転していると換気が悪くなり、車室内のCO2(二酸化炭素)濃度が高くなって眠くなることがあるため、快適な運転をキープするために内気循環モードと外気導入モードは定期的(30分に1回程度)に切り替えながらドライブすることが肝心です。
家庭用エアコンとカーエアコンの冷却システムの違いは?
家庭用エアコンとカーエアコンは冷却システムが違うと書きましたが、その違いを簡単に説明すると、家庭用エアコンは室内温度と設定温度の差を縮めることにエネルギーを要するのに対し、カーエアコンは取り入れた空気を一度0℃近くまで下げ、その後設定温度まで温めるのです。
内気循環で設定温度が高い場合、エアコンはまず取り入れた空気を0℃近くまで下げようとします。設定温度が高いと、暖かい空気を取り入れて冷やさなければならないのでエネルギーが多く消費され、結果的に燃費が悪くなるという仕組みです。
カーエアコンも家庭用エアコンと同様に「外から取り込む空気の温度が高ければ高いほど冷たい空気を作るのが難しく、逆に外気温が低いほど冷たい空気を作りやすい」という構造上の特徴を持っています。
カーエアコンのベストな設定温度は日本車と外車で違う
カーエアコンの燃費に良い温度は何度なのか、これに関して自動車関連部品会社のカルソニックカンセイ株式会社が推奨値を発表しています。
それによると車の冷房の適正温度は日本車なら25℃、輸入車なら22℃とのことです。この数値に冷房温度を設定すれば、猛暑でも涼しく車の燃費も一番良い状態を保てます。
上記でも話したようにカーエアコンは一度0℃近くまで冷却した空気を暖房で温めるシステムであるため、冷房温度は低すぎても高すぎても、燃費に与える影響はほぼ同じです。この点を考慮しても、冷房温度を上記の推奨値に設定・固定しておくと良いでしょう。
まとめ
家庭用エアコンとカーエアコンは冷却システムが違うために、設定温度が高ければ節約になる家庭用エアコンとは違って、カーエアコンは設定温度が高くても節約にはなりません。
カーエアコンは取り入れた空気を一度0℃近くまで下げて温めるというシスムを取り入れているので冷房温度は低すぎても高すぎても、燃費に与える影響はほぼ同じです。
それでも一応推奨されている設定温度が一番省エネになるので、敢えて言うなら日本車は25℃、外車は22℃が推奨設定温度なのでこの温度に固定するのがお勧めです。