豆腐に記載の「分別生産流通管理済み」表示の謎
今日の夕飯は麻婆豆腐だったのですが、材料の豆腐を買いにスーパーに行った際に、豆腐のパッケージの裏に不思議な記載を見たので、今日はそのことについて話をしていきたいと思います。
スーパーでお豆腐を選んでいると、パッケージの原材料の所に、「分別生産流通管理済み」との記載がありました。正直、ナニコレ?と思ったので、その豆腐は購入せずに、他の豆腐を手に取ったのですが、別の豆腐にも同じ記載がされていました。どれもよく購入するメーカーの物だったのですが、同じように今まで見なかった記載がされています。私の記憶ではつい最近までそのような記載はなかったはずです。
いくつか見て見ると、その記載の代わりに、「遺伝子組み換えでない」と書かれている豆腐もありました。何がどう変わったのでしょう?私は混乱してしまいました。
今までは「遺伝子組み換えでない」と書かれてたのに?
つい先日まで私は初めに手に取ったメーカーの豆腐をよく購入していたのですが、私の記憶が確かならば、「分別生産流通管理済み」と記載されていたその場所には、「遺伝子組み換えでない」と書かれていたはずです。
「分別生産流通管理済み」という言葉だけでは正直何のことなのかさっぱり見当もつきません。若しかして遺伝子組み換え大豆を使用しだしたのかな?そのことを書きたくないから、こんな煙に巻くような表現を使っているのかしら?
その時は不審に思って、思わずいつもの豆腐を買う手を止めてしまいました。かわりに「遺伝子組み換えでない」と書かれた別の豆腐を購入して、とりあえず帰路につきました。
2023年から遺伝子組み換え不使用表示が厳格化!
その後、帰宅して詳しく調べていくと、実は2023年4月1日から、新しい遺伝子組み換え表示制度が施行され、遺伝子組み換え不使用表示(Non-GMO)が厳格化されるということがわかりました。
大豆加工品メーカーの中には、改正に先行し、遺伝子組み換え不使用表示にかわる表示として、「分別生産流通管理済み」といった文言に切り替えるなど、対応をとっているというのです。
現行基準では、原料を分別生産流通管理し、意図せざる遺伝子組み換え農産物混入が5%以下であれば、遺伝子組み換え不使用表示が許容されているそうなのですが、改正後は、遺伝子組み換えの混入がない場合のみ、認められることとなるそうです。
分別生産流通管理済みとは
そうした中で、厳密に全く遺伝子組み換え作物の混入が無いと言い切るのは難しい、という場合に、「分別生産流通管理済み」という表記がされているのだそうです。
「95%以上遺伝子組換えでない」とか「ほぼ遺伝子組換えでない」とか「意図せざる混入率が5%以下」といった表示のように消費者にわかりやすく表記してくれればよいのですが、何社か豆腐裏の記載を見てみた感じだと、どこも「分別生産流通管理済み」という記載に落ち着いているようでした。
遺伝子組換え作物栽培国(米国やカナダなど)から輸入された大豆やトウモロコシは、これまで遺伝子組換え原材料が混ざらないよう、分別流通管理された場合に「遺伝子組み換えでない」と表示されてきたそうですが、これらは「不検出」を証明しなければ、「遺伝子組み換えでない」と表記するのは難しくなりました。そのため、今回の改正によって「遺伝子組換えでない」という表示の商品はかなり減ることになるとみられています。
まとめ
私は今まであまり深く考えずに、「遺伝子組み換えでない」と書かれた豆腐を買うようにしていました。しかし、カナダやアメリカなど遺伝子組み換え作物を多く栽培する国から輸入した大豆の場合は、分別流通管理されていても、100%遺伝子組み換え作物が混入しないとは言い切れません。そのため、各種メーカーは今まで「遺伝子組み換えでない」と記載していた、ほぼ遺伝子組み換え作物の入っていないものに関して、「分別流通生産管理済み」と記載変更する流れになっているようです。
勿論今まで通り、「遺伝子組み換えでない」と記載される豆腐も世に出回るでしょうし、遺伝子組み換え大豆を意図的に使用した場合は、必ずその旨を記載しなければならないことは今後も変わりありません。ですから厳格化によって、遺伝子組み換え作物が増えるのではなく、遺伝子組み換え作物が少しでも混入している可能性の有るものと、全く混入していない物の線引きが強化されるということなのです。
消費者にとっては厳格に遺伝子組み換え食品の有る無しを区別することができるので、より一層表記が優秀になるということで問題は無さそうです。しかし願わくば、もう少しわかりやすい表現にしてくれたらいいのになぁと思ったのは私だけでしょうか?あまり文句を言ってもしかたがありませんが、個人的には、「ほぼ遺伝子組み換えでない」くらいの表現が一番わかりやすい気がしました。