大学入試共通テスト・再び大学入試が大きく変わる
「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報」が追加
今日、大学入試センターが共通試験の将来の大幅な変更について発表しました。2025年からの大学入学共通テストで出題する教科に「情報」を新設し、現行の6教科30科目を7教科・21科目に再編するそうです。新しい高校学習指導要領で必修科目となる「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報」などは初めての出題となります。
情報と言えば小学校の義務教育が始まったプログラミングですが、とうとう大学入試共通テストへの組み入れが決まりました。これは結構大きなニュースです。どのくらいの内容で採用されるのか、子供が進学したい先には使用されるのか、まだまだ未知数ではありますが、後から大人になってくる子供たちがこのレベルを標準装備してくると考えたら、子供にもプログラミング位習わせるべきかしら?と思う親御さんも増えるかもしれません。
もっと変わる共通テスト
共通テストは、大学入試センター試験に代わり今年1月に初めて行われました。1990年から続いたセンター試験が変わるとあって今年の受験生はコロナも加わって本当に大変だったと思います。
この共通テストが、もっと本格的に変わるのは今日発表があったように25年の1月からです。22年度から高校の学習指導要領が新しくなるため、それをもとに学ぶ現在の中学2年生が、高校3年生になった時に受ける共通テストが大きく改変されるのです。新スタイルでは科目を新設する一方で、質の高い問題を継続的に出題できるように、現在30ある科目数のスリム化が行われ、今後、文部科学省が高校や大学と協議して正式に決定するそうです。
発表によると、新教科の「情報」は、プログラミングを学ぶ「情報I」が出題範囲となるそうです。地理歴史は、日本と世界の近現代史を扱う「歴史総合」や、国際協力や防災がテーマの「地理総合」を、それぞれ「日本史探究」や「世界史探究」などと組み合わせて出題します。公民では、政治や社会を考える「公共」が新設され、「倫理」や「政治・経済」などと組み合わせることになるそうです。「英語」は、新学習指導要領の「英語コミュニケーションI」「英語コミュニケーションII」「論理・表現I」が出題範囲となります。現行通り、リーディングとリスニングによる試験となる見込みだそうです。
テスト改定時期にあたる学年は不利?
実は私もセンター試験の数学改定時期にあたった世代
今回の様な大改訂の時期ではありませんが、私もセンター試験の数学の改定前後にあたった世代です。確か複素数平面が入って、行列かな?ちょっと思い出せませんが、何かが無くなった時期でした。ちょっとした変化ですが、こういう時期にかかってしまうと結構プレッシャーがあったのを覚えています。
不利であることは間違いない
過去問だけをしていればいい時期と違い、この移行期にあたった学生は新バージョンの勉強も旧バージョンの勉強も何故か?念のため?させられた記憶があります。教師の頭が移行していなかったのか?大学入試で移行前後の問題が出るかもしれないと思われたのか謎ですが、何故か多めに、念のため、勉強させられた記憶があります。
浪人できないプレッシャー
またこの移行期にあたる学年の生徒は、問題が大幅に変わってしまうのが当然不利であるため、浪人に対する大きなプレッシャーがありました。これは心理的にとても負担だった記憶があります。
浪人すると新・旧スタイルを選ばなければならないが
予備校などは旧を捨てて新スタイルに移行してしまった
私の古い記憶で申し訳ないのですが、当時、新・旧数学の入れ替わり時期にあたった浪人生は3年間学んだ旧数学を捨てて新数学を学ばされていました。思うに、これから新バージョンに移行するのに新と旧を両方やっていくのは予備校のカリキュラム的に無理なので現役生のために、一律新数学を学ばせたのだと思います。
私の記憶では浪人生は悲惨だった
このように予備校は新バージョンしか対策しなくなったうえに、私の記憶ではその移行の年の旧バージョンのセンター数学が難しすぎて浪人生は悲惨な目に合っていました。新バージョンは寧ろ超簡単で現役生に有利だった記憶があります。浪人生も新バージョンを選択することは出来ましたが、多くの学生は3年間学んだ旧バージョンを選択していました。
大学入試センター試験は、数学を2つ新・旧バージョン作るなら、平均点を同じくらいになるように難易度を決めなければならず、きっと浪人生の方がたくさん勉強しているのだから難しくても大丈夫だろう?と思ったのか?現役生の新バージョンの問題の方が過去問も無いから簡単にしてあげなければいけないと思ったのか?定かではありませんが、平均点が数学2科目それぞれ20点づつ合計40点も旧式が低くなり、当時大問題になっていました。
早い時期での対策が必要
旧スタイルの最終学年は浪人できないと思った方が良い
このように、数学だけの変更期ですらこんなドタバタがあったのですから、全科目大改革となる2025年に受験する学生、特にその前の2024年に受験となる旧バージョン最後の学生はもう浪人できない気持ちで受験しなければならなくなると思います。浪人しても予備校などが旧バージョンの対策をしてくれなくなる危険があるからです(勿論対策してくれるかもしれませんが、リスクが高いという意味です…)。
新スタイルの初めの学年は条件はまだマシだと思おう
新バージョン初年度の学生は過去問も無い状態の受験となり、大変かもしれませんが、敢えて言うなら移行期前の最後の年の後がない学生に比べれば、全然マシだと思ってください。とりあえず何が出るかわからないポジションは皆一緒なわけですから、頑張って新バージョンの教科書に沿って勉強していくしかありません。
まとめ
大学入試センターはとうとう本格的な大改革をするようです。今年から始まった共通試験ですが、2025年は完全に変革の年になるでしょう。おそらくあらゆる学校の大学入学者の顔ぶれが入れ替わるくらい大きな変化がみられると思います。
我々大人は、変化に富むこれからの時代の学習に沿った勉強を子供たちにもさせなければなりません。リスニングやスピーキングに重きを置いた英語や、私達が学ばなかったプログラミングなど、沢山の変化に柔軟に対応しなければなりません。
まずは幼児期から何を学ばせるか考え、中学高校を選ぶ際、未来に対応した教育をしているか否かに注力し、学校選択をしなければならないでしょう。