前回ナチュラルクリーニングの中でも代表的な重曹とクエン酸について深掘りしてお話ししました。今回はその他のナチュラルクリーニング材であるセスキ炭酸ソーダと過炭酸ナトリウム、そしてアルカリ電解水についてお話ししたいと思います。
ナチュラルクリーニングと言えばコレ
1. クエン酸
2. 重曹
3. セスキ炭酸ソーダ
4. 過炭酸ナトリウム
5. アルカリ電解水
ナチュラルクリーニングには上記のように、重曹やクエン酸の他にセスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウム、アルカリ電解水などがよくあげられます。
洗浄剤の液性とpH値の度合い
前回の記事でも書いたようにこの中ではクエン酸だけが酸性で、他の4つはアルカリ性です。掃除のコツはその汚れの反対の性質のものを組み合わせるところにあるので、酸性のクエン酸はアルカリ性の汚れや臭いに強く、水垢などの水回りのお掃除が得意です。
その他4つはアルカリ性なので皮脂などの酸性の汚れや臭いに強いとされています。アルカリ性の強さは、過炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ソーダ、重曹になりアルカリ電解水は物によって強度は違います。
セスキ炭酸ソーダとは
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムで構成された「アルカリ剤」で、合成界面活性剤(石油系合成洗剤)に比べて環境に優しいのが特徴です。セスキ炭酸ソーダの見た目はサラサラとした結晶状で、ほとんど素材臭がありません。
セスキ炭酸ソーダの使い方
セスキ炭酸ソーダは水に溶かすことでセスキ炭酸ソーダ水として、掃除に使用できます。作り方は水500mlを入れたスプレーボトルにセスキ炭酸ソーダを小さじ1~2入れ、粉が無くなるまで軽く振り溶かすと完成です。
セスキ炭酸ソーダと重曹との違い
アルカリ性は重曹より強いため、一般の洗剤と同じように身体に安全というわけではありません。掃除の際は手が弱い人は特に素手で利用しないようにし、ペットや子どもがなめないようにする、など注意しましょう。
また重曹に比べてセスキ炭酸ソーダは水に溶けやすく白残りしにくい特徴があります。
過炭酸ナトリウムとは
過炭酸ナトリウムとは、酸素系漂白剤の主成分のこと。漂白剤・除菌剤・脱臭剤としてよく使われています。塩素系漂白剤と違って、使用後は炭酸ナトリウム・酸素・水に分解されるので、環境にも優しいです。
過炭酸ナトリウムの使い方
過炭酸ナトリウムは粉末で、40~50度程度のお湯に溶かして使ったり、つけ置きに使ったり、少量のお湯または水に溶いてトロっとした状態にして使ったり、お湯や液体せっけんと混ぜてペースト状にして使ったりします。
ペースト状にした過炭酸ナトリウムはお風呂掃除におすすめです。壁やパッキンなど、黒カビが気になる部分に塗りつけてしばらく置き、軽くこするだけでキレイになります。
ペーストの作り方は過炭酸ナトリウム(大さじ2)液体せっけん(大さじ1)40℃程度のお湯(適量)で完成です。
過炭酸ナトリウムを使用する際は、直接手で触れないようにゴム手袋をつけることをおすすめします。
過炭酸ナトリウムと重曹の違い
また、過炭酸ナトリウムは重曹などに比べアルカリ性が強いので、粉や溶かした水が口や目に入った場合は、すぐに洗い流しましょう。痛みがある場合は、医療機関を受診してください。
保管方法
炭酸ナトリウムは、保管中に少しずつ過酸化水素が発生するため、過炭酸ナトリウムの袋にはたいてい針で開けたような小さな穴が開いています。他の容器に移し替えて保管するときは、完全に密閉してしまわないように注意が必要です。また、直射日光が直接当たる場所や高温多湿な場所に保管しないように気をつけてください。
アルカリ電解水とは
アルカリ電解水は、水を電気分解してアルカリ性にしたものです。アルカリ電解水の特色は、洗浄力と除菌力の高さです。水拭きでは取れない汚れを落とし、雑菌を分解してくれます。また、原材料は基本的に「水」なので、薬剤や洗剤成分が残らず、安心・安全に使うことができます。
家庭用と業務用の違い
アルカリ電解水で家庭用と業務用の一番の違いはpH値です。pH値が高ければ高いほど、汚れの洗浄力が変わります。市販されているものは、pH値が11~12.5程度で、この程度のpH値であれば、比較的簡単に安価で生成できるので、100円ショップなどでも購入することができます。しかし、不安定な状態なので、例えば1年経ったらpH値が下がって中性になり、久しぶりに使ったら汚れが落ちない!というケースもあります。
業務用、または業務用水準で販売しているアルカリ電解水はpH値が高く、12.6~13以上のものもあります。pHは少し上がるとアルカリ度はとても強くなるので、業務用はかなり洗浄力があります。
デメリット
デメリットは長期保管に向かなかったり、水が使えない場所には使えないことや、利用できない場合があることです。
使えない場所は具体的には、アルミニウムを含む合金・宝石類・無垢材のフローリング・木製家具・漆器類・ガラス・大理石・アクリル樹脂やゴム素材・液晶画面やカメラレンズのコーティング・皮革やシルクなどの動物性素材が挙げられます。
まとめ
ナチュラルクリーニング材で最も安全なのは口に入れても問題の無い重曹(アルカリ性)とクエン酸(酸性)です。
アルカリ度は過炭素ナトリウム>セスキ炭酸ソーダ>重曹であり、アルカリ電解水は物によって強度が異なります。
全て安価で100均で買うことができるので、お試しで使ってみるのがお勧めです。ナチュラルクリーニング初心者は、まずは重曹とクエン酸でトライしてみて徐々にセスキ炭酸ソーダや過炭素ナトリウムやアルカリイオン水にチャレンジしてみましょう。
ナチュラルクリーニング材とは言えども、重曹とクエン酸以外は取り扱いに注意し、ペットや子供が舐めたりしないようにキチンと管理しましょう。